二代目編第2話 日常
魔族の襲撃から翌日、私、双葉由里はいつも通りお昼を食べに屋上へと向かう。
「みんな、お待たせー!」
「お、来たね、由里。」
「リーダー遅いよー」
「里奈もお腹空いたの」
「ふふ、ようやく来ましたね」
屋上に着くと煉獄の魔法少女ソフィアこと西園寺佳奈、突風の魔法少女アリサこと姫宮優香、大地の魔法少女こと綾瀬里奈、静水の魔法少女マナこと水無瀬有希の全員が揃っていた。
「ごめんごめん、ちょっと先生の手伝いをしてたら遅くなっちゃって。」
「ほんと里奈はお人好しだね、まぁでもボクは君のそんな所が好きだよ」
「ちょっと佳奈、またそうやって誑かすのはやめなさい。」
「ん? ボクは里奈だけじゃなくてみんなのことも当然大好きだよ。優香、君も——」
「佳奈、そこまでです。」
佳奈が優香の頬に手を触れようとした所で有希が待ったをかける。
有希いつも暴走しがちな佳奈や優香を止めてくれるのでとても助かる。
「お昼ご飯にしますよ」
「……はい」
流石の佳奈も有希には逆らえず大人しく自分の位置へともどっていく。
「それではみんな揃ったことですし、食べましょうか。」
五人揃って手を合わせる。
「「「「「いただきます!」」」」」
こうして五人揃ってお昼を食べる時間が私にとっては一番幸せな時間だ。
「美味しい! やっぱり有希のサンドウィッチは最高だよ!」
「ふふ、そう言って貰えると嬉しいです。」
「本当に何個でも食べられちゃいそうだよ!」
「そんなに食べるとまた太るよ、由里」
「べ、別に太ってなんかないもん!」
「私達の目はごまかせないよ〜」
「この間も買い食いしてたの」
「ちょっと里奈!?」
まぁ確かに最近ちょっと体重が増えちゃったけど……
「そうですね、今度またダイエット用の専用メニューを作った方がいいですかね?」
「え〜そんなぁぁ……」
「ふふ、冗談ですよ。もっともっと美味しいものを沢山食べさせてあげます。」
「ほんと!!」
「由里……それでいいのかい?」
私は大切な友達と最高のお昼を過ごした。
◇
放課後、私達はとあるビルに訪れていた。
私達はエレベーターで8階へと上がると社長室の扉をノックする。
「司令、来ましたよ。」
『入ってくれ』
確認をとってから中へと入る。
室内は流石社長室なだけあってふかふかのソファやガラス張りのテーブルなど高価絢爛だ。
そして部屋の奥にある社長の席には黒曜石のような黒髪の美しい美女が座っていた。
相変わらずきれいだなぁ…-
初代魔法少女暴虐のエリザベートこと、鬼龍院刹那さん。現在、25歳で既に国内で注目されている企業、アルテミスの社長だ。
「すまないな、呼びつけてしまって」
「いえ、全然大丈夫です! ね、みんな!」
私の言葉にみんなも首を縦に振る。
「ふっ、そうか、紅茶を入れるからソファに座って待っていてくれ」
司令は席から立つと私達全員に紅茶を淹れてくれた。
美味しい……司令の紅茶は優しく穏やかな味がする。誰かに淹れ方を教えてもらったと言っていたけど誰に教えてもらったんだろ?
「さて、これで話をする準備は整った、では先日の報告を聞かせてくれ。」
「はい」
私達は先日の魔族との戦闘を事細かに報告した。
すると鬼龍院さんは頭を悩ませる。
「また最近魔族の襲撃が増えてきているな」
「そうなんですか?」
「ああ、私達がほとんどの魔族を駆逐したはずなんだがな、最近になってその数を増している。」
確かに言われてみれば最近は魔族の出現が多い。
1年前は1週間に一回あるかないかだったのに最近は1週間に2回は確実襲撃がある。先週は4回も襲撃があった。
今の所は私達で対応できているけど……もし大規模な魔族の信仰があったら……
「とにかく最近は魔族側も力を増してきている。もしかしたら近いうちに七魔帝も動き出すやもしれん。」
「七魔帝……司令、それってボク達で勝てます?」
「……お前達は連携力が強い。お互いを信じ、協力しあえば例え七魔帝だろうと倒せると私は思っているよ」
司令は我が子の成長を喜ぶように私達を見つめる。
「司令……」
「だがもし七魔帝と遭遇しても出来るだけ戦闘を避け私の到着を待つように。」
「「「「「了解しました!」」」」」
「うむ、宜しい。では本日の話は終わりだ。」
「終わったー……」
会議が終わった途端佳奈がぐでりとソファににもたれかかる。
「佳奈、ダメですよ」
「えー、だっていいじゃん最近魔族の襲撃で疲れてるんだよ……先週も休みを潰されたし……」
「そういえばそうだったね」
先週も魔族の襲撃の後始末で結局休みが潰れてしまった。
みんなが心無しか疲れてしるのはそのせいだろう。
「では次の休みでみんなでリフレッシュしに遊園地でも行くか。」
その瞬間司令が想像もしなかった提案をした。
「え? 司令が連れて行ってくれるんですか?」
「ああ、勿論だ。」
「ミューも遊園地行きたいの!」
「いいね、ボクも賛成」
「私も賛成かな、司令の奢りなら」
「ふふ、では私もお言葉に甘えさせていただきます。」
あの厳しい司令が連れて行ってくれるということもありみんなが賛成する。
「リリも行くだろ?」
「はい! もちろん行きます!」
「では決定だ、諸君楽しみにしていたまえ。」
「「「「「は〜い!」」」」」
こうして司令とみんなで遊園地に行くことが決まった。
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