第31話 偉い人が来ましたよ!

色々と会ったけど今日は、メリーナさんのお母様が久々に戻ってくる。

結構な時間、王都にいた様だ。


お昼頃に何台もの馬車が、店と宿の前に泊まる。


俺はセトさんと店の前で、その一行を見ている。


セトさんはウドンと蕎麦を食べて、また醤油が使われている事を知り、これは奥が深いと1人納得していた!


倉庫の奥のギフト商品はまだ見せていない、恐らくは数の多さに発狂するかも知れない。


馬車からは恰幅の良い御仁が次々と降りてくる、筆頭執事のウルメグさんが俺を見つけて近寄って来た。

後ろには更に恰幅の良い紳士も来た。


「遅くなりましたマサシ様。この地の扱いをキチンと決めましたので、安心してください」

ウルメグさんは俺の手を取り、握手してくれる。


「オッホン、ウルメグ」

後ろの御仁が咳をする。


「失礼しました旦那様、こちらがこの店の店主マサシサダ様です。

マサシ様、こちらが我が主人で、ルークトン夫人の旦那様でメリーナお嬢様の父親でウドゥン伯爵領を統治しているウドゥン伯爵です、よろしくお願いします」

ウルメグさんが紹介してくれた、やはり伯爵様だ!


「伯爵様、私は貴族の作法は知りませんので、不作法をお許しください。

マサシと言います、よろしくお願いします」

俺は手を胸に当てて頭を下げる、これで良いはず?


「ルークトンにも聞いている、ウルメグや娘の報告書も読んでいるので、安心して欲しい。

それと王都からは、かなりのご婦人を連れて来ている、洗髪料の在庫は大丈夫であるかな」

チョット見で綺麗なドレスを着ているのは10名ほど、メイドはかなりいるけどどうにかなると思う。


「夫人達10人程なら問題は有りませんよ、ただ肌の合わない方にはご遠慮頂くこともありますが」

俺の回答に、伯爵は少し渋い顔。


「危険な物なのか?」

俺に問いかけてくる。


「たまに肌に合わない方が居ますので、痒くなったりかぶれたりする方には、ご遠慮頂ければと、夫人とお嬢様は大丈夫でしたけど」

「同じ物なら王都で試した、みんなそんな症状は出ていないので誘って来たんだが?」

王都で試したなら大丈夫だろう。


「同じ物で大丈夫なら心配はいりませんね!」

「良かったよ」

途端に笑顔になる伯爵。

「それと我が領地の名物ウドンを皆に食させたいのだけれど、そちらも数は大丈夫かな?」


在庫は有る、後は調理時間だね。

「時間がかかっても良いならばお出ししますけど、一気にあの人数は出来ませんよ」

「そこをなんとか出来ないのか、料理人とメイドは連れてきているがどうだろう、魔道具や調理器具も来ているんだ」

うーん食べさせたいけどね、俺はセトさんの方を向く。


「セトさんこの人数を捌いたことありますか?」

「来た魔道具と調理器具の性能ですね、どうにかなるとは思いますが?」

セトさんが出来そうだと思うらしい。


「では伯爵様、夕飯までに出せるようにします。それと飲み物と甘味をお出ししますので、こちらのテーブルにご婦人達の移動をお願いします」

忙しくなったけどここを乗り切らないとな、峠の茶屋は暇そうなのにね!









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