7「番外編」

「えー、俺が召喚士?」


新しく召喚士になった人物は、パソコンを使って情報管理する人であった。

畑野冬至が使っていたパソコンを見ると。


「これ、ディスクトップに出来ない?それと、モニターが三台必要で、マウスはこれではなくて、親指にクリックが出来るものがいい。そうなると、この机では堪え切れれないから、もっと大きくて……そうそう、椅子も変えたいな。」


条件を言ってきた。

最高神は、その条件を聞き入れた。


「まだ、条件はあるか?」

「スピーカーも欲しいし、ネット回線も欲しいな。地上とネット通じないの?」

「お主もか。まあいい。仕事をしてくれるなら、それ位の設備は用意させよう。他にはあるか?」

「他……猫がほしいな。」

「猫?」

「黒猫がいい。生前は、黒猫と一緒にいたから、違和感があるんだ。」

「その猫は?」

「俺と一緒に亡くなっているはずだ。亡くなった時に飛ばされた所で、説明があった。人間と動物がいく所は違うって。だから、もう会えないんだな。」


最高神は、少しだけ寂しそうな顔をする青年を見て。


「その猫で良ければ、呼べるが?」


青年が驚く前に、目の前に黒猫を召喚した。

黒猫は何があったのか分からない顔をしていた。

青年も同じ顔をしているだろう。


「この黒猫か。」


最高神は、黒猫を優しく抱きかかえていて、青年の腕に渡すと。


「この匂いは、もしかして、あやとにゃ?」

「クロか?」

「そうにゃ。」


あやとと呼ばれ、クロと呼ばれた生命二つは、とても喜んでいた。

その姿を見て、最高神は。


「だったら、キャットフードに猫のトイレ、あとはキャットタワーも用意させないと。猫草も必要か。爪とぎと、爪切り、獣医も必要だな。」


色々と用意をする為に呟くと、アカシックレコードと呼ばれる所に、最高神の声は響いていて、それぞれの職人が作り始める。

作り始める職人の姿は、とても生き生きしていて、協力しながら、早速、アカシックレコードの管理者から材料を出して貰い、作成をし始めていた。


「さて、忙しくなるよ。黒谷あやと君。そして、黒猫のクロ君も、仕事を与えるから、こなしてね。」

「クロにも仕事が?」

「そう、クロ君には、あやと君の健康管理をしてもらうよ。少しでも調子が優れなかったら、私の所に連絡に来る仕事だ。」


すると、クロは。


「任せてにゃ。生前もあやとをみていたにゃ。」

「よろしく頼むよ。」





最高神は、二人に仕事内容を再度確認させて、部屋を出て行った。

部屋を出ると、そこには、右腕である炎がいた。


「いい人材が見つかったようですね。」

「そうじゃろ?」

「所で、勝手に、動物の聖域から一匹の黒猫を召喚させたのは、管理なさっているバエル様が混乱していますよ。」

「あーやっぱり。だったら、説明とお詫び持っていくよ。」

「付き添います。」


最高神と最高神の右腕、炎は、動植物の魂が保管されている場所へ出向いて行った。





今は、前の召喚士が使っていたノートパソコンを見ると、「引継ぎ」と名前になっていたメモ帳で作られたファイルがあった。

開いて見ると。


「この文を読んでいる君は、召喚士に選ばれたのだな。君に伝える事がある。」


から始まり、召喚士の日記ではないかと思われる文面があった。

内容は、召喚しなければならない一人が、とても大変だった心境が書き連ねてある。

読んでいると「ペットボトル」が出て来た所で、噴き出してしまった。


「ははは、前召喚士は、とても面白いな。」

「本当にゃ。」

「こんな面白い仕事なら、やりがいがある。」


手をグーパーして、手の運動をし始めた。

最高神が置いて行ったリストがあり、手始めにとして三枚あった。

この三枚で、操作に慣れて置けという事だろう。


「さて、がんばるか!」

「がんばるにゃ!」


召喚士の部屋から聞こえて来た声は、とても賑やかで、警備をしている甲冑を着ている人は、とても微笑んでいた。

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