第6話 夢 sideK

「大好き」もう辛抱できひんかった。1度その唇に触れてしまったら離れられなくなってもうて何度もキスを求める。池田は嫌がるどころかおとなしく受け入れて蕩けた瞳。「…木戸くん…嬉しい」たまらん。口を開けさせて舌をむさぼる。合間から感じ入った声が漏れる。離したない!夢で終わりなんて無理や。伝えなあかん。ちゃんとリアルで池田を抱きしめたい。


「池田…俺のものになってくれへん…?」池田の体がこわばったのを感じる。嫌なんか…?呆然としていると唇に柔らかな感触。「…俺でいいの…?」「お前じゃなきゃあかんねん。ちゃんと伝えるから待っとって」夢の池田を通じてリアルの池田に伝わるよう、祈るように願った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る