第28話 宿の説明!

俺を見ていたメリーナが声をかけてくる。


「マサシ様、何か心配事ですか? 此処に書いてある通り悪い事は起こりませんけど?」

「いや此処の宿が出来ていないから、メリーナが怒られはしないかと思ったんだ」


「優しいお心を頂きました、安心して下さい、その事は逐一お父様に報告してあります、途中でお母様と会うので説明をしてくれる筈です」

「それでもね、まだまだ開店出来ないだろう?」

俺の疑問にメリーナは答える。


「フフフそうですね、お店としてはまだ無理ですね、それと当初は2階に2部屋と一階はテーブル4つの食堂でした、それが今では二階の部屋数大小合わせて15部屋、下には食堂とお風呂も完備する様に改良しています。

山の中腹ですので、晴れていれば周りの領土が見える絶好の場所ですよ。

海に行く方は絶対に通りますし、商人さんも必ず来ます」

山の関所か箱根みたいだね。


「でもそれでも早く出来ない事には、採算が取れないだろう?」

「そこはマサシ様にご協力を頂いて、倉庫の品を当分の間は、我が家と独占契約してもらいます。

全部では無くて洗髪料とかの入浴剤等ですね、後お酒も少々ご都合下さい」

そこは仕方ないな、ウドゥン伯爵家が無くなって変な奴が来ても困るからね!


「そこは協力しようじゃないか!」

「後は、この食堂に出す食材やレシピもお願いしますね、美味しいものを口コミで広げて、この地に食の聖地を作りましょうね」


メリーナの凄い野望を聞かされた、俺は協力するけど野望はパス!


「お風呂はイレギュラーで増やしましたけど、もうすぐ完成しますから、宿の方はベットなどの調度品を輸送して設置すればどうにかなります!

食堂も炎の魔法具を設置してから、調理道具や食器を新たに入れれば完成ですから」

確かに箱の方は出来ているかも知れないけど?


「メリーナ、調理人や、宿の従業員はどうなっている、そっちの方が心配だけれど?」

「その点も抜かりなく、お母様と共に先行部隊が来ます。どなたも大店を任せられた方で、引退した所をまたお願いしました。

此処の事を言ったら、喜んで来てくれるとの返事を貰っています。

それと今ドワーフ親子は従業員の寮を新たに作って居ますよ、先行きは皆さんお金持ちなので、その辺の空き地に家を建てると思いますね!あの2人も当分帰れませんねフフフ」

引退した老人で大丈夫なのかね、それに従業員寮にお金持ちの従業員か!

高飛車になる人でない事を祈ろう。


「心配ですか、顔に出て居ますよ!皆さん職業チート持ちで、料理人の方は新たな調理方法と食材に興味があり、宿の従業員さんもお風呂の事で興味津津ですよ! 

お風呂はマサシ様のお店の方を、報告してましたけどね」

メリーナさんサラリと言いましたけど、俺を売ってないですかね!


「あゝいたいた、店主さん隣のお店の前で、騎士さんと誰かが揉めているよ帰って来て!」

精霊のメロウが慌ててよびにくる。


「何だ事件か!よし戻るぞ、メリーナまたね」

俺は慌てて外に出ると、後ろをメリーナ達も追いかけてくる。


そして店の前には、そこにはかなり太った御仁がいた!












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