第7話 リアル side I

目が覚めたら泣いてた。夢であんなに泣いたんだもん、しょうがないよね。…でもホントに嬉しかった。木戸くんが「俺のものになって」って言ってくれていっぱいキスしてくれて…夢だからって勇気出して俺からもキスして。ヤバイ。顔が熱い。


でも間違えちゃいけない。あれは俺の夢。俺の願望だ。木戸くんがあんなこと思ってくれるわけないよ。勘違いしちゃいけない。いい夢だったな、それだけだよ。


そんな俺の心を揺さぶるようなLINEの通知音。

  おはようさん

  昨夜、池田の夢見たで

  かわいかったわ

…なにこれ。俺もしかしてまだ夢みてんの?………既読にしちゃったじゃん。返事、返事しなきゃ。どうしよ。嬉しいってこと、伝えていいのかな。

  おはようございます

  俺も木戸くんの夢見ました

  カッコよかったです

これを送信しちゃったらどう思われるんだろう。怖い。震える指をスマホに押し付けた。

もう講義なんか受けられる気がしない。「今日は休む」とカズに連絡してベッドに潜り込んだ。



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