シック編 第2話 話を聞かせて

出会った時から感じていた


彼女は何か違うって


彼女なら、ノリカちゃんならば何か分かってくれるのではないかって。


予想通り、彼女は声をかけてきた


一緒に話そうって言ってくれたんだ


私の言うことを信じてくれるのかは、分からない。


でも、話すしかないからさ。


シック「私はね…いや、トロのことから言った方がいいのかな。」


ノリカ「トロちゃんのことですか…?」


シック「うん、トロが人造人間であることは知ってる?」


ノリカ「えっ?そもそも…人造人間とはなんですか?」


シック「まぁ…うん、機械みたいな?そんな感じ。

論点はそこじゃなくてね。


あの子は昔研究所に居たんだよ。

そこにはトロを作った女の子もいたんだけどね。


それでまぁ…理由にはならないけどさ

ずっと外に出れないトロに私は、外の世界を見せてあげたくてね。


連れ去ったの。」


ノリカ「横暴ですね!?」


シック「そうそう、横暴なんだよ私は。


そのあと11ヶ月…まぁざっくり1年間。

一緒に遊んだりしてたんだけどね…


研究所の人の手先なのかなんなのか、

トロとはまた違う感じの人造人間に襲われちゃってね…


私は首元に傷を負ったけれど、トロは逃がしたんだ。」


ノリカ「で、でもっ…私そんな話、トロちゃんからは1度も…」


シック「そうなるのも無理は無いよ、

だってトロの記憶は、私が消したから。


なんかさ…離れ離れになった上に覚えてたら尚更可哀想じゃんっ!!!」


ノリカ「え、あっはい…」


シック「だから適当に記憶消したらさ…


偶然知人の記憶も消しちゃった☆」


ノリカ「消しちゃった☆じゃないですよ!?

何そんな軽々しく!?」


シック「落ち着こうよ、その調子じゃ知人のこと話した時、君泡吹くよ?」


ノリカ「泡っ!?」


シック「んでーまぁ…その知人はねぇ、レイなんだ。」


ノリカ「!?!?」


シック「もう言葉が出てない…続けようかな?


1回道端で出会った程度なんだけど彼は私がトロを連れ去っ…んんっ、引き取ったことを知っていたからさ、都合が良かったんだ。」


ノリカ「そ、それでその後記憶のないトロをレイの元へ…?」


シック「そうだよ、身勝手でしょ?」


ノリカ「い、いえ…その時の情報などを踏まえれば、それは割と良い判断なのかも知れませんね…」


シック「それでまぁ…後もうひとつ。」


ノリカ「ま、まだあるんですか…」


若干目の前の彼女は引いている


シック「私の目的は、トロとレイに逢いに来たわけではないの。


研究所の人に逢いに来たの。」


ノリカ「研究所の…?関係者はここにはいないはずですよ。」


シック「居ないよ、でもちょっと諸事情があってさ…


武力行使が必要なんだよね!」


ノリカ「なんで!?」


シック「簡単に言うと…研究者の命狙われてるんだ!」


ノリカ「急にフランクにならないでくださいよ!怖い!!!」


シック「ごめんごめん!まぁそういうことで…


武力行使の事は後で話すからさ、みんなに話してきてよ!」


ノリカ「は、はぁ…」

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