第8話 初めての、魔物討伐
「これでクリスさんとヒエイさんのギルドカードはGからFランクになりました」
そう言って受付のお姉さんからギルドカードを受け取った。
あの闘技場の戦いのあと3人はギルドの受付カウンターに戻って来てギルドカードの書き換えをしていた。
「商会行く前に言ってた稽古の件だけど明日の朝から毎日の鍛錬ついでに宿の庭で教えてあげる。」
ユキが2人の後ろでそう言うと、ヒエイが『俺にも稽古をつけてもらえますか』とユキの方を向いて言った。ユキは快く「いいよ」と承諾してくれた。
「私は宿に戻るけど2人はどうするの?」
「討伐クエストを受けます」
ユキに聞かれクリスがそう言うと、ユキは「気をつけてね」と言うとギルドを出て行った。
一方で2人はユキがいなくなると、ギルドの壁のクエストボードを見てクエストを探していた。
「ボアの10匹討伐」「ヒエイこれなんかどう?」
クリスがクエストの紙を剥がして、ヒエイに見せた。
討伐依頼Fランク
ボアの10匹討伐
証明部位 額の角
報酬 銀貨2枚
違約金 なし
追加報酬 討伐数に応じて
『いいんじゃない』
ヒエイはそう言うと、別のクエストの紙を見せた。
『こっちの、ヒーリング草の採取も並行してやらない』
採取依頼Fランク
ヒーリング草
葉が5枚で1束
報酬 銅貨1枚
違約金 なし
品質が悪いと減額あり
追加報酬 数に応じて
「OK」「受注しに行こう」
そう言うと2人は受付カウンターに行った。
「お姉さんこのボアとヒーリング草について聞いてもいいですか」
クリスは受付のお姉さんに聞いた。すると受付のお姉さんはここらへんの大雑把に書かれた地図を開いて2人に見せた。
「ヒーリング草はこの街の周りの草原に雑草に紛れてます」「葉が濃い緑色して白い花を付けているのですぐわかります」
「ボアはこの街の周りの草原に穴を掘り生息しています」「こちらが攻撃をしない限り温厚なんですが、もの凄い繁殖力ですぐに増えてしまうので街の方からクエストが出ているのです」
受付のお姉さんは困った顔でそう言った。
「クエストの受注します」
クリスがそう言うと受付のお姉さんはクエストの紙にハンコを押した。
そうして、クリスとヒエイは街の東門を出てしばらく歩いた。
「よし、ボア探すか」
クリスがそう言うと、ヒエイが遠くの方に1匹、黒い豚に角が生えたようなものが草を食べているところを見つけた。
『あれじゃない?』
「どれ、どれ」
クリスはそう言うと、黒い豚に角が生えたやつを鑑定した。
ボア
魔物
Lv2
HP6/6
MP1/1
SP7/7
筋力 :2
防御力 :5
敏捷性 :8
器用値 :1
精神力 :1
幸運値 :0
スキル 突進Lv1
穴掘りLv1
「そんなに強く無い」「どうする?」
『少し近づいて銃で撃つ』
そう言ってヒエイはアイテムボックスから銃(M1911―コルト・ガバメント)を取り出し、ボアに近づいた。
ヒエイは両手で銃を握り、銃を構えると、5mくらいの距離から横を向いて草を食べてるボア頭を狙って1発、撃った。銃は大きな音を立てて弾が発射されるとボアの頭に弾が命中し、ボアは横に倒れた。
「よし、命中」
クリスはそう言ってガッツポーズを取るとボアに近づいて、ふと何かを思い出したように言った。
「ボアの証明部位、額の角だけど」「ヒエイは魚さばけるし解体とかできる?」
『流石に出来ないよ』
ヒエイはクリスが言った事に驚いて言い換えした。
「やっぱり」
クリスは笑って言うと、ボアをアイテムボックスにしまった。
だが先ほどの銃声を聞いた沢山のボアがクリスとヒエイの回りを囲うように近づいた。
「いっぱい来たね」とクリスは静かに言い、目の前のボア群を鑑定した。
「レベルは1から高くても5」
『OK、俺は遠くのを殺るからクリスは剣で近くのを』ヒエイは冷静に答えた。
「分かったMP切れになりそうになったら
2人は息ぴったりでそう言うとクリスは腰についた剣を構えてヒエイと背中合わせに立った。
「ライトスラッシュオーラ」
クリスの声が響くと、剣に光が纏った。そして突進して来たボアの頭、目掛けて剣を振り下ろし、光の斬撃を放った。ヒエイはこっちへ向かってくるボアの頭を目掛けて銃を1発、また1発と音を立てて弾を次々に命中させる。クリスは近づいてきたボアに光の斬撃を飛ばし、ボアの首を切り飛ばしたた。
『リロード!』
ヒエイの声が響き渡り、空のマガジンをポトリと落とした。
『弾薬無限』
ヒエイは10発入りのマガジンを生成し、素早くリロードをした。
一方でクリスはヒエイがリロードをしている時。
「サンダーサークル」
そう叫びヒエイとクリスの周りに雷のトラップを展開した。ボアが円の中に踏み込むと、弱いながらも雷の攻撃が彼らを襲った。ボア相手には一撃のようだった。
「MP回復する《マナトランスファード》」
クリスは自分とヒエイに魔法をかけ、MPを回復した。
『弾薬無限』
ヒエイは10発入りのマガジンを生成し防弾チョッキのポケットに入れると、こちらに近づいてきたボアを次々と撃った。
「回復、終わった」「サンダーアロー」
クリスがそう言うと、クリスの回りに10本の雷の矢が形成され、ボア目掛け放たれた。
「あれで最後」
『了解』『残りを倒す』
ヒエイはそう言うと銃を手慣れた手付きでリロードし、銃の弾を突進して来たボア9匹に当てていき、最後のボアを倒した。
戦いが終わり、クリスとヒエイは疲れ切って地面に座り込んだ。
『「終わった~~~~」』
「死ぬかと思った、私」
『俺も』
2人は息を切らしながら、凄く疲れた顔でそう言った。
「何匹倒した?」
クリスが尋ねた。
『分からん』『100匹くらい』
ヒエイは疲れた声で答えた。
「少し休んだらアイテムボックスにしまい始めよ」
2人は息を切らしながら、しばらく休息を取った。
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