第20話 軒を作ろう!

翌日、俺は起きようとしたが腕に違和感がある。

お嬢様達が俺の横で寝ている、確かに夕飯を食べて風呂に入った後に、酒も飲まないで隣に見送った筈だ?


「もしもしスージーさん起きてください、何故皆さん此処にいるんですか?」


寝ぼけたスージーさんが上半身起こした後、ニコッとしてまた寝てしまった。

確かに何か事件が合って騎士さんにガラス扉を壊されるよりは開けて入って来てもらう為に入り口の鍵は掛けていない、誰でも入れるがそれでも彼女達が入っている理由は無いはず、今晩から鍵をしておこう。


そして俺は顔を洗うために洗面所に行く、洗濯物も少なくて洗剤の節約になる。

そして奥の部屋から、冷凍食品を取り出して電子レンジでチンする。

騎士さん達は、昨日の夜から自分達で食事を作ることになったので朝食の作る量が減って楽チンだ。

一部の騎士さんは悲壮にくれる顔をしていた。


さて、出来た朝食を中に持って行くと、お嬢様とメイド達は消えている?

一体何だったんだ?


俺は朝食を食べて、店に出る。

ギフトの商品を手早く背後の倉庫に持って行く、酒や飲み物もすぐに片付ける、お嬢様に言われて缶詰瓶詰めも一緒に持ち出す。

此処にあるのは乾物だけだ。


砂糖と塩は有るけれど白米ともち米も隠してある、白米は元々いくらも無いので俺が食べるだけなら大した量では無い、備蓄は大事だ。


そして準備完了して、店を開ける。

外の騎士さんに挨拶をして、椅子を店前に出してコーヒー缶で一息つく。

俺を見つけたドワーフ親子が寄ってくる。


「おはよう旦那、何か作る物は無いのか、酒が飲めなくて手が震える」

「おはよう御座います、私も酒が無くて手が震えるんだ、このままなら隣の完成が遅れてしまう」

いやあんた達、それならアル中だぞ、よく大工さんをやっていられるな!


「まあ大した仕事では無いけれど、此処の店前にひさしが欲しいと思っている、後はテーブルと椅子かな此処で軽食でも食べれる所が欲しいんだよね」

俺は店の上を指して2人に聞いてみる!


「此処に庇か、大きさはどれくらいだ?」

俺は中の鉄板焼きテーブルを指差す。


「あの大きさで、高さはこの座ってる椅子ぐらいかな、それを4つ並べる位の大きさ、どお出来ます?」

2人はニコニコして首を縦に振る。


「よしすぐ作る、椅子もテーブルもだ!報酬はビール1人一本でどうだ!」

「えっ材料代は、どうするんです?」

俺の質問に2人とも言ってくる。


「イラン、気にするな、明日の晩までに作るから」

「そう邪魔だから、中にいてくれる!親父すぐかかるからね」

「分かっている、お前こそヘマするなよ」

2人は隣の完成途中の建物から道具を取り出して、近くの森にと消えて行く。


「まあいいか、お昼になったら蕎麦でも出してやろうと」


店の前にいつのまにか帰ってきた2人が、俺の注文した物を作り始めていた。









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