第25話 鑑定!
お嬢様とメイド、更にドワーフ親子が寄って来る。
「マサシ様、注文は受けてくれますか、売り物全部下さい!」
「おお、俺達にも分けてくれ、喉が渇いたからなハハハ」
何故? 突然注文して来たのか分からないが、ともかくは話をしようね。
「お嬢様、これは見えます!」
俺はバケツの中の精霊のメロウを指差す。
「ええとバケツと水と手酌ですよね」
「ダルゴンさんには見えますか?」
「お嬢様と同じだ、バケツと水と手酌だな」
周りのみんなも頷いている、騎士さん達も同じ様だ。
俺はバケツをテーブルの上に置く、再度みんなに聞いてみた。
「もう一度聞きます、こちらに何か見えますか!」
みんなバケツを見ているけど首を傾げている。
(不味いぞ娘、また同じ変な事を聞いて来たぞ)
(あゝ、同じ事を聞いて来るなんて、やはり早めに注文しとけばよかったよ)
ドワーフ親子が言っていると、お嬢様とメイド達は。
(お嬢様どういたしますか)
(どういたしますかって、見守れって言ったのスージーよね)
(イエイエお嬢様の指示ですよ! お忘れにならないで下さい)
(違うでしょう、そこはメイドとして私が言いましたと言いなさいよ! もう何か失敗しても助けてあげないわよ)
(良いですよ、これの方が重大事件ですから、お嬢様が全て被って下さい!)
何かみんながブツブツ言っている、やはり精霊は見えないんだ。
「此処に精霊が居ますけど、皆さんには見えませんか?」
(今度は精霊だってよ!どうする娘?)
(適当に相槌打っておくか親父)
ドワーフが何か言っていると、お嬢様とメイド達は。
(今度は精霊がいると言うのですか?)
(私には見えませんね、どう貴女達)
(((見えませんね、お嬢様)))
「さてどうしましょう、そうよねこんな時には」
お嬢様は護衛の女騎士さんを呼ぶ。
「グリー、ちょっとベリーを起こして来てくれる」
「えぇ先程寝たばかりですよ」
「良いから至急起こして来て早く!」
女騎士は宿に走って行く。
しばらくして、同じ顔が走って来る。
「お嬢様緊急の事と、参上しました」
「ごめんね寝てる所、そのマサシ様の前のバケツを見てくれる」
「ええと鑑定ですか?」
「えぇお願い!」
女騎士のベリーさんはバケツを見ている、でももう居ないよ俺の肩に居るからね。
「えぇと未知なる物質と魔法水ですね」
プラッチックは未知なる物質になるのか、それに魔法水てなんだ?
「精霊は居ないのね、それに魔法水ね色々と問題ありそうね!マサシ様精霊は居ませんけど」
俺は肩を指差して女騎士さんに聞く。
「ベリーさん、此処を見てくれる」
俺に言われてベリーさんは俺の肩を見る。
「なに奴、突然鑑定するなどライト」
俺の肩が少し光ったが、鑑定をしていたベリーさんには強い光だったみたいだ。
「うわー目が目が、眩し〜」
目を押さえて転がりまわるベリーさん。
「だ大丈夫ですか、ベリーさん」
俺は声をかけてる、隣のグリーさんが引き寄せて見ている。
「軟弱よね、大した光でも無いのに」
恐らくは、見た目は昼間の懐中電気、でも鑑定で増幅されてカメラのフラッシュになっているはずで、少しの間は見えにくいだろうー。
俺は店の中からお茶をコップで出して飲ませてあげる。
「これ飲んで落ち着いて下さい」
飲み干したベリーさんが一言。
「あれ〜目が見える、これってエリクサーですか?」
「イエいつもあげているお茶ですよベリーさん」
ベリーさんは繁々とコップを見ている。
「ベリー、精霊は居たの、居なかったの?」
「恐らく居ます、ただ鑑定だと怒らせてしまいますので、高位の魔法使いか高位の魔物使いなら見れるかも知れません、後は王都の第二王女様ですね」
「あゝあの方なら見れるかも知れませんね、エルフ族の血が入ってますもんね!
段々と報告が増えて大変になって来ました、帰ろーかな」
お嬢様の一言にメイド達は驚く。
「お嬢様此処から離れてはいけませんよ、お母様のご命令ですよ」
「だってスージー、精霊に魔法水、それに未知の物質ですって、私の頭ではもう理解の範囲を超えてます、此処は勇気ある撤退しか有りません!」
お嬢様はだいぶ疲れている様だ!
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