Life is a tragedy when seen in close-up, but a comedy in long-shot. ─── Charlie Chaplin
He
時間は止まってくれない。海に雫が煌めけば夜明けが来るように。空に涙が零れれば夜が来るように。僕は必然的に悪になった。誰かの傷付く顔を見ることに喜悦を感じ、誰かの命を奪うことに安堵すら覚える。そんな自分に満足している。この満たされた感覚が「シアワセ」だと、自分は確かに知っていた。しかし、そんな自分は、そんな「シアワセ」は、いつか壊れる。この世界には白と黒があって、善と悪があるからだ。僕はいつか、「正義」に呑まれ褪せる。この世界から音もなく消え去るのだ。
「正義」と聞いて思い出すのは、彼のことだった。自分の隣にいた彼奴は、確かに「正義」だった。あの煌めきが、自分を地獄に堕としたのだ。でも、彼奴に対しての怒りは薄っぺらいものであった。その代わりに思い浮かぶのは、自分の死に際。
僕はきっと彼奴に殺されるんだ、という「幸せ」だった。
そのためには、あと何人殺せば良いのだろう?
終わらない疑問が巡る。
嗚呼、気が重い。
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