第6話
6ヶ月後、フィロスの呼びかけで集まることになった。
「やあ、久しぶりだな。 さあ、私たちは地の村に行くぞ」
「ああ、久しぶりだ」
「ああ、久しぶりだ」
「時差も置くなよ。相変わらず気持ち悪い」
地の村は私たちがいる草原の村から南にある村で、草原の村を中心に東に火の村、南に土の村、西に水の村、北に空気の村がある。
「おお!いよいよ本番か!」
カイルが興奮しているようだ。簡単な退治依頼は経験として最初の頃に1、2回やったことがあるが、その後は基礎訓練ばかりを繰り返していたため、他の村まで行って本格的に依頼を遂行するのは嬉しいだろう。
「よし! 誰と戦うんだ?」
「戦わないよ。 まだおまえらの実力では実戦は不安だ。そこで陶芸大会を開催するんだ。 我々も参加するよ」
「...どうして?」
「私たちの世紀の彫像を作らないといけないんだ。 その訓練の一環なんだ」
「いや、それスルーしてたのは? いつから目標が変わったんですか? しかも彫像から陶器に変わってるし?」
「ああ、結局、芸術作品は本質的に似ている。達人になれば全部通じるんだよ」
「達人になるつもりですか? それって大会期間長くても数週間くらいでは無理ですよね?」
「いや、10日後までだ。そんなに長くはできないだろう」
そうでしたか。
「まあ、君たちも訓練ばかりで退屈だろうし、息抜きの意味では大丈夫だろう。別に時間をかける理由もないんだから、明日出発しようぜ」
「私たち、まだ行くとは言ってないけど?」
「それで、行かないのか?」
「私は... うーん...」
突然の話だが、別に悪い話ではないようだった。フィロスの言葉通り、毎日繰り返される訓練に飽きてきていたところだったし、ちょっと変わった経験をしてみるのも悪くないようだ。
「俺は行くよ!戦うことじゃないけど、今の日常に飽き飽きしてたし」
「私も、久しぶりの遊びに行くので、ちょっとわくわくしちゃいますね。 早くピクニックの準備しなきゃ!」
カイルとソフィアが答える。 まあ、こうなったら俺も行くか。
「わかった、じゃあ行くよ」
「よし、明日出発だ。二日くらい歩かなければならない」
◆
約2日間の旅を経て、私たちは地の村に到着した。
「おお!やっと別の村か!」
カイルが歓声を上げる。大地の村は岩場に位置しているため、彫像や石の道具が人気で、良い鉱物も多く採れるため、鍛冶の技術もかなり発達しているそうだ。
石と土を削って作った構造物や建物があり、一風変わった印象を与える。
村の中心部にイベント会場のような場所があり、フィロスがそこへ先導する。
「こんにちは!新人陶芸家発掘大会です!」
「四人、参加申し込みだ」
「はい、既存の業者や優勝者の方は参加できませんのでご注意ください。 こちらに情報を記入していただき、一週間後までに指定された材料で陶磁器を作ってきてください。材料や制作場所は会場で用意するもので、別に材料を用意する必要はありませんが、会場の材料はすでに上級者向けなので、他の材料を持ってきていただいてもダメになる可能性が高いです。 結局、技術が評価の主眼になりますので、参考にしてください」
私たちは全員参加申し込みを済ませ、後ろに下がります。
「今日はもうすぐ日が暮れそうだし、荷物を解きましょう。明日まで自由に遊んでくれ。ただし、あまり遠くまで行かないで、なるべく二人以上で一緒に行きなさい」
あなたは保護者ですか?
「ついでに世界一の陶芸家になる方法も一緒に学べ。明日から本番だ。目標は優勝だ」
「優勝って簡単に言いますね? そんなのどこで学べるんですか?」
「どこかの陶器屋で足でも舐めてみろよ。俺もよくわからない」
陶磁器のことは忘れましょうね。 はい。
私たちは宿に荷物を解き、おしゃべりしながら寝る。
◆
「エミール! こっちを見て! この装飾がすごいよ!」
ソフィアがわくわくして向こうに駆け寄り、私を呼びます。なぜこうなったかというと...。
(エミール、今日は暇なの?)
(え? たぶん、今日は特にやることないよね?)
(じゃあ、買い物に付き合ってください! 荷物持たせるから!)
...ということで一緒に来たという話だ。いや、ここで私の自由意志はなかったんですね。
ソフィアに追いつく。さっそく見ていたものを降ろして別の店に行く。
...飾りを一緒に見ようって言ってなかったっけ?
ソフィアはすでに別の店に目を奪われていた。 またそちらに行く。
「うーん、これも可愛いし、こっちの青も良さそうだし...。エミルはどっちがいい?」
「えー、どっちもそこそこいいみたい。適当に選べよ」
「なんだ、本当に似合わないね。 もう少し付き合ってくれよ。
何をしろというのか。俺はすでに買い物に一方的に付き合ってあげてるのに...
「うーん。私はそっちの丸いのが好きなんだ」
「そうですか?わかりました!じゃあこれを履いてみますね!」
ソフィアが試着して鏡を見て、気に入ったかどうか一人であれこれ見て回る。
「いいの? じゃあ、それを買うの?」
「いいえ。いいわよ、お金もったいないし、どうせちょっと着てみるだけでしょ?」
じゃあ、いったいなぜここで時間を過ごしたのか。 いや、お金もないんですけどね...。私たちはフィロスさんからお小遣いをもらっているので、計画的な生活をしている。
ソフィアは商品を陳列棚に置いた後、再び別の店に向かう。まだ続けますか?
◆
ソフィアがあちこちを撃ちまくる速度が少し鈍くなったのは、夕方近くになってからでした。やっと終わりが見えてきましたね?
ああ、まだ立ち寄る気力が残っているのか、陶磁器屋に入る。
「すみません!誰かいませんか?」
陶器屋さん...。いや、ただ陶器がたくさんあっただけで、お店なのかどうかわからない。いったんその陶磁器屋に入ると、誰もいないし、照明も薄暗い。
陶磁器は手のひらサイズの小さなものから人体サイズのものまで、様々なアイテムが陳列されており、その数も多く、部屋いっぱいに並んでいる。
机の上に並べられている陶磁器を見る。表面に艶があり、均質である。形も左右対称で歪みがなく、一目で良品であることがわかるほど品質が良い。
私は後ずさりし、誤って足元の陶磁器に触れてしまう。やれやれ、幸い踏まずに済んだ。これは照明も暗いから気をつけないといけないな。 フィアに言う。
「フィア、暗いから物を傷つけないように気をつけてね」
パリーン!
「......」
言葉が終わるのが怖いくらい音が鳴る。ああ、見ていなくても陶器が割れたことがわかるほどきれいな音だ。その時、照明が明るくなり、誰かの声が聞こえる。
「え? 何の音? 誰が来た?」
視界にフィアが見える。足元に割れた陶器の破片が見える。あれ、大きさも大きかったようだし、色も青色だ。何か高そうだ。フィアがどうしようもない顔をしている。
「う...ごめんなさい!弁償します!」
「え?」
店主らしきおじさんが近づいてきて、フィアと私、そしてフィアちゃんの足元の割れた陶器の破片を見て状況を理解したようだ。
「なんだこれ、これを壊したらどうするんだ!?」
「ごめんなさい! ごめんなさい!」
私とフィアが謝る。
「これ、弁償しますよ、いくらですか?」
「これは販売品じゃない。 今回の陶芸コンテストの出品作品なんだよ!もらった材料ももう使い果たしたし、作り直すこともできない!これをどうするんだ!」
何か困ったようだ。フィロスに頼んで弁償で終わらせようと思っていたのが難しくなってきたようだ。
「え、あの...。あ!私、陶芸大会に参加するんですよ? もしかして、その材料あげたらどうですか?」
「おいおい!これはうちの息子の出品作だ!もう忙しいから来れないんだよ!今更一週間で作り直すのは無理だ!」
「その...そうですか」
あ、じゃあどうする?
「お前らが優勝トロフィーを取ってこい。俺はそのために参加したんだ。 お前らが優勝して持ってくるなら問題ない」
これはまた無理がある...
「あの...私たち、陶芸とかやったことないから? たぶん難しいんじゃないですか?」
「じゃあ今やれよ! この状況をどうするんだ!」
実は僕もよくわからないんですけど...
「えっと、仮にやったとしても、優勝は断言できないんですよ?さっき言ったように私たち初心者だし、とりあえず努力はします」
「長文だな、作り方は教えてやるよ。文句言わずに優勝してこいよ」
そうですか、やっぱりそうするしかないんですね。
「ごめんなさい!私、頑張りますから!」
フィアが答える。あ、これまた一人にさせるわけにはいきませんよね。
「私も一緒にやります。 一応一行なので、一人では置けませんしね」
「どっちでもいいから、さあ、早く材料を持ってきて。時間も短いし、早く始めよう!」
ああ、なんだか大変そうだ。軽くピクニック気分で来たのに、もうダメですね?
◆
「手が遅い!もっと早く動け!」
「はい!」
翌日から私とフィアはおじさんと一緒に陶芸を作り始めた。全くの初心者である私たちは、おじさんの言うとおりに行動しようとする。フィロスには事情は話しておいたが、好きなようにやれということらしい。好きではありませんが...
幸いなことに、普段の体力づくりで疲れることなく動けるので、その点はおじさんの気に入ったようだ。
「よし、中心を取るのは悪くない。でも、それ以外はダメだ! 壊して作り直す!」
終わりが見えませんね。 これ熟練って数日で本当にできるんのかなぁ?
◆
「エミル君! 食事持ってきたよ! 食べてね?」
「うん、ありがとう」
二日目からは食事の時間も節約するため、作業場の近くで食事をすることになり、フィアが料理を担当することになりました。あ、食材代はフィロス君が出してくれるんですね。
「おお、いよいよフィアちゃんの料理か!今日も楽しみだな!」
おじさんもついでにフィアの料理を味わうことになりました。この人はもうすっかりフィアの料理に慣れ、今では時間になると食事の準備までしているのだが...結局私だけが一番長く働いている? いや、フィアの料理も大変なのは分かっているけど、何かそろそろ作業場から離れたい...
「さあ、エミル君は俺が食べさせてあげるから、手を離さないで頑張ってね?」
今、そんな過剰な優しさは必要ないんですけどね。
◆
「うーん、これなら大丈夫! まだ表面処理に手を加えるところはあるけど、悪くないよ!」
「おおおおおお!」
やっとオヤジの口からもっともらしい声が出た! よし!
「よし、割ってやり直せ! もうあと少しだ!あと数十回やればいいんだよ!」
良くなかったですね。
◆
結局、何十回か重ねました。
「うーん、まあ悪くない。 これくらいなら商品として売れるかもしれない」
「それは褒め言葉ですか?」
いや、僕なりに頑張ったつもりなんですけど...評価良いのか悪いのか分かりませんね。
「まあいいや、どうせ今日は提出しないといけないし。ここでもっとうまくやるにはもっと時間が必要なんだ。 基本は忠実だからとりあえずこれで行ってみる」
「あ、それは良かったですね。 良いのか悪いのかはまだわからないけど」
「エミル君、お疲れ様でした」
フィアが私にタオルを持ってきてくれる。フィアも同じ期間作業をしたのだが、料理や私の周りの整理など、時間を使ったことが多く、私ほど時間をかけられなかった。
制作はしたものの、目利きのない私が見ても、私の作品の方が優れているのだ。しかし、その間に感じたのは、このおじさんの腕は一流のようで、急造とはいえ、弟子たちの出来栄えが悪いわけがないのか、フィアの陶器もかなりのものであることは間違いない。
「よし、さあ結果を見に行こう。 これまでの成果を確認する時間だ。さあ動け!」
フィアと私の陶器を持って、勢いよく歩いていくおじさんをフィアと私が追いかける。
◆
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます