第18話 マヨネーズが真世寝酢になっちゃいました!

ども、津田坊丸です。マヨネーズ作りました。




自分、お妙さん、お千ちゃん、料理番のおばさんの四人で舐めて、味を確認。




自分としては悪くないと思っていましたが、女性陣の意見により、少しだけ塩を追加。


この時代の人たちは、おかずよりも米で栄養とっているので、ややしょっぱい味付けが好みのご様子。味のバランスを崩さないように塩加減を相談しながら完成です。




「で、この調味料は、なんというのですか、坊丸様?」




「マヨネーズですね」




「真夜寝酢ですか」


なんか、変な変換されているのがアリアリとわかる発音ですが、ここは、スルーです。




「で、この真夜寝酢は、どうやって使うのですか?」




「生野菜につけて食べたり、野菜等に和えて食べたりするのです」




あ、三人から生暖かい視線で見つめられます。




「坊丸様、この真夜寝酢は、とても美味しいと思います。ですが、生の野菜につけて食べるのは、下々の者が夕餉の時に、胡瓜に味噌をつけて食べるのなら良いですが、殿様達には、出せませんよ。まあ、信長さまなら、うつけといわれた頃を思い出して許してくれるかもしれませんが」




「そうですか… 柴田の親父殿は、どうですかね」




「あまり、良い顔はしないと思いますよ」


料理番のおばちゃんからダメ出しされました。そして、その後ろでうなずく、お妙さんとお千ちゃん。うーん、マヨネーズのサラダ、献立に付け加えたかったのに…


どうするかなぁ、マヨネーズ和えみたいにすれば、膳にのるような料理にできますかね…




とりあえず、台所を見渡すと…




はい、思い付きました。




「白菜を細めの短冊みたいに切って、大根の葉っぱも刻んで。あと、鯵の干物を少しほぐして。で、その3つを混ぜ合わせて、最後にマヨネーズで和えてみて」




「真夜寝酢で和えものを作るですか…」




「少しだけつまんでいいですか?」


って、もうつまみ食いしてるでしょ、お千ちゃん。って。お妙さんも、料理番のおばちゃんもつまみ食いしてるじゃないですか。じゃ、俺も。




「「おいっしいぃ~」」


うん、思いつきのわりには、上出来なマヨネーズ和えですな。




「これなら、夕餉のお膳に出せるますかね?」




「坊丸様、これなら、お梅様も、勝家様も文句は言わないでしょう」




「よかった~」




「で、白身はどうします?玉子焼きにかさ増しで、足しますか?坊丸様?」




「味噌汁をかき混ぜてもらっていい?そこに少しずつ卵の白身を入れていって」




「お、卵の白身がふわふわで、固まりましたよ。具が増えたし、見映えもよくなりましたね、坊丸様」


あ、料理番のおばちゃんにもいつの間にか坊丸様って呼ばれてるよ。まあ、いいか。




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夕餉の時間になりました。って言っても、現代人の感覚だと午後3時すぎなんですがね。




ちなみに夕餉は、勝家さんとお梅の婆上様、自分の三人で食べます。




料理番のおばちゃんとお千ちゃん、それとての空いた女衆が膳をセットしてくれます。




お妙さんは通いで、帰っちゃうので、もう一人の乳母の人が弟たちをみてくれてます。




それはさておき、今日の夕餉は豪華です。




メインは鯵の干物を軽く炙ったもの、それに玉子焼き、鯵のほぐし身とと白菜、大根の葉のマヨネーズ和え、白菜と大根と溶き卵の味噌汁です。


おかずが三品もあるなんて、戦国時代にしてはめっちゃ豪華です。普段一汁一菜だからね。




「お、今日はなにやら豪華だな。領民からもらった玉子は、玉子焼きにしたのか、うまそうだな」




「卵をいただけると、膳が豪華になりますね」




「そうですな、母上。あと、白和えか卯の花和えの様なものもありますな」




「あ、勝家様、それは坊丸様とお妙さんが作った真夜寝酢和えですよ、美味しいから食べてみてください」


と、お千ちゃん。




「坊丸殿が?まぁ、お妙さんと一緒なら大丈夫だろう。どれ、では、その真夜寝酢和えからいただくか」


柴田の親父殿は、マヨネーズ和えから食べてくれます。婆上様はチラ見したあとまずは、玉子焼きに箸をつけました。婆上様は警戒して、柴田の親父殿が食べるのを様子見している感じ。




「む、少し酸っぱいが、なんとも旨味が強く濃厚な味つけよな。鯵のほぐし身の塩気、旨味と野菜のしゃきしゃきした感じにも、この白い真夜寝酢とやら、合うな。坊丸殿、これは、何からできているのかな?」




「卵の黄身と塩、酢、油を混ぜたものです。親父殿、お口に会いましたか」




「最初は、酸っぱさに驚いたがな、なかなかに旨い、酢が入っているから、真夜寝酢というのか、うむうむ。どれ、汁ものも、白いものが入っているが…」




「味噌汁の白いものは、卵の白身です。溶き卵の味噌汁のようにして、余った白身を使ってみました」




「卵の白身といえども無駄にする分けにはいかんからな、節約する工夫、良い心がけだ、坊丸殿」




「ありがとうございます。また、卵が手に入ったらマヨネーズを作ってもよろしいですか」




「良いと思うぞ、坊丸殿。のう、母上」


あ、柴田の親父殿と話しているうちに、いつの間にか、婆上様もマヨネーズ和え食べてる。箸が進んでるから、美味しいんだろうな。




「そうですね!時々なら、良いのではないですか」




「だそうだ、坊丸殿」




「婆上様にもありがとうございます」




よかった~。現代の味再現プロジェクト第一弾のマヨネーズでつまずくと、この先、いろいろ作れないからね。




マヨネーズ和え、玉子焼き、美味しゅうございました。




でも、甘いもの食べたいよなぁ~。お米をよく噛んで、甘味が出るのを待とう。デンプンを唾液のアミラーゼで、麦芽糖にして甘味を感じよう。




あ、麦芽糖。


そうだ、麦芽水飴があるじゃん。


昔昔、小学生の宿泊学習の時、作ったんだよなぁ~。どうにかして麦芽水飴の作り方、思い出さないとなぁ…


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ここまで読んでくださりありがとうございます。


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