第3話 契機

 その会議の会場には、男2人と女3人、合計5人がいた。いや、人間と表現するのは間違っているのかもしれない。彼らは人間とはかけ離れた美しさを持ち、人間離れした雰囲気を醸し出していたからだ。


 会場はとても広く、真ん中に5人用の丸テーブルがあり、僕以外の人たちはすでに席に座って静かに紅茶を飲んでくつろいでいる。一方で、彼らとは別の席で、彼らを眺めている人がいた。ショートヘアの女性で、スーツを着ているため、クールだなあと思った。そんなことを考えながら僕は急いで席に着いた。


 先ほどの人が司会を務め、会議が始まった。会議の内容は無論、能力者の対処についてだった。集合がかかったのは、世界中の多くの国々から能力者の密殺が依頼されたからだ、と司会者は話した。そして、この依頼を受けるか受けないか、受けるならどのように密殺を行うかを話してほしいと付け加えた。


 その後、数時間ほど話し合った結果、依頼を受けることにした。方法としては、各国からの最新の情報を受け取ってすぐに共有し、一番近い人がその場で殺すというものだった。そして、そんな感じで会議が終わり、僕は家に帰った。


 家に着いた頃にはすでに午前2時を過ぎていた。どうやら日をまたいでしまっていたらしい。そして、すぐにベッドに向かって眠りについた。


 朝になり、眠たい体を起こしてなんとか起き上がることができた。ぼんやりしながら朝食をとり、学校の準備を始める。それが終わると、僕はすぐに学校に向かった。


 学校に着くやいなや僕は寝始めた。そして不思議なほど簡単に意識が落ちていった。そして、次に起きたときにはホームルームがすでに始まっていた。ぼんやりしながら先生の話を聞いていると、僕のスマホからけたたましい音が鳴り響いた。緊急地震速報のような音である。そして、僕はその画面を見てしまった。そこには「能力者が近づいています。」というメッセージが表示されていた。

気が付くと、胸が騒ぎ、冷や汗が流れ始めていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る