第25話 清須城でレッツクッキングですよ!

ども、津田坊丸です。




ついに今日は、信長伯父さんの饗応の日です。


さすがにタルタルソースは、一晩置いたものを持っていけないので、らっきょう等の具材を持って行きます。あと、水飴は、できたものの半分を小さい壺に入れて持っていくことにしました。切り干し大根と鴨の味噌漬けもね。




饗応の一刻前に清須城に到着するように出発です。


さすがに自分だけで作るのは無理なので、料理番のおばちゃん、お妙さん、お千ちゃんも一緒です。


引率の柴田の親父殿は、自分の馬で登城ですが、自分以下4名は、お迎えの駕篭が出ました。


なんかとても偉い人になった感じ。


現代社会だとハイヤーを回してもらったってところでしょうか?




清須城に到着すると、お妙さん達はすぐに台所の方に案内されて行ってしまいました。


柴田の親父殿と自分は、清須城の広間に案内されました。


料理作ってだすだけじゃないの?台所に行って、そこで作り終わったら即帰宅だと思っていたのに…




「勝家、坊丸、本日は大儀である。勝家が先日の鷹狩りで振る舞ってくれたさんが焼きは、坊丸の考案と聞いた。坊丸考案の料理を振る舞ってもらうとしよう」




「「宜しくお願いいたします」」




「本日は、儂と帰蝶、吉乃、奇妙だけなので、馳走になるのは、奥向きでといたす。まあ、坊丸は親族でもあるしな。勝家は、特別に奥向きに入ることをさし許す。坊丸が勝手しないよう、良くみておくことだな」




「「ははっ」」


「では、伯父上、厨に向かわせていただきます」


「で、あるか。勝家、坊丸がなにかしでかさぬようよう見張っておれよ。はっはっは」


信長伯父さんは、なんか機嫌良い感じだからとっとと台所に向かおうっと。


でも、勝家の親父殿に自分が暴走するのを見張れって二度も言わなくても…


は、これはもしや、大切なことなので二度言いましたってやつか!


て言うことは、自分、暴走するの基本の人だと伯父上に思われてらっしゃりやがりますか?


なにかやらかしたっけかな?


うーんむ、腑に落ちぬ。




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「ふぅ、坊丸、本日は大丈夫よな。くれぐれも殿や城の皆に粗相の無いようにな」


「大丈夫ですよ、親父殿。伯父に美味しいご飯を作って差し上げて、食後に挨拶したら、とっとと帰りましょう」


「そう、上手く行けば良いのだがなぁ…」


勝家と坊丸はそんな話をしながら、清須城の台所に向かって行く。




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「坊丸さま、お待ちしてました!」


ウンウン、お千ちゃんは、何時でも通常運転だね。料理番のおばちゃんとお妙さんは、微妙に居心地悪そうですがね。




「清須城、包丁頭 井上左膳と申します。本日は殿からの御下命にて、坊丸様のお手伝いを私以下、包丁方の皆でさせていただきます」


あ、なんか、ガキの手伝いさせられんのかよってのが露骨に感じられますが、まぁ、致し方ないよね。




「津田坊丸です。本日は宜しくお願いします」


「柴田家の台所を預かるお滝です」


「柴田で坊丸様付きの侍女 お妙です」


「同じく お千です」


あ、料理番のおばちゃんってお滝さんって名前だったのか、はじめて知った…




さて、まずは、お出汁をとるのとマヨネーズ作りですがね。


マヨネーズにつきましては、マヨネーズ職人のお妙姐さん、お願いしますよ。


出し汁はお滝さんと城の包丁人に任せてっと。


鯵はっと、おお、さすがに清須城の台所、すでに三枚に下ろしてある。仕事が早いぜ。




「井上殿、鯵の三枚下ろし作っておいていただきありがとうございます。そのうち一枚は塩をして焼いてください。五枚は、荒みじん切りの感じでたたきにしてください。焼いたのはほぐして、後で、お滝さんに渡して下さい。お千ちゃん、大葉とネギ、生姜もみじん切りで準備をお願いします。あ、あと、誰か味噌だしといてください」




「合わせ出汁は取れたよ。昆布と鰹節も引き上げた。昆布は、千切りにしておくんだったね。あと、切り干しもやっとくよ」




「お願いします、お滝さん」




「真夜寝酢、たくさんできましたよ。半分は多留多留蘇酢にしますね」




「昨日の作り方、大丈夫です?お妙さん?」




「ネギとらっきょう、青海苔にゆで玉子でしょ、昨日の今日ですから大丈夫ですよ、坊丸様」




「じゃ、お願いします」




「大葉、ネギ、生姜上がりです」




「お千ちゃん、なめろうの作り方は大丈夫?」




「鯵のたたきに味噌とさっき刻んだのを混ぜてたたくんでしょ、大丈夫ですよ、坊丸様」




「なめろうができたら四割はさんが焼きにしてね。清須の包丁人のひとに協力してもらって作っちゃって」




「真夜寝酢和え二種類あがったよ。次はなにする?」




「お滝さん、持ってきた鴨の味噌漬けを仕込んじゃいましょう、ゆず味噌に、少しだけ水飴たして下さい」




「坊丸様、水飴は、坊丸様の懐だよ。借りていいかい?」




「他にも使うから少し甘味が出る程度の少量にしてくださいね!」




「わかってるよ!」




「あ、清須の包丁の人、鯵のあらは、潮汁にするから捨てないで!むしろ、そのあらで出しをとってください!そこ、なめろうは、後で使うから、一の膳に全部出さないで!」




「多留多留蘇酢完成しましたよ!後はなに?まだできてないのは?」




「鯵の唐揚げです!お妙さん行ける?」




「やってやりますよ!」




「井上殿、餅を軽く湯通ししてトロッとさせて下さい、後できな粉を振って菓子の膳として出します!」




「坊丸様、一の膳、真夜寝酢和え二種となめろう、さんが焼きの盛り付け確認してください!」ええぃ、忙しい!


って、あれ?清須の包丁人の方々からも普通に坊丸様呼びで指示出しや確認させられてるよ?あまりに忙しいと、最初の険悪さとか無くなるんだね!




「お千ちゃん、孫茶用のなめろう大丈夫?お滝さん、鯵つみれの潮汁、最後に柚子皮散らすの忘れないで!お妙さん、唐揚げに多留多留蘇酢少しかかるように盛り付けて!」




「一の膳出ます。坊丸様と柴田様は、膳が信長様たちの部屋入ったら、すぐ挨拶できるようにしてください!」




「お滝さん、お妙さん、お千ちゃん、二の膳の鴨、唐揚げ、確認宜しくね。三の膳は、孫茶と潮汁だからね、最後にきな粉餅の菓子膳、餅はトロッとさせて!」




「わかってますから、早くいってください、坊丸様!」




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「坊丸、台所とはいつもこんな、戦場のような感じなのか?」


「親父殿、今日は特別ですよ、普通の一汁一菜ならこんなになりません。自分の新作の時もあれやこれやためしながら作るから、もっとワイワイ楽しい感じですからね」


「いやぁ、いつもおしとやかなお妙さんが悪鬼羅刹の如く立ったし、いつもの笑顔の料理番のお滝さんもドエライ剣幕だったからな、圧倒されて、なにも言えず、なにも出来ず、ただ、台所のすみに座っているだけじゃった」


ですよねぇ~、柴田の親父殿、料理中は気配無かったもん。




「さて、ここを入れば、殿たちが食事なされる場だ、坊丸、くれぐれも粗相の無いようにな!」




「粗相する気力もないですよ…、疲れたから早く終わって欲しいです」




「そういわず、ただ静かに、平穏にな」




「はい、わかっておりますよ、親父殿」




信長伯父さんご一家の隣の部屋に入り、柴田の親父殿と並んで頭を下げて座り、声がかかるのを待つ。




ふすまが開くと、柴田の親父殿が挨拶を述べる




「柴田勝家、津田坊丸、両名、罷り越してございます。本日の料理について、隣に控えます、坊丸よりご説明させていただきます」


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ここまで読んでくださりありがとうございます。




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