勧誘者.4
(――…ヴェルダって、その辺にいるこっち生まれの
じっとしていれば、命に関わらない……
それでいながら、一度、
収まっているようで、収まりきってもいない張力――
そこに感じられる〝ゆらぎ〟は、それという個、全体に連鎖し協調し、統合されているようでありながら、非常なまでに躍動的で……。
その少年自身の命脈・肉体の基質にまで影響をおよぼし、長短つけがたい変調をきたしている。
(これは環境条件と行動次第だな。天分・体質に癖が……ゆらぎ幅があって、長寿とも薄命ともつかない…。
人間としてはもちろんのこと、闇人にも過剰に思えるバランスをかたわらに見て思案していると、ふと、例の琥珀色の石の存在が、セレグレーシュの脳裏をよぎった。
〔なぁ…〕
〔なんだ〕
そこに連想される条件を、あれやこれや照らし合わせてみると、やはり、なにやら不穏な予感がして…。
(そうだ。ヴェルダが彼で…。この彼が、あの石を持っていたのなら……)
セレグレーシュは、これと思った事柄の真相を問い
〔あの石……。君の状態
すると外見が、より年若にみえる彼。
〔あれは…。あたりまえのように存在に干渉するけど、それだけに干渉されることを嫌う……というか、
おうおうに
(ふつうは干渉しようにもそこまで深入りできずに
こんな
それを可能とした
互いに影響をおよぼそうと
めったには起こりそうにないことだけど。そんな関係にあったのなら――手放した後なんか、すごい反動……身を切り落とすような……四肢をねじりあげ
表面的には、〝これ〟と明確に判別できる感情の表出も見せなかったいっぽうの彼。アシュヴェルダの金茶色の睫毛が、上から下、下から上へとゆれ動く。
なかば視線を伏せながらも、かたわらにいるセレグレーシュの存在を強く意識して、なにか思案しているようだった。
〔まぁ、無事だったんだから、もう、どうでもいいけど〕
さほどこだわることなく、すぐに思い直し。気楽に笑い飛ばしたセレグレーシュは、そうして、ふと、視界にある相手の頭髪に目を止めた。
生えぎわから伸びているあたりは
間近に見て、不思議な印象をおぼえることはあっても、その状態を意識して観察したのは、これがはじめだった……かも知れない。
そんな気がしたセレグレーシュである。
思いつきから腕を伸ばし、指先を突っ込んで、まさぐってみると、指に
なでるというよりは、髪質を確かめるように指先に
〔この手はなんだ?〕
〔うん。なんかさ、おまえの髪……。もっと明るい色で、こんな癖……なかった気がする〕
〔
〔…
(変化したタイミングは、明確にはわからない……。
あの闇に落ちた時、あるいは出たさいについたものかも知れないし…。あの
出たばかりの頃は、それどころではなくて…――いずれにせよ、こいつが知るはずのないことだ)
思うばかりで、言葉にするつもりなどない
答えがなされなかったので、セレグレーシュはセレグレーシュで自適に推理した。
(こっちって、
うん…。こうして無事なら……。
多少、動的でも、
沈黙のなかに、セレグレーシュはにっこり笑顔になり、いっぽうのアシュヴェルダが、これという表情も見せずに考えをめぐらせていると、あらぬ方面から声が投げられた。
〔…。来ないのか? おまえが来ないなら、わたしは別のを捕まえにゆく〕
セレグレーシュの注意が
〔行くよ〕
〔よぅし! さっさと来い〕
セレグレーシュが歩を踏み出して、
アシュヴェルダが自前の視点より、わずかに高い位置にある青磁色の後頭部を意識しながら、その後に続く。
なにか
最後尾を行くその
さほども進まぬうちに肩越しにふり返り、彼がついてきていることを目で見て
ご機嫌な笑みで、その顔面を
▽▽ 場 外 ▽▽
こちらまでお来しいただき、ありがとうございます。
いささか
👥🤝 よきかな友情 🤝👥🐎
若さゆえのほほえましさでございます(成人しては、頼もしく、老いては、なおいっそう、ほほえましくあるものですけれども)。
まだまだ障害は残されておりますが、それらをのり越え、なんとか静かに燃えあがってほしいものです❤️🔥 いや、ですから友情が、です。
ふたりとも、まだ、あまり友人に恵まれておりませんので(特にアシュヴェルダの方)、目指せ、ぼっち脱出! なのです。
(セレグレーシュはこれと見ぬけば、細かいこと
セレグレーシュに関していえば、わけありの生来の基質・素養による部分が大きいのですが、前の生も加味すれば愛され大事にされていた期間の方が長いので、根っこが質朴かつ、まっすぐなのです。
義父の対応も、情のあるものでしたし。
普段はおとなしくひかえめに見えても、これという場面では我が強く、天真爛漫。慎重に見えて、
あらわしきれていなかったら、ごめんなさい。
尽力はいたしますが、いまのところは、このレベルです💦)
🎀こちらまでいらしてくださった方々に感謝を込めて、ここでひとつネタばらし🎀
以前、人称の変化を言及されたときアシュヴェルダが言っていた、セレス(セレグの前身)が彼にたずねたこととは……
〝――もしかして、きみ……。自力で
です。
出会ってから、さほどもない頃の発言で……
こちら――セレグ方面で、【和玉①】における人称追究場面で、出してしまうかどうかを少し迷った部分です。
どこからどこへ抜けて来たのかって……そりゃぁ、例の闇の空間から、こちらへです。
闇人だろうと、人の身には不可能に近い行為だったりしますが、はたして、その真相はいかに?
今回、アシュヴェルダが、そのへんの事実をかすめそうな微妙な考察をしております。
〝セレグ〟=〝セレス〟案件……匂わせながら、本文で明確にしきる前に、余談やサイドストーリーで明かしてしまい、たいへん失礼をしております(まずいなぁ、と思いつつも、やっちゃいまして、ございます ←妙なことばのくずし方して申し訳ないです。これはもう、性分です💦)。
とうの本人~セレグレーシュ~は、まだ、ほとんど自覚できておりませんし、その来し方はもとより。なにがどうなって、どう再生したのかは、本文で示すまで秘密です。
引手が複数あったので、主人公をこっちに切りはなす部分では、かなり頭を悩ませたのです(わたしの頭で叶うレベルですが、いちおうは)。
まだ先ですが、いくつか案件こなした後、東の大陸
アシュヴェルダに関しても、早々、意外性のない方向に明かしましたが、作主にとって、そのへんは、いつまでも隠しておくべき案件ではなかったのです(そこに、殺伐とした裏切りや、どんでん返し的流れを組みこむ気もありませんでした/過去にも先にも、思惑はございますが……どこまでも、主人公の対応と、とりまく状況次第になってくる部分です)。
長い余談、失礼いたしました。
今後もお立ちよりいただけましたら、幸いにございます😊
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます