第3話


「お前なら、何処に、行っても大丈夫だ!」

「………我が弟よ、お前にコレをやる…まぁ要らなかったら、別に捨ててくれても構わない。」

 

「うん、ありがとう。でも…せっかく兄さんがくれたんだ!捨てないから…」

 

「……そうか、ならいいんだ」

照れているのか兄さんは、顔を…背向けてしまったが、相変わらず父さんは…ずっと…俺の、背中をバンバン!叩いている。


「……い、痛いよ。父さん!やめてよ!」

「お、おう。すまなかった……」

「まったく、この人はしょうがないわね!…レイス、背中は大丈夫?」


母さんが心配そうに聞いてきたので、「あ、うん…少しヒリヒリするけど…大丈夫」と返すと…母さんは、「よかったわ!」と言うと、俺に、ミナを預けると……父さんの首元を掴むと…そのまま奥の部屋へと…引きずっていった。


「…………」

「…あははは、今のは見なかった事にしよう……なっ!」

「無理だって!」

「…………」

「…あ、はい!そうしましょう」

「うむ!」


兄さんは!上機嫌でそう頷くと……俺の腕の中に…いるミナを見ると……「…ミナぁ〜…かわいいなぁ〜」とまるで先程までの態度が、嘘だったように……ミナを可愛がっていた。


(まぁ…そりゃあ。ミナは、世界一可愛いけどさぁ…)



と言う俺も、妹バカだった。


それから、しばらくし両親が戻ってきたので…ミナを母さんに戻すと…


「みんな、―俺そろそろ行くよ!」

「そうか…」

「まったく…別に一生の別れでもないんだから………ほら、しっかりする。」


「…………でも」

「……ほんとに、困った子達ね!……ほらあなたもしっかりして……もぅ!」


「すまん」ズビビ


「……レイ!はいコレ!貴方の好きな―――を作ったから、食べてね!…いいレイ、もし辛くなったら、何時でも帰ってきても…いいからね!!……ここは…貴方の家なんだから」


「…うん!、うん!」

「この子ってば、泣いちゃって……もぅ…」

「だっでぇ〜……」

「まったく……泣き…虫なん…たから。」


そう言う…母さんこそ…泣いているじゃないか……


「だぅ…あ~」


(はは、ありがとう…ミナ!)


「改めて、行ってきます!!!」 


「「「行ってらっしゃい!!」」」

「たぁ~!(行ってらっちゃいませ。お兄さま…どうか、お気をつけて…)」


流れ落ちる、この涙を見られまいと、顔を下に向け……村の外へと走っていった。

 

どれくらい、走っていただろう?…気がつけば、辺りは暗くなり始めていた。……これ以上進みのは、危険だと思い!今日は、この辺りで休もうと、焚き火の準備をしていると、


ガサガサ…ガザ

「だ、誰か!居るのか!?居るなら出て来い!!」

と言い放つと…音が聞こえた方へ…近づいて行った。

そこに居たのは―――――。



「……ごめん。私『ぐぅぅぅ~』」

「ぷっ、あははは、とりあえずご飯にしよう!!」


「……うん!」



「よし!それじゃあ!……はい!これお願い!!」

「え?…これを、いったいどうしたらいいの?」

「えっと、これをこうやって…皮を剥いてほしいんだけど?………どう?出来そう?」



「まかせて!」

(う〜ん?何かを忘れているような…まぁ気のせいだろう…)


「…はい!レイス出来たわ!どうかしら!?

(う〜、上手くできたよね?)」


「………うんじょうずに出来たね!」

「……やったわ!………あ、今のは、違うのよ!?…(レイスに褒められちゃった)」


「あはは、別に、気にしていないから…」


「(やっぱり私の…せいだよね。)」

「ほら、出来たから!座った座った!………はい!さぁ食べよっか」

「う、うん」


「わぁ〜〜〜、すごく美味しそう!!――頂きます!」

「召し上がれ!」

「……、お、おいし〜〜い!!何これ!?すごく美味しいじゃない!!」


「…………だろう」

「………負けたわ!」


何に対してだよ…!

と言うか、…勝負はしてないからな!?


「…はぐはぐはぐ!」

「誰も取らないからゆっくり食べな…」

「…うん。おかわり!」


(しかし…相変わらず食べ終わるの、はやいな)


さて、最初は何処に、行こうかな!





 




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