第4話 アイシャ・グランデ
今日も今日とてギルドへ向かう。
昨日は旋風のアッシュというポテチをあげたランキング16位のおっさんからお勧めの宿屋を聞いておいたので寝床には困らなかった。
「とりあえず朝飯かな〜」
俺は闇収納とは反対属性の光収納、別名アイテムボックスとも呼ばれる空間魔法を使い、紅83式の食料庫から移しておいた6枚切りの食パンとコーンスープを取り出して食べる事にした。ちなみにアイテムボックスの中は時間が停止しており、食べ物が腐る事は無い。
「美味いな〜やっぱ朝はパンだわ!」
そうこう食事を楽しんでいると2人の人物が近づいてきた。
「おい!また美味そうな物食ってんな!」
「何かしらこの美味しそうな匂いは?あなたは誰かしら?」
誰かと思ったら1人は昨日のおっさん、閃光のアッシュとその隣はかなり美しい美女だ。
「あぁ、昨日は宿屋を教えてもらいありがとうございました、良かったら一緒に食べますか?」
アッシュのおっさんだけなら食料を分ける必要は無いが、如何せん隣の美女が気になる、出来ればお近づきになりたいと言う下心が出てしまう。
「おう、悪ぃな」
「ご一緒してもよいかしら」
とりあえずアイテムボックスから更に食パンとコーンスープを取り出し、2人に渡す。ちなみに食パンは焼きたてでバターが塗ってある。
「う、うんめえ〜!これはたまらん!」
「このコーンスープとやらはなんて甘いのかしら!」
ここ、異世界【スペースキングダム】の食事は不味い。その理由は宇宙の中だけあって、基本食材が無い。飲み水は魔法に頼っており、肉やら野菜やらはダンジョン内の魔物の肉やら、ダンジョンで育てている畑に頼っているらしい。その中でもドラゴンの肉は比較的に美味いらしい、どおりでドラゴンの価値が高い訳だ。
「それでアッシュさん、この方は?」
「私の事かしら?私はアイシャ・グランデかしら」
「こう見えて︎︎アイシャは ︎︎
「なんでアッシュが得意げなのかしら」
「ところで、あなた、ヒカルと言ったかしら、このパンとスープ譲って頂けないかしら?お金は言い値で払うかしら?」
「多少譲る程度はいいですが、在庫に限りがあるので少しならいいですよ」
決して嘘は吐いてない10億年分の食料があるとはいえ、限りはある、いつかは無くなるのだ。そう言って食パンとコーンスープを少しアイシャに格安でお裾分けしてあげた。
「それで今日は何用で?クランの勧誘ですか?それとも朝ご飯が欲しかっただけじゃないですよね?」
「あぁ、それなんだが、一緒にクエストに行かないか?」
アッシュの口から出た言葉はパーティーのお誘いだった。
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