第8話 リアル side K
送信してしもた。かわいかった、なんて、どない思うやろ。こんなんしとったから、とかなんとか、言い訳ばかりが頭をよぎる。…既読になっとるやんけ!引いとるやろか…怖くて返事が読めへん、ってか、返事が来おへん!まさか嫌われた?!ウソやろ………ヘコみにヘコんで20分、通知音にハッと顔をあげる。!!俺の夢見た?カッコよかった!!ヤバい、嬉しい、ホンマ夢ちゃうやろな!
ありがとう
嬉しいわ
速攻で送ったLINEには、いつまで待っても既読がつかんかった。
休み時間に池田の姿を探す。今日はゼミがないから探さな会えへん。広い構内、学食もいくつかあるから空振りばかり。ようやく4つめの学食でカズを見つけた。
「おう、カズやんか。…1人か?」「あぁ、こんちは。今日タカ休みなんです。風邪でも引いたかな」「…そか。見舞い行かんでええん?」「俺、今日、久々のデートなんすよ。…もし木戸くんがよければ行ってやってください。大学から近いんで。タカ1人暮らしだからちょっと心配なんです」「…俺なんか行ったら困らへんかな…」「きっと喜びます!あとで住所送りますね」
急展開や。頭がついてこおへん。池田の部屋……、あかん、心臓バクバクしとるわ。講義なんか耳を素通りや。それにしても、カズには相手がおったんかー。ホンマよかった。送られてきた住所を眺めながらなんとか午後をやり過ごした。
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