第26話 魔力水!

お嬢様は、だいぶお疲れの様だよ! 此処は甘味を出してあげて、脳の回転を上げてあげてあげよう。


「お嬢様、まずはお座り下さい、今甘い物をお出ししますね」

バケツを下に置いて、俺は奥に入って行く。


作りおいた、団子にきな粉と黒蜜をかけて外に持って行く。


「どうぞ、皆さんで食べて下さい、試食と言う事で無料です」

まずお嬢様が一口食べる、そして精霊も俺に言ってくる。


「私も一口食べて良いですか?」

「あゝ良いですよ、ただ楊枝木は食べないで下さい」


楊枝の付いた団子が空に上がり一瞬で消える。

「美味しい、もう一つ貰いますね」

またまた団子が空中で消える。 


それを見ていたお嬢様が慌てて大皿を腕で囲み。

「もう何で消えるのよ、マサシ様がくれた物なのに私の物よ!」

イヤイヤ、皆さんでって俺は言ったよ。


「お嬢様みんなで、一口ずつお食べ下さい、また違う味が有りますからね」

俺が言うと、途端に後ろの人たちにお嬢様は皿を渡す。


「ええと、まだまだ試食は続くみたいです、皆さん一つずつ召し上がり下さいね」

強欲な姿を忘れて振る舞うとは、貴族恐るべし!


そして、みたらしと餡子を出して無事試食は終了、試食だと言ったがお嬢様はお金を払ってくれた、大銀貨6枚だった。


そして精霊の存在を認めて、俺の周りには常にいると認識してもらった。

そして魔力水は俺の店の中から出る水が全て同じ物で、シャワーを使ったり煮込んだりして、水蒸気として外に放出、それが此処の安全を守っていたみたいだ。


お嬢様曰く、肌や髪がツヤツヤになるのは洗髪料とボディーソープだけでは無く、魔力水も影響しているかも知れないと言われた。


なら外水道の水で宿のお風呂を沸かせば、魔力が出て宿が安全になるのかな、それと健康にも良いかも知れないね。


お嬢様とドワーフ親子は、また宿の話し合いをする為に隣に戻って行った。


何時の間にか食事処が宿屋になり、健康温泉になるかもしれない。


そして結局この日も何も無く、1日が無事に終わる。


精霊さんも家の中をぷよぷよ飛んで探索してるし、夕飯とお風呂を入ったら皆んないなくなるしね!


ただお嬢様が、鍵閉め禁止と言って宿に戻って行った。


「ねえ精霊さん」

「メロウと言って下さい、名前で呼んで!」

「ええとメロウ、此処って君が暮らすには良い所なのかな!」

メロウは8の字でぷよぷよ飛びながら、


「凄く楽しい所ですよ、魔力が湧き出ていて神聖な感じがします。

世界樹様の周りを飛んでいる様です」

確かに、この家は古く梁もかなり太い物が使われている。

御神木は流石に切れないから使って無いだろうけど、それなりに年月の立った木で建てているので神聖な物なのかな。

木が育って何十年、そして家になって100年から200年! 良くは分からないけど、それなりに古い家だからね。


座敷童じゃ無いけれど、精霊付きでもいいかな、此処を守ってくれれば!


そして俺はまた座布団の上で眠りに付く。












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