第4話

仮称2階建ての村は豊かそうだ。地上にあった村とほぼ同じだな。 入り口に警備員がいるけど...これはどうやって入るの?

カイルがいきなり話しかけてくる。


「こんにちは! 入りますよ〜」


「*&^&*%*、うん」


最初の一瞬、彼が変な声を出した。何て言ったんだろう?


「ごめんなさい、もう一度言ってもらえますか? 聞き取れなかったようで。村に入っても入っていいんですか?」


「おう、入りなさい、入りなさい。モンスターを止めるだけで、別に君たちを止めるためじゃないから」


かっこいい。仕事してるんですね? まあ私たちは子供たちだけだし、たぶん平和な場所なんだろうな。


村に入ったところで、今度は現実的な問題が発生する。私、お金ないんですよね?


「ひょっとして聞いてみるけど、お金持ってきた人いる?」


やはり答えはない。 それよりも、ここでお金なんて通用するのか?

とりあえず今日は路上で寝るのか、それとも草原でキャンプするのか、いやだけど...。


「まずはここの情報とお金を稼ぐ場所を探さないといけないな。 どうしたらいいと思う?」


「うちの町の外に旅行したことある人いないですよね? 隣のおじさんなんていないでしょうし」


「ああ。ちょっと待ってくれる?」


カイルが警備員に尋ねます。


「おじさん、僕らここが初めてなんだけど、何か稼げるところはないかな?あと、情報収集の場所を教えてほしいんだけど」


「うーん、じゃあ、村の中央にある冒険者ギルドに行ってみたらどうだ。 依頼を受注して報酬を得ることができるよ。それと、情報と言えば、ちょっと漠然としているけど...図書館があるよ。 村の中心から少し北に入ったところにあるから、中央の大きな建物を探してみてね」


「ありがとう! また今度ね!」


カイルの話を聞きながら、私たちは町へ向かう。


冒険者ギルドという概念は初めて聞くね、行ってみようか。


冒険者ギルドを訪れた我々が冒険者ギルドを整理してみると、依頼の仲介所のようだ。私たちが住んでいた村では、必要なものがあれば、その技術者や商人に依頼していましたが、村が大きくなったら、一箇所で専任する方が確かに楽そうですね。 私たちは初めての訪問者なので、登録が必要で、依頼を達成することでより良い依頼を受けることができる。よく練られたシステムだ。


そして図書館か。


うーん。本が多いですね。 ここで使えそうな情報を探すのでしょうか。 今はそれはちょっと無理そうだし、とりあえず依頼をしに行こうかな。


「うん?」


中央の読書台に見覚えのある顔がある。

確かに、あの独特のポーカーフェイスと達観したような雰囲気は...

フィアとカイルも私の視線を追って気づいたようだ。


「あれ、フィル君じゃないの? フィル君!」


フィアちゃん。図書館で大きな声を出してはいけません。

フィロスに似た人がこちらを意識したようだ。と思うんだけど、こっちを見てないのかな。無視か。 そっちに近づき、私が声をかけてみる。


「こんにちは。あの、失礼ですが、もしかして私たちどこかで見かけませんでしたか?」


「知り合いなのにバカなこと言うなよ。 あと、図書館で怒鳴らないでくれ」


「あれは私じゃないので、きっと女の人の声だったんすよ? あそこにフィアちゃん見えますね?」


「今、集中している。うるさいし」


「これって、私が嫌いなんですね、泣いていいんですか?」


彼が本を閉じて立ち上がり、言う。


「とりあえず外に出て話をしよう」


彼が先に図書館の外に出る。私たちも後を追った。



図書館の横の路地で彼が私たちを振り返る。カイルが飛び出してきて挨拶する。


「ああ。ここで会えて嬉しいな!」


「うん、俺もちょっと意外だな、3人で来たのか?」


「そうだ、フィルは一人か?」


「僕は一人だ」


「そうか」


「こんにちは、フィル君!」


「...うん、こんにちは」


「私以外に普通に話すんですね? 私に対する態度が厳しいのは私の勘違いじゃないんですね? いつ来たんですか?」


「君たちはいつ来た?」


「私たちは今日昼間に着いたばかりだね。 たぶん数時間くらいだと思うよ」


「遅いな。 まあ君たちより先に着いたみたいだし、たぶん数日くらいは早く来たな」


「で、お前はいつ来たんだ、どうやって来たんだ?」


塔の認定? 石像の部屋のことか。


「石像の部屋で謎を解き、石像と戦った」


「石像と戦った? 詳しく説明してくれ」


私はフィロスに塔での経緯を説明した。フィロスがコチコチと詮索して、かなり時間がかかった。

...この雰囲気だと、何か問題があるのか?


「もしかして何か問題でも?」


「静かにしてくれ。考え中だ」


「わかりました」


何だろう、何を間違えたんだろう。 もしかして...後でお掃除屋さんに弁償しないといけないとか?


やがて彼が沈黙を破って口を開いた。


「とりあえずわかった。気になるようなことは先に言っておくから、最後まで聞いてくれ。 ここは塔の2階で、おそらくここから抜け出すには、1階でやったように【塔の認定】を受ければいい。この階で認められるには、おそらくここで一番強い奴を倒せばいいだろう」


「仮定が多すぎますが...この塔って、一体何なんですか?


「私の推測では、何かしらのチャレンジ課題を与えられ、それをクリアすると次に進むという仕組みだ」


「本当に? 憶測にしては断言しすぎですね、何か他に知ってることあるんですか?」


「いや、俺も塔の詳しいことは本当に知らないんだ。 君たちと同じように1階から登っただけだし」


何だか適当な気もするが、まあ、それなら詳しく知るわけでもないだろう。 この調子だと、知っていても答えてくれないんだな。 それなら、とりあえずこいつを信じるしかないようだ。


「で、今は何してたの?」


「あちこちで君たちより先に調べていたんだ。 さっき図書館にいたのも調査の一環だ。詳しいことは言わない」


「いや、その辺が本当に気になるのですが...」


「じゃあ、まずは図書館を覗いてみろ。ここにあるものを全部読んで、気になることがあれば答えてあげるから」


まあ、そんな感じですね。 でも面倒くさがらずにかなり詳しく説明してくれたと思いますよ。 これだけで満足です」


「ここで一番強い奴ってのは?」


「たぶんドラゴンとか巨人とか、その辺の適当なやつを捕まえればいい。とにかく適度にすごければ塔が認めてくれるはず」


「その辺、適当すぎませんか? 信じていいんですか?」


「ああ、それとも世紀の彫像を削るとか、世界征服とかでもいいよ。 基準なんて俺にはわからないから。 自信があるならやってみろよ。俺は今、誰を倒してやろうかと調査していた」


「そう聞くと、頭を空っぽにして叩くのが一番いいようだな。 じゃあ、私たちもフィロスと一緒に行くよ。 じゃあ、これからどうする?俺達も一緒に調査を手伝うか?」


「いや、人が多いからといって効率が上がるわけではないのだから、お前らはとりあえず依頼をするか、訓練をしろ。まずはお金もないだろう?」


そうですね。


「ここで数日分の宿泊費は出すから、それで適当に場所を確保しておけ。私のオススメは南東地区の**や**や**、**.... もあるから、このどちらかでやればいいだろう。依頼は採集依頼を先に受けて、数日慣れたら討伐系に切り替えていこう。モンスターと戦う前にまずは君たちが強くなることで、採集依頼で稼いだお金で君とカイルは...を .... とフィアは...これくらいでいいだろう? 私に会いたいなら、冒険者ギルドで私の名前を出して時間の約束をしてくれ。同じように、俺が面会を申し出ることもできるから、週に一度は冒険者ギルドに寄ってくれ。 しばらくはそうやってここの生活に慣れてくれ。2週間後にまた会おう」


「...ありがとうございます」


なんて言う優しさですね。 やっぱり見てくれる時はちゃんと見てくれるんですね。 でも、内容が多すぎて全部覚えられないと思いますが、まあ私たちは3人いるし。

一行に向かって振り返る。


「みんな覚えたでしょ? しばらくは忙しそうだね」


「え? 話は済んだか?」


カイル君。


「残念、内容が多すぎて......とにかくエミールがよくやってくれるんだな?」


フィアちゃんの信頼に胸が熱くなる。でも、私を気楽に扱ってくれないんですか? でも、私がちょっと偉そうにしてるのは全部計算してるんですね?


「ここにまとめておいたから、参考にしてくれ」


フィルがメモを渡す。

感動した。今更ながら彼の存在が身にしみる。知ってはいたけど、こいつは有能な奴ですよ。 一緒にいると心強いし。 1階から一緒にいて欲しかった。


「どうせ一発で覚えてくれるとは思ってなかったし」


「追伸、余計なお世話です。 今聞きたくなかったんです。 でも、私が哀れな間は気にかけてくれるんですね。 その事実に安堵している私が、本当にくだらないんです」


フィアが口を開いた。


「待って、じゃあ私たちはそれまで家に帰れないの? それってどれくらいかかるの?」


「最低でも数年単位だと思う」


「もしかして他の方法はないの? やっぱりそれくらいだと親が心配しちゃうわよ」


ソフィアがやや泣きそうな声で話すと、今まで断固としていたフィロスが少し悩んで、躊躇しながら答える。


「たぶん、ここで認められるまで、当分は戻る方法はないだろう。 とりあえず、他の方法がないか一緒に調べておくよ。あまり期待するなよ。まずはできるだけ早く戻る方向で調べてみる。何かわかったら報告する」


「ありがとう、フィル君! やっぱり頼もしいな?」


「兼業だ。たいしたことじゃない、じゃあ俺は帰る。しっかりしなさい」


「うん。じゃあね」


彼が再び図書館に戻る... あれ、あそこは図書館の方じゃないみたいだけど?


カイルが私にだけ聞こえるように小さく言う。


「あいつ、恥ずかしがってるんだな、耳が赤いし」


カイル君、そんなことは黙っていてもらいましょう。 慌てたのか。


その後、私たちはフィロスの「攻略本」と書かれたメモ通りに宿を決め、荷物を解き、洗濯をしてから集まった。文化生活いいですね。


カイルが先に言う。


「いろいろあったんだね。 でも、今の状況と方針が決まってよかったよ」


「うん。まあ、2階でも、ちょっと行き詰まりそうだったけど、あいつがいてよかった」


「同感です! やっぱりフィル君は頼もしいですね」


「頼もしさを通り越して謎のレベルだけど。 一人で私たちより早く登ってきて、調査までして座っている。しかも、何かもっと知ってるような気がするし...」


そりゃあ、やっぱり頼もしいですね?


「まあ、でもフィロスだからね。 俺たちに悪いことはしないよ。分かってるんだな?」


「それは分かってるけど...」


「もしかして...家に帰れないのかな?フィロス君、適当なこと言ってないよね?」


ソフィアが心配そうに尋ねる。 無駄に心配させたのだろうか。


「いや、話をまとめると、1階と同じように目立つ行動をすればいいわけだから、たぶんここでもそのような試みをした方がいいのは間違いないと思う。実際、他に何をすればいいのかわからないし」


確かに、他の情報もないので、とりあえずそういうことをやってみるしかない。


「地上の両親は皆、俺たちが塔に行ったことは知っているし、長期間家を空けることはあちこちで話しているから、当分は大丈夫だろう」


実は僕も数日程度だと思っていたので、食料も2週間分しか持っていなかったのですが...後で説明するときは、内部でどうやって自給自足したのかという設定で行きましょうか。


「今すぐの方法もないのも事実だし、そんなこと考えてもしょうがないだろう。 とりあえずフィロスの言う通り、この場所での生活に集中しよう」


「うーん...そうですね、明日から頑張りましょう」


いろいろと解決してないことが多いが、今すぐにはどうしようもないな。


当面はメモ通りにやるべきことをコツコツやることにしましょうか。 というか、書いてあることが多すぎ!


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