第3話 警察が仕事をしているという演出

  毎日のように、事件・犯罪がニュースとなって流れ、「警察が事件のいきさつを調査」「警察が詳しい事情を調べている」という簡単な解説ばかりで、肝心の調査結果や詳しいいきさつ・動機や犯罪の手順といったことは、一度として懇切丁寧に報告・解説されたことはない。


  台湾では、事故や事件が発生した地域を管轄する警察署は必ず記者会見を開き、最高責任者である警察署長が各事故・事件について国民に報告し、マスコミからの質問に応じる。

  一方、日本で日々流される事件や犯罪・事故の報道とは「警察が云々」という文言を強調する、いわば警察の宣伝でしかない。日本の警察署長はアイドル(一日警察署長)とオープンカーで大名行列をするだけ。


  過去10数年間、何千・何万件もの「オレオレ詐欺」という犯行が行われたのであれば、この犯行の全容を解明することくらい、馬でもできるはず。

  どんなに控えめに言っても、そこに共通する手口・プロセスを本にするくらいできるだろう。そして全国民に配れば、特にヒマな老人は毎日それを読んで警戒するだろう。

  運転免許試験場で誰も読まない交通法規の冊子を、毎年何十万冊も配るくらいなら、お年寄りが読める大きな文字で印刷された「オレオレ詐欺犯罪読本・犯罪事例集」でも配布した方がよほど世のため・人のためになる。


ところが、国民が本当に人や社会に懐疑的になり、なんでも自分の頭で考える習性をつけられては、犯罪を飯の種にする警察の存在感が薄まってしまう。世の中は犯罪・事件・事故という危険で一杯だから警察に頼るべし、という風潮にしたくて仕方がない警察は、国民を痴呆状態にしておきたい。

詐欺に遭う痴呆国民が多いのは宜なるかな、なのです。

  毎日の「警察の調べでは」「捜査関係者への取材」という文言が挿入されたラジオやテレビのニュースとは、警察が仕事をしているというサブリミナル効果(印象操作)を狙った宣伝・広告でしかないのです。

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