第24話 世界樹の家臣メロウ!

光綿帽子がバケツの水に飛び込んだ!中で泳いでいる?


俺はその綿帽子に話しかける。

「お前はなんなんだ!」

「すいません余りにも美味しいお水なので許可も得ず飲んでしまいました」

掃除バケツの水を飲んだのか、中々の勇者だ。


「その水は大したもんじゃ無い、コップに水を入れてこようか?」

「イエこれで結構です、あゝ美味しい」

俺は何で水道の水が美味しいのか分からない?


「その水よりも美味しい水が、この建物の裏に有るだろう、そっちの方が美味いぞ」

俺は建物の裏で湧いている湧水の事を教えてあげる。


「イエイエこの水より美味しい水はありませんよ、あゝ生き返る」

酒を飲んだドワーフみたいな事を言っている。


「何でこの水が美味しいんだ?」

「この水の中には魔力が溶けてまして、先程この水を撒いた時に魔力が地面から上がって行く様子を見ました、ならこの水の中には沢山の魔力が有ると思って飲ませて頂きました、改めて許可無く飲んですいません」

魔力が溶けた水?唯の水道水だよね、何処にでも有るはずだけれどもね。


「まあ良いけど、それで君は何なんだ?」

「はい私はこの地に住む精霊でメロウです、初めまして」

精霊来たー!益々異世界に、これで確定だな!


「それでメロウさんは何処に住んでいるの?」

「さんは要りませんメロウとお呼びください、私は裏の山々に住む精霊です。

少し前から魔力が空に上がる原因を調べていましたら、此処に辿り着きました。

先程の魔力撒きを見ていまして、我慢できなくて飛び出してきてしまいました」

魔力が上がる、蒸発した水の事だろうか?


「勝手にこの水を撒くのは不味いのかな、魔物が襲って来るとか、精霊さん達が寄って来るとか?」

「魔物は、草や木の実から魔力を得る者、他には他の魔物を食べて魔力を得る物に別れます。

我々は木の実や何かで魔力を得てますけど、全ての木の実に魔力は含まれていません! 

私達精霊は感知して分かりますけど、魔物達には分からないとお思います」

魔力を感知出来るのは一部の者だけね。


「ですので、弱い魔物は魔力が何か分からず、怯えて此処には近づきません。

恐らくは高位の魔物なら好奇心で此処に来るかも知れませんけど」

弱い魔物避けに水を撒くと、好奇心で強い魔物が寄って来るんだ!どうしようかね?


「なら撒くのをやめた方が良いかな?」

「イエ、弱い魔物を近づけない為に撒いた方がよろしいですよ、滅多に大型の強い魔物は居ませんからね」

「大型の強い魔物ってどんな奴?」


「此処の周りには居ませんけど、ドラゴンとかフェンリル、ケルベロスにヒュドラ、後は海のクラーケンにリヴァイアサン。

その他には変わりどころでフェニックスにドライアドとセイレーン!

よく来るのは空からワイバーンですね」

イヤイヤよく来なくて良いよワイバーン何てね、それにドラゴンはやっぱりいるんだね、お近づきにはなれないよね。


「それでメロウはどくらいの脅威なの、俺は逃げた方が良いのかな?」

「私は世界樹様の家臣です、そんなに力は有りませんよ。ただのんびりと風と共に流れているだけです」

嘘嘘、風で流されて此処に来たのと違ってさ、自分の意思で此処に来たんだろう、絶対に何かの力があるよね、それと世界樹もあるんだねそちらは見てみたいね。


「おいマサシ様大丈夫か?」

「本当、水撒きしたら椅子に座って独り言を言っているよ親父」


「大変ですお嬢様、マサシ様が余りにも売れなすぎて独り言が始まってます」

「不味いわね、早めに行ってあげた方が良かったかしら、なら今からでも行きましょう」


慌ててみんなが近づいて来る。










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