第21話 バス回収作戦
私たちは焔が作った投石武器をとりあえず五つと予備で二つ、計七つ作った。
そのままその日は練習をしていた。
焔は当然もう出来ていたが、沙莉も二回目からもう完全に狙い通りに使えるようになった。
光と蒼雷はまぁまぁ苦戦してはいたがお昼過ぎにはもう使いこなせるようになっていた。
そして問題の私は、、、
「やった、当たった!」
夕方頃に初めて的に当たることに成功した。
「おめでとう草乃」
「ありがとう沙莉」
沙莉は私が出来るようになるまでずっと付き添ってくれたのだ。
三人は副校長先生達と明日の計画を立てている。
「はぁあ、やっぱり皆んなの能力明かしてやってた方が良かったかもなぁ」
「まぁ確かにそっちの方が楽ではあったかもねぇ」
「まぁでもそれじゃあ面白くないもんね」
「そうだよね。せっかくの終末世界なんだから満喫しないと」
終末ゾンビ世界を満喫しようとしてる人なんて私たちくらいしかいないだろうけど。
「さて、晴れて私もこの武器扱えるようになったし今日はそろそろ休もうかな」
「そうだね。そろそろ作戦会議も終わってる頃だろうからね」
その後皆んなで夕飯を食べてシャワーを浴びて軽く作戦を聞いてさっさと眠りについた。
「よし、忘れ物はないかな」
早くも次の日となりもうすぐ出発する時間となった。
「さて、皆さん改めて作戦を説明します」
校庭にて副校長先生による作戦説明ご行われた。
「まず初めにこの沙莉さん達が乗ってきたキャンピングカーに全員で乗り込み、近くの芝安駅に向かいます。そこのバスターミナルやその周辺にバスがあると思われます。そこでバス内に侵入し、中のゾンビを徹底排除したのちそれに乗り込みガソリンスタンドへ向かい洗車、並びにガソリン補給を行いここへ戻ってきます。大まかな作戦は以上です。何か質問のある方はいますか?」
「そんな簡単にゾンビを排除出来るのでしょうか?」
参加者の一人が質問をした。
今回の参加者は副校長先生と私たちと始めに会った体育教師とその他五名の計12名だ。
「そこに関しては私とそこの鎌瀬先生と、皆さん昨日見たと思いますがそこの高校生五人組の投石部隊で行います。車内の殲滅は基本的に私と鎌瀬先生が、外のゾンビ退治は投石部隊が対処します。車内のゾンビを殲滅した時にはそれを外に運び出すのは皆様にも手伝っていただきます」
「わかりました」
皆んなすぐに納得してるなぁ。
普通ならもう少しこいつらは大丈夫なのか、とか聞くと思うんだけど、、、
ここにいる人達は凄く優秀だな。
「では出発します!」
「「「「おぉー!」」」」
私たちは皆んなでキャンピングカーに乗り込み芝安駅のバスターミナルへ向かった。
案外道中はゾンビに対して絡まれることなく芝安駅に着いた。
「バスは合計3台ありますね」
「ではとりあえず周囲のゾンビを倒しましょう。沙莉さん、光さん、草乃さん、焔くん、蒼雷くん。よろしくお願いします」
「任せて下さい!」
私たちはキャンピングカーの上に登り、投石武器を構えた。
「なんだかこうして戦うのは久しぶりだね」
「私に関しては初めてだけどね」
「今までは個人個人で戦うって感じだったけど、やっと共闘って感じだな」
「さぁ、やってやろうぜ」
皆んな一斉に投石武器をぶん回し初め、どんどん投石してゾンビにヘッドショットを当てていった。
遠くのゾンビは沙莉と蒼雷が、動き回ってるゾンビは光と焔が、それ以外と皆んなが撃ち漏らして近づいてきた奴を私が撃ち抜いていった。
数十分もすればバスターミナルでうろうろしているゾンビ達は全員動かなくなった。
「よし、皆さん、外のゾンビの処理終わりましたよ」
「よし、では早速作戦に入ろう。とりあえず一番手前のバスからだ。突入!」
副校長先生と鎌瀬先生先頭にバスに入っていった。
「中には対してゾンビはいないな」
そう言いながら二人の先生はあっという間に一つ目のバスのゾンビを薙ぎ倒していった。
副校長先生は素手で、鎌瀬先生は野球バットでゾンビ達を倒していった。
「ねぇねぇ、もしかしてこの人達普通に強くない?」
「そうかもね。私たち抜きでも余裕で作戦完了出来たんじゃないかな?」
その後も一台ずつ順調にゾンビを排除し、作戦開始から1時間半ほどで3台のバスを入手することが出来た。
「よし、ではとりあえずこのバスに燃料を入れにガソリンスタンドへ行こう」
こうして今のところ全くシリアス展開にも激しいバトルにもならず淡々と作戦が進んでいったのだった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます