第7話 学生カップル

2024年6月25日(火曜日)、深夜2時。雨がまた降り始めた夜。


深夜2時、アキラはカウンターでレジの確認をしていた。外では雨がまた降り始め、ポツポツと窓に当たる音が静かに響いていた。コンビニの中は静かで、冷蔵庫の低いハム音と蛍光灯の微かな音だけが漂っている。


そんな中、ドアが開く音がして、アキラは顔を上げた。入ってきたのは、若い学生カップルだった。二人は傘を閉じ、濡れた服を軽く払いながら店内に入ってきた。二人とも楽しそうに笑いながら、お互いの話に夢中になっている。


カップルは棚を見て回り、スナック菓子やジュースを手に取っては、お互いに見せ合っていた。アキラはその様子を微笑ましく見守りながら、若い二人のエネルギーと楽しさに触発された。


しばらくして、カップルは選んだ商品を持ってカウンターに向かってきた。アキラは笑顔で対応した。「こんばんは。雨の中ご来店ありがとうございます。」


「こんばんは!」二人は声を揃えて挨拶し、楽しそうに商品をカウンターに置いた。


アキラはレジを打ちながら、「今日はどんなご予定ですか?」と尋ねた。


「ちょっと夜遅くまで勉強してたんです。それで、気分転換に散歩してたら、ここに寄ろうってことになったんです。」男子学生が答えた。


「それは良いですね。深夜のコンビニは落ち着いていて、リフレッシュにはぴったりですからね。」アキラはそう言ってレジを済ませた。


「そうですね。しかも、こうして一緒にいると楽しいですし。」女子学生が笑顔で答えた。


アキラはその言葉に心が温まった。「勉強も大変でしょうが、息抜きも大切です。頑張ってくださいね。」


「ありがとうございます!」二人は笑顔でお礼を言い、手を繋いで店を出て行った。


アキラはその背中を見送りながら、若い二人のエネルギーと楽しさに触発され、自分も前向きな気持ちになった。雨は少し強くなっていたが、店内の静けさと外の雨音が心地よく響いていた。


次の訪問者を待ちながら、アキラは学生カップルとの楽しいひとときを思い返し、自分の心も少し軽くなったのを感じた。

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【完結】真夜中のコンビニで 湊 マチ @minatomachi

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