第3話 少しの冒険1
モリィさんの家に着いた後、僕はあまりにも疲れすぎて自分の部屋でかなりの爆睡をかましていたようだが晩御飯の時間になるとモリィさんが起こしに来てくれた
モリィ『らいむくーん!ご飯だよー』
と少しやかましいくらいの声量で僕を起こしに来てくれたのだ
アメリカに着いた後マックでチーズバーガー二個とナゲット6個を小食の僕にしてはかなり食べた方なのだがそれでもお腹は空いてる、それは間違いなく日本では感じられない異国感と慣れてもない言語での会話のためだろう
さっきまで自分が寝てたベッドの事も考えると自分の匂いはまったくしない、
むしろ他のなにか自分を不安させる成分でも入ってるような感じだった
正直今のところは楽しいのだがこれからの事を考えるとかなりのストレスが脳にでもかかっているんだろうなぁと考えながら自分の部屋を出て一階のリビングへと向かう。
モリィ『じゃあ、ご飯食べよっか!日本ではいただきます!っていうだっけ?』
らいむ「あ、はい、そうですね。」
モリィ『あ、その前にホストファザーに挨拶してあげて』
らいむ「あ、らいむ言います、英語はまだちゃんと喋れないのでなんか失礼なことしたらすみません。。。」
ホストファザー『はは!最初にしては上手だよ!俺はスミス、スミスでもdadでも好きに呼んでくれ』
正直スミスさんはいわゆるアメリカ映画でよく見るスキンヘッドのいかついおっちゃんタイプだった、今は少し太っているように見えるけどちゃんと体を見れば筋肉もついてる、男の中の男って感じで中学一年生の僕は正直かっこよすぎて尊敬していた
モリィ『さ、これでみんな名前もわかったし、ご飯食べましょう』
スミス『そうだな、らいむ君は飲み物何がいいかな?』
らいむ「あ、なんでもいいですよ」
スミス『分かった、じゃあスプライトでいいな』
らいむ「あぁ。はい」
スプライト。。。?正直馴染みのない飲み物だ、アメリカといばコーラやペプシのイメージがあったからそういうのが出てくるのかと思ったけど
スプライトはあんまり聞いたことないな。。。なんて思いつつ
目の前のグラスに注がれた透明の澄んだとシュワシュワと湧き上がってくる炭酸をみて、あぁただの炭酸水か。なんて思いつつ飲んでみると
らいむ「え、うま」
思わず日本語で咄嗟にえ、うまと呟いてしまった
正直僕の舌にとってはコーラなんかよりも美味しかった、コーラ独特の焦げたキャラメルの後味の感覚もなく、さっぱりとした透き通った酸っぱさと程よい甘さ、
その二つをちょうどよくコントロールし味蕾にビリビリと脳を響かせる炭酸。
こんなに美味しい飲み物がこの世にあったのかと疑ってしまうほどの美味しさだった。
その後ご飯を黙々と食べ、アメリカ独特の油っこい物もスプライトで流し
正直何を食べたかあんまり覚えてないが、あの時人生で初めて飲んだスプライトの味は今でも忘れてない。
ご飯を食べた後はシャワーを浴び飛行機に乗って溜まった汗を流しながら、ふと今日の振り返りとこれからの事を考えてみる
らいむ「今日は一人なのに俺よく頑張ったな、、、偉い偉い、にしてもスプライト美味しかったなぁ、明日は冒険がてらに家周辺を探索してスプライトでも買ってみるか。」
ザーっとシャワーから流れる水の音に囲まれながらそんな軽い話を今日を頑張った自分自身に語り掛けた。
その後シャワーから出た後、髪を乾かしながら来週から始まる学校のことを考える
”そうかぁ、日本ではまだ夏休みだけど俺にはあるんだもんなぁ
正直日本が羨ましいけど、そんなこと言ってられないよな、新しい出会いにでも期待するしかないなぁ。。。
アメリカで友達でも作って放課後その友達とワイワイするみたいな青春をここでもできる事を願うか。”
そんなことを思いつつ自分の匂いも何もしない、少し不安感があるベッドにダイブして明日の冒険の事をほんの少しだけ楽しみにしながら寝るのであった
*
朝が来た、まぁ朝が来たといいっても時差や昼に一度寝たことやベッドの事も加味し、あまり良い睡眠ではなかったのだがとりあえずは今日のプランの冒険を少し楽しみにしよう。
起きて少し自分の身支度をし、朝ごはんを食べにリビングへと向かう
らいむ「おはようございます。。。モリィさんとスミスさん。。。。」
モリィ『おはよー、今日はドーナツだけどヨーグルトとかいる?」
スミス『おはよう、コーヒーは飲むか?』
らいむ「あ、え、ドーナツ、あぁ、ヨーグルトとコーヒーじゃあお願いします」
朝からドーナツ?いや甘くないベーグルとかビスケットみたいなやつか
アメリカといえど朝から甘いドーナツなんてあるわけない
なんて事を思いつつ。。。。いや願いつつ、朝ごはんのプレートを待った
いざ朝ごはんのプレートが出ると、そこにはまさしく日本人のなかでデザートとして当たり前なチョコたっぷり、砂糖たっぷりのあまーいドーナツが置かれてあった
正直朝ごはんにドーナツなんて初めてだから胃がきつかったのも我慢しつつ
ほろ苦いコーヒーで相殺して食べきったのを覚えてる
”これは、早急に慣れないとまずいな。。。”
なんて思いつつ今日は少し外に出ることをモリィさんに伝える
らいむ「今日は少し外に出て家の付近の道を覚えてみます、とりあえずは学校までは歩いてみます」
モリィ『分かったわ、迷子になったら電話かけてね!いつでもでるから!あと不審者には気を付けて』
らいむ「ありがとうございます、じゃあいってきます」
とモリィさんに言いドアノブに手をかけ、輝く太陽光を感じながらドアを開け、異国の地での初めての冒険がスタートしたのであった
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