第22話 さあA型スタンドを作って!

翌日の朝は何も違和感なく起きられた、夜中に音がした事は忘れようね。

顔を洗って、朝食を食べる。冷凍焼きおにぎりを解凍して温める。

食べ終わると、店に行きギフトの商品や瓶詰め缶詰を背後の倉庫に移動する。

そしてガラス戸を開けると、お嬢様とメイドさん達が仁王立ちでこちらを睨んでいる?何だろー。


「マサシ様、酷いですこちらに夜入れないなんて!」

「そうですよ、殿方の温もりが欲しいのにあんまりです」

「「「「「そうだそうだ」」」」」


そんな事言われても、皆さんは隣に行ったんだから夜は別でしょう?


「もし今晩鍵を閉めたらガラス戸を壊しても入りますからじゃあ!」

一言言い残してお嬢様軍団は、隣に帰って行く。


「まあ商売商売しよう、その前にドワーフの娘さんにA型スタンドを作って貰おうと」


隣に行くと2人は真面目に作業をしている、俺に気づくとこちらに寄ってくる。


「おはよう、昨日はご馳走様だな、何かようかい?」

「おはよう御座います、昨日は美味しい物をありがとうございます」

俺は此処に来た理由を2人に告げる。


「こんな感じで、名札を縦に並べたいんだ、売り切れたら裏返しして見えなくするんだよ、それでお客様に周知したいんだ」

スタンドの名札を取り外し方式、新たな商品を追加する名札も作ってもらう。


「確かにこれなら何を売っているか分かるな」

「そうなんですよ、食べ物も無くなれば止める事が出来るのでね」

ドワーフ親子はニヤリと笑う。


「これもしかしてビールとか焼酎も書く事があるのか?」

「私も聞きたい!」

「まあ先行きは売りたいですね、ただ高額だと支払い大変だから1人一本とか一杯で売ろうと思ってますけど」

更にドワーフ親子はニヤリと笑う。


「よし頑張って売ってくれ、もしその日の売れ残りが出たら数量制限は無くなるな」

俺は考える、ビールの消費期限は割と短い売れ残りの廃棄はしたく無いけど、隣に宿が出来れば売り切れるよね。


「昼から売りますけど、店を閉めた時に消費期限が近い売れ残りは人数制限無く出しますよ、ただ邪魔はしてはダメですよ」

いくらドワーフでも、脅迫して飲ませないのはダメだと念を押しておく。

2人はニコニコしながら頷いている、大丈夫かなぁ?


「では帰りますけど、A型スタンドの方はよろしくお願いします」

俺は隣の自分の店に戻る。


「行ったか?」

「あゝ帰ったよ親父」

「マサシ様も甘いぜ、絶対に俺達以外は騎士達しか分からない事だな!」

「ビールなんて書いたら誰も注文はしないだろー」

「あゝこの辺はエールだからね、騎士も夜の護衛は酒抜きだからな」

「上手くすれば、2・3本毎晩飲めるな」

「ともかくは金を稼がないとな親父!」

「あゝ頑張ろー」

2人は仕事に戻る。


この事を影で聞いていたメイドがいた、すぐお嬢様の元に走る。


「お嬢様大変です、下にマサシ様が来てドワーフ親子と話してまして」

メイドさんは3人の会話を一部始終報告、そしてお嬢様は!


「放って置きましょう、もし売れ残ったら私達も参戦すればいい事です、大体高額になり、余程の貴族以外飲めないでしょうから」

「「「「「ハイ」」」」」


ドワーフもお嬢様もマサシを見くびっていた、日本の商人は売る事にかけたらどうやっても売り抜くという事を!












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