第17話 恋愛

「クソジジイどもに酷使されているっていうのに、嬉々として働きまくっているのって、レシュマちゃんだけだよねえ……」

 魔法学園の職員室の片隅に置かれているソファに、ぐったりと突っ伏しているジードさん。

 ウォルター先生も、そのソファに背を預けて、床に直接座り込んでいる。

「何でもかんでも『若いんだから、そのくらい平気だよねえ』とか言って、なにからなにまでこっちに振りやがって、あのジジイどもめ……。こちとらもう三十も半ばだっつーの」

 その他、魔法学園の先生たちの大半が、ぐったりとご自身の机やら床やらに突っ伏している。

 うーん、皆さん疲労困憊だなあ。

 魔法学園が開校となって、それなりに入学希望者がいるとはいえ、まだまだ魔法になじみのない人もいる。

 だから、学園長ローレンス・グリフィン・ミルズ大魔法使いの意向によって、わたしたち、魔法学園の職員は、生徒に魔法を教える以外にも、様々な事業を展開している。

 魔法薬を作って売るとか。

 講演会をするとか。

 近隣諸国含めて、大きなお祭りがあるときには、その祭りに赴いて、魔法関連の実演発表を行うとか。

 わたしのシャボン玉魔法、それから前にウォルター先生がわたしに作ってくれた魔法の花冠。そういうのは視覚的にも派手で、人々の目を引きやすいからと、ほとんどのお祭りに参加させてもらっている。

 わたしは大勢の人に魔法を見てもらって、楽しんでもらって、それで、仕事というか、遊びの延長のような感じなんだけど……。

 だけど、祭りのシーズンには、あっちのお祭り、こっちのお祭りで、宿に泊まっている暇もないほど。夜通し馬車に揺られて、お祭りの会場に行って、そこで魔法を披露してそのまま魔法学園まで帰る……という生活は、皆様には辛いようだ。

 わたしなんてわくわくしっぱなし、なんだけど。

「……ウォルターは特にきついでしょ。馬車で、レシュマちゃんのベッド役……」

「……べつに、たいしたことはねぇ……よ」

 馬車ってかなり揺れる。

 一晩中座っていたりするとお尻は痛くなるし、揺れた衝撃であちこち体をぶつけたりする。

 だから、わたしはいつも、馬車に乗るときは、ウォルター先生にお姫様みたいに横抱きにしてもらって、その腕の中にいる。で、そのまま眠ってしまう時もある。

 ウォルター先生の腕の中って、安心感があるし、安定感もあるし。馬車の中でも熟睡できている。

 だから、わたしは元気。

 甘やかされまくっているなあとは思うんだけど。手放せない安心感。

 子どもの特権? 

 一応、ちゃんとした淑女ですけどね。

 わたし以外の皆様は、馬車に揺られて、眠れなくて、徹夜状態で魔法を酷使……。半腐乱死体状態……は言いすぎだけど、突っ伏したまま。

「とりあえず……、報告書さえ出せば、今日は休み……だ。皆、がんばろー……」

 力のないジードさんの声に、「おー……」と、返事はするけれど、誰も動けない。

「えっと、回復魔法……」

 ローレンス・グリフィン・ミルズ学園長に、先日、習ったばかりの回復魔法を試してみようかな……。

 ええと、たしか……。

 わたしは、片足立ちで、くるりと一回転。

「みーんな元気に~な・あ・れ♡」

 にっこり笑顔で、ウインクをして、更に両手でハートマークを作る。そのやり方で、回復魔法を職員室の皆様にかけてみた。

「か、かわいいが……誰がそんなのレシュマに教えたんだ……っ!」

 いきなり立ち上がったウォルター先生が、そう怒鳴ってきた。

 えっと?

「ローレンス学園長が、先日教えてくれました。こうしたら、みんなすぐに回復するよって……」

 あれ? 違うのかな?

「お・ま・え・なっ! そんな振り付けしなくても、普通に魔法を使えよ、普通にっ!」

「ええ⁉ こういう振り付け、必須じゃないの?」

 特にハートマークが重要って、指示されたんだけど……。

「あのな、レシュマ。オレやジードやここにいる中年どもが、そんな振り付けで回復魔法使ったら、気持ち悪いだろうがっ! またジジイどもに遊ばれたんだよお前っ!」

 あー、確かに、そうかも。

 ローレンス学園長だけでなく、おじいちゃん魔法使いの皆さんは、こうやって、わたしに嘘というか冗談みたいにして魔法を教えてくれるのよね。

 面白いし、それに、回復魔法をかけたみんなが「あー、確かにかわいい」とか笑ってくれているから、ま、いいかなって。

 そんなふうに、真面目に働くというよりも、半分遊びながら、それでも毎日魔法を習って使って。

 あっという間に楽しい日々は過ぎていく。

 そうして、わたしがあのままスティーブン様の婚約者として、貴族学園に通っていたとしたら、卒業をして、もしかしたら結婚式なんかを挙げていたであろう時間が過ぎた後、アリスさんから久しぶりに手紙が届いた。

 わたしは学園の中庭で、ゆっくりとそれを読む。

 手紙によると、わたしがこの国に来た後、アルウィン侯爵家もスティーブン様も大変だったようだ。

 まずスティーブン様のこと。

 バーバラ様もファニー様も婚約者にはならなかった。

 学園でスティーブン様を取り囲んでいたご令嬢の皆様も、スティーブン様から離れていったって。

 それから、わたしより前に、スティーブン様と婚約を結び、耐えきれなくなって婚約を解消したご令嬢たちが、ここぞとばかりに婚約から婚約解消に至るまでの経緯を、学園で言いふらしたりもしたようだ。

 結果、学園で、スティーブン様は孤立した。

 メイさんとミアさんはアルウィン侯爵から解雇されて、どこかに嫁がされたらしい。二人は嫌だと言っていたけど、アルウィン侯爵から命じられれば、侯爵家に居場所はない。

 スティーブン様もメイさんやミアさんを庇うことができなかった。というよりも、スティーブン様もアルウィン侯爵家から追い出されて、男子修道院に放り込まれてしまったらしい。アルウィン侯爵は、卒業まではとか言っていたけど、スティーブン様の評判が悪くなりすぎたのかしらね。

 そうしてアルウィン侯爵は、皆を追い出し、昔から好いていた恋人と婚姻を結んだとのことだった。

 それで幸せになったのかなーと思ったけど、アルウィン元侯爵夫人が黙ってはいなかったのね。

 社交界で多大なる影響力を持つアルウィン元侯爵夫人が、アルウィン侯爵の新しい奥さんのことを、全面的に無視。

 アルウィン元侯爵夫人と付き合いのあったご婦人やご令嬢たち、系列の貴族の皆様も、もうアルウィン侯爵家と関わり合いになりたくないとの意思を表明。

 アルウィン侯爵家の影響力、低下。その他いろいろお互いに敵対行動。

 ……離縁後も続く争い。愛憎どろどろ。

 うーん、執着も、ここまで来ると怖いなーなんて。

 それらを手紙で教えてくれたアリスさんも、アルウィン侯爵の命令で、とある商家の後妻として嫁がされたとのことだった。

 スティーブン様のことは、まだ忘れられないけど、でも、夫となった人に誠実に向きあっていきたい……と書いてあった。

「そっか、結婚したのか……」

 ぼそりとつぶやいた。

「んー、どっしたのレシュマちゃん。結婚?」

 座っていたベンチの後ろから、ジードさんがやってきた。

「あーはい。友人……ではないな、知り合いがですね、手紙で結婚したと知らせてくれたんです」

 幸せになってくれたらいいな……。そう思う。

「そっか、もうレシュマちゃんも、そんなお年ごろだもんねぇ」

「いやいや、ジードさん。わたし、そんなに早く結婚なんてしませんよ。だってまだまだ学びたい魔法、いっぱいあるし」

「そー……なの? だけど、ウォルターはさすがにもう三十半ばだから、そろそろとか考えているんじゃない?」

「……え?」

 冷たい水を、いきなり頭から浴びせられたような気がした。

 ウォルター先生が、そろそろ、考えている。

 なにを?

 結婚?

 ウォルター先生が、わたしの知らない誰かと……結婚?

 オレはもう結婚するし、お前ももう一人前の魔法使いなんだから、一人で大丈夫だよな。

 そんなふうに言われて、ウェディングドレス姿の誰かと結婚式を挙げるウォルター先生を想像してみた。

 ……気持ち悪い。

 胸の中が真っ黒に染まる。

 ああ、これは……嫉妬だ。

 スティーブン様に醜いと言われた嫉妬心だ。

「ウォルター先生に、好きな人、いるの……?」

 ぐらぐらと、お腹の底から湧き上がってきた思い。

 嫌。

 結婚なんてしないで、わたしの側にいて。

 ああ……、なんて身勝手な思い。

 だけど、止められない。

 あんまりに気持ち悪くて、わたしは口元を抑える。そんなわたしにジードさんは気が付かない。

「んー、レシュマちゃん、ウォルターの好きな人……、わかんない?」

 言いにくそうなジードさん。

 ウォルター先生の好きな人って、わたしの知っている誰かなの?

 この学園にいるの?

 だったら、わたし……ウォルター先生とその誰かとの幸せな姿を……ずっと見ていなくてはならないの?

 嫌。

 ウォルター先生を、誰にでも……取られたくない。

「わかんないっ!」

 叫んで、飛び出した。

「え、え、えっ! ちょっと、レシュマちゃん……⁉」

 ジードさんがわたしに何か言っていたけど、知らない。

 飛び出して、ウォルター先生を探す。走る。全力で。

「ウォルター先生……っ!」

 嫌だ。

 先生、どこにもいかないで。ずっとわたしのそばにいて。

 走って、走って、走って。

 魔法学園中ウォルター先生を探す。

 でも、探しても見つからない。

 ああ、こんなことなら探査魔法でも開発していればよかった。そうすれば、一瞬でウォルター先生の居場所くらい分かったのに……っ!

 学園の職員室、教室、廊下。薔薇園も。噴水広場ならいるかもと思い、そこまで走る。

 いない。

 ウォルター先生が、いない。

「うー……」

 もう、走れなくなって、芝生の真ん中でしゃがみ込む。

 嫌だ。一人にしないで。

 今わたしが、笑って、幸せでいるのは……全部、ウォルター先生のおかげ。

 ウォルター先生がいなかったら、きっとわたし、今もスティーブン様への思いを抱えて、疲弊して、仕方がないと言いながら、別の誰かに嫁いでいっただろう。

 アリスさんのように、その相手と、誠実に向き合ってなんて、考えれずに。真っ黒な嫉妬を抱えたまま。

 依存……かもしれない。

 わたし、自分のことばかりで、ウォルター先生のこと、全然考えなくて、約束したから、弟子だから、守ってもらえるって、甘えてばかりで。

 ウォルター先生だって、呆れるよね。こんな手間のかかる弟子。

 もう一人前なんだから、自立しろって言われるよね。

 わかっている。なのに、悲しくて、辛い。

 だけど。

「ウォルター先生……、結婚なんて、したら、嫌……」

 いくら弟子だからって、一生を束縛する権利はない。

 わたしの身勝手なわがままだ。

 わかっているのに、涙が止まらない。

 蹲って泣いた。

「……結婚? オレが? 誰と?」

 聞こえてきた声に、思わず顔を上げた。涙まみれの、ぼろぼろの顔で。

「ウォルター……せんせ……い……」

「うわっ! どしたレシュマ、なんで泣いてなんか……」

 だって、ウォルター先生が結婚しちゃう。

 今すぐ抱き着いて、泣きじゃくって、結婚なんてしないでって言いたかった。

 だけど、ウォルター先生が幸せになるのを邪魔しちゃだめだ。

 今までたくさん、魔法を教えてもらって、幸せにしてもらって、甘えさせてもらってきた。弟子だから。約束したから。そう言って。

 だけど、依存していたら……いつか、先生だって、わたしのこと、邪魔に思ってしまうだろう。先生の奥さんになる人に、醜い嫉妬をするなって言ってくるかもしれない。

 わたし、もう、一人前の魔法使いなんだから、一人で。自立しないとダメだ。

 いつまでも甘えていたら、ダメだ。

 そう思うのに。どうしても、涙が止まらない。

「ウォルター先生が、結婚しちゃうって……」

「はあ? なんだそのガセネタ」

 え? 

「先生……、結婚、しない……の?」

「あのな、レシュマ。結婚なんつーもんは、オレ一人の意思ではできねえの。相手もいねえっつーのに、どうやって結婚なんてできるんだよ」

 ウォルター先生は呆れたみたいに笑う。

 けど、だけど。

「でも……好きな人は、いるんでしょ?」

 わたしがそう聞いたら、ウォルター先生は「ぐっ」とか言って、顔をしかめた。

「いる……と言えばいる。が……」

「だったら、その人と結婚とかしたいとか思う……よね……」

「まあ、なんだ、その。相手が、オレでいいとか、言ってくれたら……」

 ぼそぼそと、口ごもるみたいに言うウォルター先生。頬もうっすら赤く見える。

 ……ああ、ウォルター先生には、本当に好きな相手がいるんだ。

 結婚したいとか思うくらいの相手が。

 スティーブン様に「醜い嫉妬はするな」なんて、言われたときよりも、もっとずっと胸が黒くなる。張り裂けそうなくらいすごく痛い。

 でも、ウォルター先生に、そんな相手がいるのなら。

 わたしが、邪魔をしちゃ……いけない。

 魔法を教えてくれた。

 スティーブン様から受けた絶望を、なくしてくれた。

 魔法で、わたしをいっぱいにして、幸せにしてくれた。

 毎日笑って、楽しくて、そんなふうになれたのも、全部全部ウォルター先生のおかげ。

 だったら……わたしが、ウォルター先生の邪魔を、しちゃいけない……。

 わかっているのに足が動かない。

 心も動かない。

 小さい子どもみたいに、ただ嫌だ嫌だって、言っているだけ……。

「うー……」

 涙が、また、溢れてきた。止まらない。止め方も分からない。

「お、おい、レシュマっ⁉」

 ああ、このままじゃ、ダメだ。

 抱き着いて、そんな人なんて見ないで。わたしだけ、見て……って言いたくなる。

 ウォルター先生が、わたしの前に座り込んで、困った顔で、わたしの頭を撫でてきた。

 触らないで、先生。

 縋り付きたくなるから。

 ああ、完全に、依存だ。駄目だ、わたし。

 ウォルター先生の手を避けるように頭を振って。腕でごしごしと、無理矢理に涙を拭う。

「一年とか、二年とか……五年とか、掛かるかもしれないけど。わたし、ちゃんと自分の足で立つから。絶対に立つから。それまででいいから、ウォルター先生。誰とも結婚しないで。わたしのそばにいて……」

 ああ、これだって、すごく勝手だ。五年もすれば、ウォルター先生は四十歳とかになってしまう。それまで、ウォルター先生が好きな相手が、ウォルター先生のこと、待っていてくれるって保証なんてないのに。

 だけど、今のわたしには、これが精いっぱいなの。

 がんばるから。

 ウォルター先生を頼らないで済むようにって、がんばるから。

 もう少しだけ、猶予を、わたしに与えて……。

 泣きながら、必死になって言ったのに。ウォルター先生は「ばーか」と言ってわたしの頭を小突いてきた。

「先生……?」

「レシュマが、もうオレのことはいらないって言うまで、ずっとそばにいるに決まってんだろ」

 いらないなんて、言うわけない。

「そ、そうしたら、ウォルター先生、一生、わたしの、側にいなくちゃいけなくなるじゃない……」

 だって、手放せない。

 ウォルター先生の腕の中は、わたし、安心して、笑って、幸せで……。

「わたし、ウォルター先生から、離れられなくなるよ? そうしたら、先生が好きな人と、先生が結婚できないじゃない……」

 それは、ダメだ。わたしは、ちゃんと、ウォルター先生のしあわせを願わなきゃ。

 しあわせに、してもらった。

 だから、わたしも。

「……オレが、結婚したいくらいに好きな相手は、レシュマ、お前だから、良いんだよ」

 そっぽを向きながら、ウォルター先生が言った言葉が、理解できなかった。

 ウォルター先生が、結婚したいくらい、好きな相手が……。

「わ、わたし……?」

「お、押し付ける気は、ねえからなっ! お前はまだアルウィン侯爵令息のこととか……好きなんだろうし」

 いえ、別に。スティーブン様のことなんて、もうとっくに気にもしていないけど……。

「オレはっ! お前が笑って楽しそうに魔法使って、それを、側で見ていられれば、それでいいんだっ!」

 ウォルター先生の顔が、耳まで真っ赤。

 わたしはそれを見て……じわじわと、ウォルター先生が言ってくれた言葉の意味を、少しずつ、理解し始めて……。

 好きって言った。

 ウォルター先生が。

 結婚したいくらい好きな相手が。

 ……わたし。

 真っ黒な感情を、吹き飛ばす風。

 ぶわっと、わたしの心の中で湧き上がった。

「……わたし、嫉妬、したんです」

「うん?」

「ウォルター先生に、好きな人がいるって、聞いて。わたし、その人に、すごく嫉妬した。ウォルター先生を取らないでって。独占欲だってわかってる。わたし、ウォルター先生に依存しちゃってる。だけど、ウォルター先生を、誰かに、取られるの、すごく嫌だったの……」

「そ、そうか……」

 ウォルター先生の口元が、緩んだ。笑っている、みたい。

「す、すまん。お前が泣いてるってのに。ちょっと、その、嬉しくて、口元が……緩むっつーか、にやけちまう……」

 慌てて、口元を抑えているけど、ウォルター先生、嬉しそう……。

「醜い嫉妬なんて向けられたら、嫌じゃないんですか?」

 だって、スティーブン様は、そう言っていた。

「レシュマが、その、オレに対して嫉妬でも独占欲でも何でも向けてくれたら、なんていうのか、すっげー嬉しい」

「な、なんで……」

「嫉妬するくらい、その、オレのこと、好きだって言うことだろ……?」

 好き。

 その言葉が、すとんとわたしの心の中に落ちてきた。

 ああ……そっか。わたし、ウォルター先生のことを、もうとっくに、ずっと……好き、だったんだ……。

 子どもの、独占欲じゃなくて。

 依存じゃなくて。

 好き。

 だから、誰にもとられたくなかった。

 そんな簡単な答えだったんだ。

「先生……、好き」

 手を伸ばして、いつもみたいに、ウォルター先生にしがみつく。

 安心するの。

 ここにいたいの。

 ……大好きなの。

 ウォルター先生はわたしをぎゅっと抱きしめてくれた。

「あー、すげえ嬉しい」

 子どもみたいなウォルター先生の声が、わたしの真っ黒な嫉妬の心を溶かしていく。

 好き。

 ウォルター先生が、好き。

 何度も繰り返して、言った。

 ウォルター先生は幸せそうに笑ってくれた。

 嬉しくて、幸せで、ずっとこのままでいたいと、強く強く、心から、願った。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




次回最終回です。







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