第3話 予言

「もうあなたといたくないの。そのための慰謝料なら、こっちが言い値で払うわ。5万でも10万でも。そうよ、いつもあなたがぐだぐだ細かく言うような端数も含めて、たとえ13万8千756ドル92セントでもね!」

 そう言い捨てて車に乗り込んだ彼女は、私の見ている前で車を急発進させてトレーラーに衝突した。


 彼女の生命保険から、葬儀代や裁判、その他諸費用を引いて私の手元に残った金額は、まさに彼女の予言した通りだった。

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