第2話 ここ何処?
目が覚めると、空が青い。
下は土の感触、そして立ち上がり背後を見ると、二階が無くなった平屋建ての乾物屋の店舗がある。
「何で二階が無いの?もしかしてガス爆発で2階は何処かに吹っ飛んだの?俺も外に飛ばされたのか?」
俺は慌てて中に入って行く、だけれども二階は無いけど、天井はちゃんとあり、階段は無くなっていた。
「此処階段だよな、何で扉があるんだ?」
俺は扉を開けたけど、そこには階段下のビールと酒の物置になっていた。
「確かに階段下は、酒類の置き場にしていたけど肝心の階段は何処にいったんだ?」
そしてもう一度外に出たけれども、二階は無いけど、屋根は完璧にあって平屋の店舗になっている。(後で分かったけど、正面下から見たから屋根がある様で、実際は無かった)
昔見た古い写真、明治時代の店舗に戻った様にその姿が有る。
そして何かが近づいて来る音が聞こえる。
遠くの坂の下から、馬が見えて来る。その裏に馬車が引かれ周りに馬に乗った西洋騎士がやって来る。
俺の前を通り過ぎようとした時にこちらに気づいてその馬車は止まった。
騎士達は俺を見て不思議そうに見ている、中には腰の剣に手をかけている人もいる。
そしてドアが開いて中から人が出て来る。
紳士風の人が1人こちらに騎士を背に向かって来る。
「聞くが、この店は何の店でいつ出来たのかね?」
そんな事を聞かれても、俺だって分からないんだ!ただ答えられる事なら応えておこう。
「乾物屋で、江戸時代初期の創業です」
俺の答えに紳士さんは顎に手を当てて首を捻っている。
「乾物屋? 江戸時代?どちらも聞いた事がないな?それでは何処の貴族に属している?」
貴族って何だ?
「ええと日本て国から来ました、ただどうやって来たかは分かりません、良ければ此処は何処なんですか?」
おかしな事を言っている様で紳士はまた首を捻っている。
「まず私はハムスタッド公爵の下のウドゥン伯爵臣下で筆頭執事のウルメグです、貴方のお名前は?」
「はいええと、(外国と同じで名前が先かな)マサシです、マサシサダです、21歳です」
また顎に手を当てて首を捻っている執事さん。
「ほう家名持ちの方ですか、失礼しました。それでは背後の建物は商店で家名持ちの沙汰ですね、少しお待ちください」
執事さんはまた馬車に戻って行った、そして中の人と話している。
少しして、女性と子供を伴い歩いて来る。
「こちらは日本国よりお越しいただいたマサシ様です、家名はサダ家といい日本国と言うところから来た様です。
マサシさま、こちらはウドゥン伯爵第一夫人のルークトン様とご令嬢のメリーナ様です」
「初めまして、マサシ様よろしくお願いします」
「こんにちは、メリーナです」
2人はカーテシーで挨拶してくれる、俺は日本式に、90度腰を曲げて頭を下げる。
「マサシサダです、よろしくお願いします」
何もわからないままに、挨拶してしまった!本当に此処は何処なんだ?
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