第3話 カルの街中で

 2人は馬車道に沿って、西の方へ歩いていた。しかしクリスは突然、鎧を脱ぎ始めアイテムボックスにしまい始めたのだ。どうやらステータスが足りなくて重かったらしい。ヒエイはクリスの鎧を脱いだ姿に少し見とれていた。

 クリスは何かを察して口を開くと。


「隊長さん早く行こう」


 クリスは突然、可愛い笑顔と声でヒエイが好きなアニメキャラのセリフを言うと。親友のそのセリフにヒエイは発狂した。


『うおおおおおおおお』『やめろ---脳が破壊されるーー』


 それもそのはず、親友が突然そんなことを言うのだから。クリスはその反応に笑っていた。そんなことをしているうちに2人は街に到着した。

 

 街の入場の列に並んでいるとクリスが「私に兵士への説明は任せて」と言ってきた。そうして待っていると、すぐに2人の番が来た。するとへ門番が聞いてきた。


「お前ら、この街へは何をしに来たんだ見慣れない格好だが」

 優しそうな門番のお兄さんはヒエイはを見ながらそう言ってきた。それもそのはずヒエイは上下迷彩服に迷彩帽子、上にはポケットがいっぱい付いている防弾チョッキを着て、見るからに怪しそうなのだから。するとクリスが説明した。


「私たちは村から出て、この街へは仕事を探しに来たの」


「そうか」「身分証は持っているか?」

 門番のお兄さんはそう尋ねると。


「いいえ、持ってません」

 クリスがそう言うと、門番のお兄さんは水晶を取り出した。


「それだったらこの水晶に触れて名前を言え」「ちなみに、犯罪を犯したり、してないよな?」


『「もちろん」』

 二人はそう言うと、水晶に触れて。


「クリス」『ヒエイ』


 2人が名前を言うと、すると水晶にステータスの一部が表示された。


ステータス


クリス

種族 人間族

クラス なし

称号 なし

罰罪 なし 


ヒエイ

種族 人間族

クラス なし

称号 なし

罰罪 なし


 クリスは「罰罪なんて項目ないぞ」そう思いヒエイを鑑定すると。


(クリス目線)

ヒエイ

種族 人間族

クラス なし

Lv1

HP30/30

MP23/23

SP20/20


筋力  :14

防御力 :17

敏捷性 :15

器用値 :24

精神力 :10

幸運値 :27

スキル 鑑定分析

    銃作成ガンクリエイトLv1

    弾薬無限Lv1

    言語理解

    アイテムボックスLv1

称号 なし

罰罪 なし


「自分で見ることはできないのか」クリスがなるほど、とそう思っていると、門番のお兄さんが話しはじめた。


「クラスないのか」「教会に行ってお布施を払えばクラスに就けるぞ」「そこで、クラス替えもできるから」「仕事を探しているのならクラスに就いていたほうがいいぞ」

 門番のお兄さんがそう話すとヒエイが聞いた。


『腕に自身があるのですが俺達が働ける場所はありますか?』


「あるぞ、この道をまっすぐ行って大通りを右に冒険者ギルドがある」「ギルドカードが身分証になるから持っておいたほうがいいぞ」

 門番のお兄さんがそう話すと、2人は入市税、銀貨一枚ずつを門番のお兄さんに払った。

 ついでに宿屋についても少し聞いた、少し高いが良い宿とのこと、2人はお礼をして宿屋に向かった。


「子狐亭、ここだ」

 2人が宿屋に入るとカウンタには白い髪、水色の目の狐耳の獣人の少女が出てきた。


「いらっしゃいませ」「宿泊ですか?」「お食事ですか?」


 ヒエイはどストライクだったようで見惚れていると、クリスは察したようで、ヒエイの為に名前を聞こうと、話しはじめた。

「宿泊です」


「何日お泊りですか?」

 彼女はそう聞き返した。


「何日にする?」

 クリスはヒエイに聞くとヒエイは我に返り。

『十日くらいでいんじゃない?』

「まあ、それくらいか?」

「私はクリス、こっちはヒエイ、十日間お世話になります」

 私は笑顔で言うと彼女も笑顔で答えた。


「私はユキです」「ご丁寧にありがとうございます」「相部屋でベッド2つにしますか?」「それとも二部屋にしますか?」

 ユキがそう言うと、クリスは迷わず答えた。

「じあ、相部屋で」

『えっ……』

 ヒエイは驚いた様子で声を漏らしたが、一方クリスは何事もないように「だめなの?」と聞き返した。ヒエイはよく分からなくなり思考を放棄した。ユキはクスッと、笑いながら「8,000リス、です」と答えると、2人は銀貨四枚ずつ払った。

 この世界の物価は鉄貨1枚で屋台の串焼き肉が一本、銅貨5枚で普通の宿屋一泊できるくらいなのだ。


「二階の一番奥の部屋です」

 ユキがそう言って鍵を2人分差し出すと、2人は、鍵を受け取り二階の一番奥の部屋へと向かった。部屋に入ると、外の夕暮れの光が窓から差し込んだ。クリスが手前のベッドにダイブすると、ヒエイは奥のベッドにゆっくり腰を下ろした。しばらくするとクリスはウエストバッグから光魔法書下級を取り出し、読み始めるとヒエイが口を開いた。

『1、2時間経ったら下に、ご飯食べ行こ』

 するとクリスは、「いいね~~いこ、いこ」と、ヒエイを見て喜んで言う。


『そう言うとめっちゃ食いそうで怖いな』

 ヒエイがそう言うと、クリスは食いつくように答えた。

「そんなことないよ!!」


 『だって、高校の修学旅行の時、朝のビュッフェで死ぬほど食ってたじゃん』『痩せているのに、食べた物どこに入っているのか不思議だよ』『クラスやつ引いてたぞ』


「マジでーー」

 クリスは驚いた顔をした。するとヒエイが追い打ちをかけた。

『そらそうだろ』『朝も、昼も、夜も死ぬほど食ってるの見たら、誰でも引くぞ』


「はず……」

クリスは小さい声でそう言うと、頬を少し赤らめて、恥ずかしそうにした。ヒエイはその恥ずかしそうにしているクリスの顔を見て可愛いと思ってしまった。


『でも、クリスなら暴食スキルとか獲得しそうだな』

「まさか~~」

2人はそんな会話を楽しそうにしていた。

 

 

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