手紙 #01③

「赤さんの保護下なら、頻繁に魔術師や従属者が近寄って来ないじゃないですか」

「魔術師や従属者?なんですかそれ?普通に過ごしていれば魔術師や従属者なんて会う機会なんて無いですよね?」


 私の返答に美海さんは一瞬戸惑ったが何かに気付いたように言う。


「……もしかして、1度も魔術師や従属者が現れたことがないのですか?」

「?」

「あのですね。魔法の特性上によって絡まれる差は生じますが、魔術師の弟子は少なかれ絡まれるとマーチ先生から聞いていたので驚きました」

「普通は絡まれるんですか!」

「ええ」

「そ、それなら赤とマーチさん魔力的には同じくらいだって話しなのに、そのマーチさんの保護下に入っている美海さんが絡まれるなんて、どうしてですか?」

「たしかに魔力は同じと聞きますね。ですが、マーチ先生と私は魔法特性が迎撃カウンターですから、名を上げたい魔術師や従属者が速攻ファーストブレイクならと思っているようでくるのですよ」

「あきれた……奇襲なんてカウンター側からすれば対策済みなのに」


 考えなくても至極当然に速攻魔法を得意とすれば不意を打つのは理にはかなってはいるけれど、後手を生業しカウンターを得意としている魔術師に対して無謀すぎる。それにカウンター魔法の名手であるマーチの弟子になんて恐れ知らずというところだろう。


「日頃から魔術を打ち破られるのも最初から想定済みなので、痛くもなんですが、その数が数なので空蘭さんがうらやましい」

「そんなに溜息を吐くくらい来るんですか?」

「数、聞きたいですか?」


 美海さんの怖い笑みと言えばいいのか裏が有るような微笑みを私は一歩引き話を変える。

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