第六話目 不穏

 次の日の朝いつものように登校すると


「まじかよ……」


 俺の机の上に大量のいらないプリントが積まれていた。


 クスクス


 なんか見られてわらわれている。

 なんで急にこんなことになったのか。

 おそらくこれをやったのは睡蓮さんグループだろう。

 でもなんか他の男子たちからも避けられているような気がする。


「おい。祐也!」

「ん?どうした」

「ちょっとこい」


 祐也は俺を連れて人がすくない廊下まで来た。


「これみろよ」

「な……」


 祐也が見せてきたスマホを見るとそこにはラブホテルの前を歩く俺と日向さんの写真があった。


「なんだこれ」

「日向さんとラブホ行ったのか?」

「いやいやいってないよ」

「やっぱりな。お前にそんな度胸はない」

「おい。それはそうだけど……」

「まあ、てことはこれは悪質なコラ画像だ」

「まさか誰かに写真を撮られていたなんて」

「心当たりあるやつはいるか。これネットに上がってるわけじゃないけどラインで拡散されてる」

「まじかよ」

「なんかできることがあったらいってくれ」

「わかった。ありがとう」


 まずは日向さんに伝えなきゃ。


「日向さん」

「佐々木君?」


 教室に戻ると日向さんは登校してきていた。

 少し驚かせてしまったようだ。


「これ」

「え、なにこれ」


 俺は祐也に送ってもらった写真を日向さんに見せる。


「今学校でこの写真が拡散されているみたいなんだ」

「これ、昨日の……」

「うん。知り合いに見られてたみたいだ。しかも睡蓮さんグループの。俺は誰がこれを広めているのかをつきとめるよ。ごめん。デートしてもらったばっかりに」

「ううん。こちらこそごめん。巻き込んじゃった」

「いいよ。2人で乗り越えていこう。俺らは何も悪くないんだし」


 そして俺は犯人を突き止めるためにある対策を講じた。


 ――――――


 その日は本当につらかった。

 ほとんど全員に無視された。

 でも日向さんと励ましあったおかげで何とか乗り越えられた。


「ありがとう。日向さん。日向さんのおかげで元気出たよ」

「もとはといえば私が巻き込んじゃったんだし逆にごめんね」

「いや。一番つらいのは日向さんでしょ。無理しないでね」

「ありがとう」

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