第2話 知らない空気
飛行機に乗った後、約16時間のフライトで俺はもうかなり疲れていた
正直今となっては椅子に16時間以上座ることなんて滅多にあるのだが
当時の僕に取ってはそんなのあり得なかった、僕は落ち着きのない子供なのもあって
椅子で16時間もじっとしてるなんて絶対にあり得なかった。
16時間のフライトですでに僕の体とメンタルはボロボロだったがやっぱりアメリカに到着すると少しは元気になる、やっぱり違う国の空気ってのもあってか少しは僕をリフレッシュさせてくれるみたいだ。
でもここからはもっと疲れる事があっていやだなーと思っていた
それはアメリカの入国審査だ、よくテレビでみるパスポートを確認して
怖そうなデカいサングラスを掛けたムキムキのおっちゃんがワッツユアーパーパスオブビジットって聞くやつ、正直当時の僕はそこそこ勉強していたがネイティブの発音がまじでまったく分からなくて、変な回答したら日本に連れ戻さられるんじゃないかと思ったから心の中で何度もその回答を繰り返した気がする
さてその時は来た、多分僕のアメリカ留学初めての壁だったろうな。
入国審査官『what's your purpose of visit USA?』(何しにアメリカに来たんですか?)
らいむ「アー、アイム、カミングトゥーアメリカフォースタディイングリッシュ」(英語を勉強するために来ました)
入国審査官『ah okay so how long will you stay here?』(あぁそう、じゃあどれくらいここに居るの?)
らいむ「えーっと、スリーイヤーズ」(三年です)
その後はなんやかんやあってビザの書類を見せたり指紋を取られたりして僕のアメリカ初めての壁はなんとか突破できた、体感だが審査官も俺が若いしまだまだ英語も下手なレベルだったからゆっくり聞き取りやすく喋ってくれたのを覚えてる
最後に若い少年頑張れよ!と言われたのは今でもずっと覚えてる
あんな怖い人からあんなに優しい言葉が出て少し安心したが、すぐ後ろのインド人らしき人に怖い顔で問い詰めてたのを見て
”あぁやっぱりこわ”という素直な感想が出て足早に俺の荷物を受け取りに行った
荷物を受け取る所に来てから約10分。。。。いやジャストで考えると15分近く経っただろうか。。。俺の荷物は一切来る気配はなかった、正直な話アメリカだったし盗まれたのかと思って一回全部の荷物が流れるまで待ってそれでも盗まれてたら悲しく泣こうと思っていた所だった
そこからまた5分経った時、俺はもう待つのがダルすぎてもうこのままホームステイ先まで行こうかなと思っていたがそこでやっと俺のキャリーケースが来た
らいむ「さすがアメリカクオリティ、日本と違うなぁ。。。」
とボソッと当時の自分の不満を漏らしたのを覚えてる。
そこから税関なども色々あったがそこらへんはお得意のグーグル翻訳で少し難しいパートは楽に攻略していった。
正直文明は偉大だ、人生で初めてちゃんと文明に感謝した瞬間かもしれない。
らいむ「終わったー!!!!あとはホストファミリーの車を待つだけか。。。かなり時間あるし空港の中色々見たりしよ。。。」
そこからは俺の空港一人旅が始まった、正直結構お腹は空いてた
何故かというと俺は大の偏食家、野菜なんて特に食えたもんじゃないという少し
おかしい思想を持っているため飛行機の機内食なんてほとんど野菜を避けて食ってた
そもそも機内食が二回出るとはいえあまりにも一食分の量が少ない気がするのは俺だけなのか。。。
そのためアメリカに着く前から何食べようかなぁなんて思っていた
色々空港付近のレストランを調べたりして俺の目にピンポイントで光ってくれた
世界一位のレストランに向かおうと思う
らいむ「まぁ、うん、一旦は本場をね?最初はこれでいいでしょ」
と自分を説得させ、僕が向かったのはマクドナルド。。。
正直めっちゃ美味かったし、日本のとはかなり違うのも食べて実感したが
最初のアメリカ飯が日本人でもよく食べるマックでいいのだろうか。。。
と思ってしまった自分もいた。
らいむ「時間もいい所だし、お腹も膨れたし、そろそろホストファミリーが来る所で待ってよう。。。」
当時の僕はそのあとにはぁというため息を漏らした気がする
それはそうだ、まだ12歳の若い少年が一人でまともに使ったこともない言語で三年間生活するのだ、正直かなり苦痛だと思う
友達もできるか分からない、両親が高いお金を払ってくれたのでこの三年間は無駄なものにはしたくない、せめて友達ができなくても自信をもって俺英語喋れるよってみんなに言えるようにはしたいなぁ。。。。
なんて思ってるとホストファミリーの車が到着、車の扉を開けてくれ
※アメリカ人との英語での会話はちょっと色々とめんどくさいので日本語表記します
大事な場面は英語に切り替えますのでご了承ください。
ホストファミリーのお母さん『よろしくね、私はモリィ(以後モリィと表記します)、モリィって読んでね』
らいむ「よろしくお願いします、これ日本のお菓子です。」
と言い僕はカントリーマアムと適当なキャンディーをモリィさんに渡した
そこからは数時間のドライブ
正直めっちゃ不安で気まずくなりそうだったがモリィさんが気を使って簡単な英語で喋ってくれて案外楽しかった
あと知らない景色が何回も続くのもあって正直話をせずぼーっと外を見てるだけでも俺は良かったのだが、話が盛り上がるのも別に悪いことではないのでこれも良しとしよう。でもやっぱり今日は疲れたな。。。なんて思いつつ少しぼーっとしていると。。。
起きたらもう家の目の前だった、かなり爆睡をしてたようだ
最後に時計を見たのは車に乗ってから30分経った辺り、飛行機でまともに寝られなかったのもあって車で爆睡をかましていた、正直めっちゃ失礼なことをしてしまったなと思っているとモリィさんが
モリィ『あぁ、おはよう!ちゃんと寝れた?部屋に荷物置いておいたから案内するね!』
と元気いっぱいに話しかけてくれたのでさっきまでの僕のナイーブな気持ちは少しでも軽くなった気がする。
そこから僕は自分が三年間過ごすホストファミリーの家を案内され、二階の自分の部屋へと着いた
らいむ「はぁ。。。疲れたな。。。っと、とりあえず俺が寝落ちでもする前に一回俺の荷物を整理したり服をクローゼットに入れたりお菓子片づけたりしよっと」
そこから僕は自分の服をクローゼットに入れてあげる用のお菓子と自分で食べる用のお菓子を仕分けして自分のベッドへとダイブした
これが俺の初めてアメリカでの一日、しかももう一週間ちょっと経ったら俺は学校に行くのか。。。
学校と言えばやっぱりまだ心の事を思い出す
一緒に撮った写真を確認すれば少し安心すると同時に溜息がでる、その溜息は間違いなく自分に対するものだろう、、、
はぁなんて漫画で言ったらとてつもなくデカい擬音が出るほどの溜息をかまし
俺はまた寝落ちするのであった。。。。
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