第11話
空気の村の大会から時間が経ち、再び1ヶ月ほど経ってフィロスの連絡でギルドに集う。私たちが来ると、フィロスは地図を広げて言う。
「やれやれ、次は水の都に行くぞ」
「うーん、次は何の大会?」
「大会じゃない。 水の都の遺跡に行くんだ。ここから西にある水の都に行った後、必要な物資などを再整備して、さらに西にある水の神殿跡に行く予定だ」
「え? じゃあ、世紀の彫像を作る目標はどうするんだ?」
「馬鹿なことを言うな。今までお前がやった訓練は何のためだと思ってるんだ?」
「こいつ……都合のいいように言葉を変えて座った……!彫像を無視するな……!」
「いや、エミル君、どれだけ彫刻がやりたかったんだ。 それで、いよいよ本番か?」
ソフィアが尋ねる。
「うん。戦闘がメインになるだろう。準備しとけよ」
「その間、実戦は危険だと避けていたようだが、少し唐突な感じもするわね。もう大丈夫だと思ったのか?」
「まあ、よく聞け、この遺跡は特殊な環境で構成され、それに適応したモンスターがいるから難易度は高いが、むしろその環境を利用して楽に行けるんだ。いくら君たちでも行けると判断したんだ」
カイルが言う。
「ちょっと俺たちの雑魚扱いしてないか?」
気づきましたかカイル君。
「いや、むしろこれだけ鍛錬してきたからこそ、行くべきだと思ったんだ。訓練は今、上級まで達しているんでしょう?」
「そうだ」
私たちはその間、薬を前提とした訓練構成を繰り返した。訓練所初級・中級修了だけでも、一般的にそれぞれ数年単位でかかるもので、教官は私たちを天才だと思っているようでもある。
「じゃあ、君たちの身体はそんなに弱くない。そもそもあの訓練自体が体系的で、ふざけるほど上がれるわけじゃない。 今が適度に冒険を始めるための最低限のスペックという程度だ」
まあ、それなりに頑張りましたよ。 というより、大雑把にやれなかった。フィロスが息を吹き込んだ教官によって絶え間なく定量圧縮訓練課程は毎日欠かさずやっているんですね。 何かの運動を10000回とか。 人間の生活じゃないみたいだし。
そしてちゃんとクォータを終わらせないと美味しい食事が出たんですね。 食べることで誘惑するのは下品だけど。 そして……俺は強くなりモテる!
「そしておそらく高い確率で使える宝物があるだろう。遺跡ですからね」
「うーん……環境を利用して気楽に行くってなんだろう?」
「それはたぶん直接見た方が早いよ。道具や自分の力で強行突破することだ」
「正攻法で行ったらどうなるの?」
「お前ら実戦経験ないし、俺以外全滅だろう。逃げろ」
一人で生き残るのですか。 捨てるシチュエーションではなく、仕方なかったんですね?
「まあ総合的に見て、今の段階で挑戦してみるべきだと判断したんだ」
「うーん……実戦か。 いざとなったらちょっと危険な気もするけどな」
私は情報を整理しながら考えに耽っていた。行っていいのか?
「それとも行かないのか? 人気者目的の鍛錬もそろそろ飽きたと思うんだけど。
「絶対誤解ですが、行きますよ」。
ソフィアが私を睨む。これはいつかソフィアの父親の雰囲気に似てますね。 やっぱり血筋なんですね?
「まあ、そろそろ飽きたのも事実だし、どこかで遊びたかったし、俺も行くことに賛成だよ!」
カイルが言いました。元々裏山探検バカで、こういうのが好きなんですね。 続いてソフィアも答えます。
「まあ、いいですよね。 じゃあ、いつ出発するの? スケジュールはどのくらい?」
「すぐに荷物をまとめて出発する。ちなみにここから各町間の移動に距離的には徒歩で7日ほどかかる。私たちは馬車に乗ることで2日だ」
「馬車って嬉しいですね。 最初7日って言った時はちょっと引いたものでね」
「それはよかった、じゃあさっそく荷物をまとめて出発しよう。正午までに西門の前に集まれ」
◆
「この馬車、なかなかいいんじゃない?」
馬車内でソフィアが言う。町内だけで数台が徐行するのを見ただけの私の目だが、この馬車の馬は良い馬だ。毛並みも綺麗で、筋肉もしっかりしている。 しかもスピードも速いようで、揺れもほとんどない。カイルが言う。
「馬車っていいな。これで歩いて数泊することを考えただけで元気が出るよ」
「うむ。今、そんなところで気を抜いちゃいかんだろうな」
フィロスが答えた。カイルがフィロスにやや低い声で尋ねる。
「ところでフィルって……どんだけ金持ちなんだよ、俺たちと同じような時期に来たんだろう?」
「高価な依頼をたくさん解決しただけだ。お前らが鍛錬に励む時間を、俺は依頼をしただけだ」
「まあそうなるだろうけど……それにしても、訓練所の訓練とか全く受けてないのか? それでも大丈夫だったのか?」
「子供の頃から戦闘訓練してたし、元々強かったから、必要なかった」
「……なんていうクソ自信満々。だからどんだけ強いんだ?」
「どうせこれから一緒に戦うんだろうから、見てみろ。 それより、そろそろダンジョン攻略の話をしよう」
彼が丸めた何かを取り出し、広げる。何かの地図ですね。
「これから行くことになる遺跡の地図だが、内部情報はほとんどなく、外見だけを参考にしてくれ。神殿は地下道もあるようで、水没した部分も多数あるようだ。入り口は正面に1つだけ。確認されたモンスターはリザードマンというもので、トカゲのような形をしていて、水中で自由に泳げるので強いという。また、トカゲのようなものなので熱に弱い。戦闘力はC~Dの間に多く分布しているので気をつけろ」
「私たちCどころかDもやったことないんよね?」
「大丈夫だよ。沖に長く出ていると乾燥してそれなりに遅くなることで、なんとか弱体化した状態を誘導してから戦うだろう。この機会にC付近にも挑戦してみればいいだろう。ダメそうなら俺が救ってやるよ」
「それはありがとうございます」
「他の対策もいくつか考えておいたが、君たちは基本的にこの点だけを意識して戦ってくれ。たぶん、適切な状況に私が対処できるだろう。死にそうになったら、安心して逃げろ」
「危険なのか安全なのか、前後が噛み合ってないので、気を緩めるべきか緩めないか迷いますね?」
「私も既知のものだと推測しただけで、未開拓地だからやっぱりよく分からんな」
ソフィアが尋ねた。
「他の冒険者がここに来たことはないの?」
「ここの人たちは、危険を冒すようなことはあまりやろうとしない傾向があるんだ。行った人が全くいないわけじゃないみたいだけど、戻ったという話を聞いてないのもあるわね」
やっぱりそれは危険なんですね?
◆
二日後、水の都に着いた。
「わぁ〜」。
ソフィアが感嘆した。カイルと私も景色に見とれて眺めている。水の都は、洗練された曲線と尖った尖塔の建物が数多く立ち並び、古風な雰囲気を持つ街だった。
街には噴水がたくさんあり、道路の端には溝も整備されており、水の都という名にふさわしい街でした。周りを歩く人々も都会的な服を着ていて、普通に豊かですね?
フィロスが私たちを呼び寄せて言う。
「ちょっとここの地図を見てくれ。地図上、街の東の入口のここが私たちがいる位置で、街の中央に大きな噴水と神殿があるはずだ。そこから少し西に離れたここが私たちが泊まる宿だ。
日暮れまで個人的な整備をしたり、観光をして戻ってきてくれ。 もし道に迷ったら、中央の噴水まで来ていれば探してあげる。
馬車の荷物は宿に持っていくから、今、もし持ち運びが必要なものがあれば、あらかじめ用意しておけ」
「うん!」
カイルは答えると、近くの屋台に駆け寄る。これは完全に子供だ。
「エミール! あっちに行こう! 何かのパフォーマンスをしているようだ!」
こちらもケアが必要ですか。
「わかった、フィルはどうする?」
「荷物を運んだ後、私も広場であれこれ探索の準備をするよ」
ソフィアが尋ねる。
「探検の準備って大変じゃないの? 一緒にやる?一人だと大変でしょう?」
「大勢でワイワイやるようなものでもないし、一人でも十分できるくらいの軽いことだよ。君たち、何をすればいいのかよくわからないだろう。むしろ一緒にいると邪魔になる」
内容的にはツンツン言ってますが、これは明らかにツンデレが混じってますね。
「じゃあ、終わったら広場に来るの? 一緒に遊ぶから」
「そうだね。俺はもう出発する。そして、とりあえず個人的なメンテナンスも忘れてはいけないぞ? 自然と遊びの話しかしていないし!」
「「はい!パパ!」」
パパは、ツンツンしながら去っていく。
いつも思うんだけど、あいつ、年齢に似合わず面倒見が良すぎるんだな。 やっぱり思う存分甘えてやらないと。
「行こうエミール! カイルがもうあそこまで行っちゃったよ。逃がしてしまうわよ!」
彼女が私の腕を引っ張って言う。仕方ないな、ここも保護者が一緒に付き合ってくれないと。
◆
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