手紙 #01①
今朝、赤のサプライズに振り回され、電車を一本乗り遅れたが、普段から早めに出る習慣のある私は遅刻せずに、学校に着き午前中の授業が終わり昼休みに入ったタイミングで、魔術師の子弟仲間からメッセージを受信している事に気づいた。
「ご飯を一緒にしませんか」と声を掛けられ私は変身を返し食堂へと向かった。
私が通っている学校の食堂は600席ある中々の大きさを誇っている。
待ち合わせる時は、あらかじめ場所を指定したりしないと探すのに困ってしまうのだろうが、私が探している人は700人だろうが1000人だとしても見つけるのはそう難しくない特徴的な髪の色と容姿をしている。
ブロンドの髪ならまだしも、ホワイトシルバーの腰まである長い髪の西洋の血を強く引いた彫刻のように顔が整った左耳にピアスをした美少女の特徴をどう間違えれば見つけられないと言えるだろうか。
周囲から浮いてしまっている存在に周囲を見渡すまでもなく、すぐに見つけ私は自身の弁当を持ちながら近づくと、相手もすぐに気づき声をかけてくれた。
「こんにちは、空蘭さん。急にお誘いしてごめんなさい」
「いいえ、赤に対して不満をぶつけたかったのでナイスタイミングです」
「あらら、私にとってはバッドタイミング」
師匠に魔術師アン・ オブ ・マーチを持つ年齢が1つ上の魔術師見習い。
マーチさんと赤は昔から交友があって、今でも赤を訪ねてはお店に顔を出しては、私とも他愛のない会話をしていた中で「歳の近い同業も必要だ」と美海さんを紹介された。
まだ1年も経ってないが色々と相談に乗って貰っている。
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