第4話
(細川怜……か)
佐久間にも詳しいことは伝えていないが俺はそいつのことがあまり好きではない。
というか、むしろ嫌いである。細川怜は俺のことをいじめてきていたグループの中心人物だった。
そいつは直接的に俺のことをいじめてきていたわけではないが周りを巻き込み余計にややこしくさせたり、周りと俺の反応を見て楽しんでいたりと、人として終わっていたやつだ。
(まさか佐久間があいつを好きになるとは思ってもいなかったが……。ただあいつと佐久間が付き合ったからといって佐久間との関係を変えるのは結局あいつと同じことをしているし、そもそもとしてあいつがいる時に関わらなければいいだけだしな。)
(さてと、今日は明日の日課の準備出まして早く寝てしまうとしよう。)
「んあぁ、もうこんな時間か。そろそろ起きて朝ごはんでも食べるか。」
ピンポーン
(こんな朝早くから一体誰が来たんだよ)
「はーい、今開けます。……えぇと、どちら様ですか。」
そこにいたのはしっかりとスーツを着たお兄さんがいた。
「私、あなたのお父様の弁護士を任されている大谷進と申します。少しだけお時間よろしいでしょうか。」
(よろしくねぇよ。帰ってくれよ。あいつ関連とか嫌な予感しかせんわ!)
「少しだけなら。ここだとあれですから中に入られてください。」
「すいません。失礼致します。」
「ところで父の弁護士の方が何故ここに?」
「いくつかお話しさせていただくことがあるのですが私は真っ当なところから来ている弁護士ではありません。あなたもあなたのお父様が多数の恨みを買い、まともにお金を持っていないということはご存知のはずです。」
「そう…ですね」
「そこであなたのお父様は私のことを雇っている事務所に連絡しなんとか牢獄から出たいとお伝えになられ、保釈金を払われたのですがのですが……」
「……」
「その際の弁護士費用と保釈金、合わせて700万円を払うことが出来ず、あなたを売り飛ばしたということです。」
「………は?何か最後よくわからなかったのですが」
「簡単に言いますとあなたはお金のために売られた、ということになります。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます