手紙 #01②
「今日は赤さんから、なにを言われちゃったの?」
美海さんが優しく目を細めながら聞いてくれた。
私は早朝に起きた赤のストーカー行為を事細かに話し始める。
その出来事を美海さんはゆっくりと頷きながら相槌を打ってくれる。その些細な動きがとても柔らかく、私の心を和ませ伝え終える頃にはストレスが綺麗に浄化されていた。
「朝から大変だったのね」
「ほんとうに疲れました。……美海さん師匠変えません?」
「ふふ、それにかんしては拒否します」
さらっと本音を交えての交渉だったが、やっぱり師匠のトレードは実らず、私は残念と言いながら話をつづける。
「マーチさん。魔術師なのに一般的な常識持ち合わせているからうらやましいです」
「ふふ、そう言う事なら赤さんの弟子ならではの、うらやましいところありますよ」
「どこが?」
私は美海さんの言葉に本気で驚いた。
赤から受け取れるものは魔術だけとしか思っていなかった私にとって、興味深いと思い前のめりになる。
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