第3話 さして古くもない過去の常連 ~その縁者~
さして古くもない過去の常連 ~ その縁者 ~.1
雑多な野草が生い茂る《千魔封じの丘》とよばれる
ちらほらと。
大小、地域性や価値観、生活水準の違いを体現するような天幕や人の集まりが見受けられるあたりから少しばかり距離をおいたところ。
ただっぴろく
とり残されたように放置されている。
かたわらには、真っ黒で内部に
オタマジャクシのごとき、まるまるっとした楕円顔(?)の生物とも無生物ともつかない物体が、さながら《
(胴の)
そのずんぐりした物体と大地との接触面――右と左には、足とも手ともつかない〝まるみのある優美なヒレ〟のようなものが、
どっしり、
しかし。
どこまでもぽわぽわつるりとして見えるその外面には、生物にありがちな目や口、鼻のような器官をおもわせる
ただ、黒く半透明な、ぷるんとしたその
(……イモリ´かヤモリ´か、サンショウウオ´か……。
いや、ウミウシ´か、ナメクジ´か……?
――トカゲもどきの軟体生物……
ガラスかなにかの
《家》に入門を希望する者や問題をかかえて相談に来た者――そこに
少女のような外見をした《法の家》の《人材情報局(表むきはスカウトでも、裏では情報収集・必要とあらば特殊工作も手掛ける諜報機関)》・局長の長子は、見なれないその物体を前にして、一歩。
踏みだした。
瞬間、ぴくり、と反応を見せたその黒い異物(遺物……もしくは生物)が、くいっと、身体(?)をひねり、どっぴゅーん、ずさささっ……と。
わずか、三秒ほどだろうか?
どうやら
内部が、散々なことになっていそうだが……とうの黒い存在は、ともなった物体の状態など気にかけるようすもない。
接近しようとした人物(人材情報局・局長の長子)を警戒して向きなおり、こころなしか、ぷるぷると震えているようでもある――…といっても、あくまでも印象で、その表面が振動しているわけではない。
「……ふぅん。逃げたか…(こっちが見えているのか、
つまらん。
女性陣に頼まれたからには拒否もできないが、もどったタイミングが悪かった。
さして広くもないその
凛とした黄金と赤の虹彩。
漆黒のようでありながら、それぞれに
局長の長子の喉からこぼれたのは、こころもち低めの
その身が備える尻尾とも
しゃなりとした流れを見せた。
大気の
翼が
ときに左右後背に
はらりと舞って、
黒い生きものが通り過ぎた
骨盤の幅、胸の隆起こそないが、女性の平均程度の背の高さといい強靭さに相反する
手前で立ち止まり、ひょいと。
湿気をはじく工夫がなされた黒真珠色の
その
――〝
(……。これは南の小うるさい客人のものだな。
私には関係ないけど。あんなものに荷物の番をさせるなんて、人騒がせな…――。
とりあえず、これは放置でいいか……)
▽▽ 場 外 ▽▽
※ 〝フェザー〟――羽にくわえて、
(命名や名称に関して、一般にありそうなところでは、もう人様とかぶっても気にしないことにしました ←悩んでつけたものだとしても、気にするほうがどうかしているのかも……
北の受付に関しては、おなじ名称のお店が実在すると知り、悩んだすえに文字つけ足したりしましたが……不感の境地にいたりたいところであります。
自分流に響きをもじったところでかぶったら、きっと泣きますが…(┬┬﹏┬┬))
彼はサブキャラのさらにサイドに位置する
四兄弟(ひとり短命による故人)+養子のようなもののうちの長男(一番
見た目は若くても、そこそこ、お年を召しております。
世襲ではないので、次期局長候補というわけではありません。
フリスティア(さいどすとーりぃでは登場済)とは同僚です(適材適所? の専門振り分けがあっても、トップ以外は皆同僚組織――一頭独裁? いいえ。この代は、一頭に、かなりまで放任です)。
(髪でも体毛でも、仕様をツインテールにする機会はない……はずです ←考えていないことも……でも、彼は髪でも毛でも、結ぶのを嫌うのです/あと、毛深いのは背中だけです。うなじから、うっすらと始まってますけれど)
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