第5話 Jマリン
その建物はログハウスで出来ていた。
マリンスポーツの会社なのに山小屋風?
一見相反する感じがするが、初めて見るログハウスは一際おしゃれに映った。
私 『海辺のログハウス…何だかオシャレな会社に採用されたな。』
Jマリンはとある企業のグループ会社でマリン事業部と言う部署だった。
他にもレンタカーや、ガソリンスタンド、レストランと幅広く事業を展開していた。
マリン事業部の人はほとんどが本土の人で占めていた。
地元の人は数えるくらい。
私 『沖縄に帰って来たのに、何だか変な感じ。でも、皆人が良さそうだし、上手くやっていけそうだな。』
私と同じ日に入ってきた奴がHと言うやつだ。
茨城県出身で、カワサキのエリミネーター(バイク)で日本一周の旅をしていると言った。沖縄が気に入り就職を決めたのだと言う。
何てワイルドなやつだ!
私達は年齢も一つしか違わないし、直ぐに打ち解けた。
しかもそいつは、沖縄には無い感じのイケメンで女の子にはモテモテだった。
その何日か後、地元の子も2〜3人入って来て私達のダイバー特訓が始まった。
1日8時間の座学を3日、海洋実習一週間、
そして座学…
まるで学生に戻った様で楽しい反面かなり辛かった。
その他にもペーパーテストで90点以上取らないと不合格とされた。
私 『ここで頑張らないとダイバー職外されてしまうな…』
通常、最初に取る資格はオープンウォーターで座学、海洋実習、約3日間程度なのだが私達は職業ダイバーなので接客やレクチャーの仕方、お客さんを案内する方法などなど学ぶことがかなり多い。
それに加えて機材のメンテナンスもやらなければいけなかった。
ともあれ、全員順調に成長して行った。
そんなある日、私はHを誘って飲みに行く事にした。
Hは茨城県でも田舎の方の出身で、沖縄のバーや、レストランなどに感動していた。
何でもオシャレでかっこいい店が沢山あると…
私から見れば普通なのだが…
恐らく米軍基地もあるし、特にバーなどはアメリカナイズされているのが多いせいだと思う。
とあるショットバーに2人で入った。楕円形状のローカウンターが店の中央をぶんどっている。
カウンターの中は洋酒やビールなど綺麗にディスプレイされていた。
カウンターの中には2人のスタッフが働いていて、簡単なDJブースもある。
スタッフの女の子がキャスター付きのイスに座り縦横無尽に動き回っている。
私 『すみませーん!コロナビール2つ下さい♪』
スタッフ 『はいよ〜♪』
元気の良い返事と共にイスに座った女の子がビール2本片手にスーッと現れた。
H 『オシャレだよなぁ!かっこいい!』
私 『田舎の巨大な田んぼとか、水車とか、お蕎麦やさんとか逆に憧れるけどなぁ…』
H 『無い物ねだりかもな!』
ビールを受け取った私達は乾杯をした。
すかさず、イスの女の子はDJブースに滑り込みスクラッチと共に、MC Miker G&DJ Svenのホリデーラップが流された!
流石にこれはカッコいい!
2人ともテンションが上がり1本、2本とビールが空いていった…
H 『そろそろ帰ろうか。』
私 『えー⁉️まだまだこれからだろ?』
Hを見ると酔っている感じだった。あまりお酒が強く無いようだ。
私は飲み足りなかったのでHの家で2次会をする事にした。
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