第15話 ショッピングタイム

「さぁさぁさぁ始まりますよ〜、ショッピングターイム!」


「イェーイ!」


「予定より時間かかっちゃったね」


「誰かさんのせいでね?」


「うぅ、で、でもその誰かさんのおかげでこんなにも早くゾンビが片付いたんだから良いでしょ」


「それもそうかもねぇ」


そんなこんなで始まった、楽しみだったショッピング。私たちは最初に予定通り食料品エリアに行った。


「うーん、缶詰とかの保存食はほとんどないね」


「そうだねー。もしかしたら他の生存者が全部持ってっちゃったのかな?」


その時、光が何かを思い出したようだ。


「そう言えばさっき光が二人の生存者を助けたって言ったじゃない」


「あぁ、そう言えばそんなことを言ってた気が」


「その二人が言ってたんだよ、この近くの学校に多くの人が避難してるって」


「それほんと?」


「うん。その二人はその避難所に行こうとしていたところゾンビに追われて映画館の隅に隠れてたらしい」


「へぇーそうなんだ。それならその避難所にここから向かった人が食品とか持ってっちゃったのかもね」


「まぁ私たちは元々結構食料あるし、少ないとは言え多少は補充できたからいっか」


「よし、なら早速次の買い物だ」


私たちは続いて、洋服エリアに来た。


「いやー多少汚れている服もあるけど、だいたい着れそうだね」


「よーし早速皆んなでファッションショーだ!」





数十分後


「皆んな準備はいい?」


それぞれ各々の気に入った服を見つけて試着していた。


「じゃあまずは焔から」


「おっけー。俺の服装はこんな感じだ」


焔の服装は赤を基調とした動きやすさメインのファッションだった。


「焔ってやっぱりしっかりした服よりこういうラフみたいな服の方がいいよね」


「それは俺もわかってるよ。最初はかっこいいシャキッとした服を着ようとしたんだけど、良いサイズがないし着てみても似合わないしで諦めた」


焔は普通の男子に比べて身長が低い。つまりどっかの配信者曰く人権がない部類に入るくらいだ。


「よーし、じゃあ次は蒼雷」


「俺はファッションとかよくわかんないから期待すんなよ」


蒼雷は一言で言うとすごくシンプルな感じで紫や黒を基調とした大人って感じのファッションだった。


「やっぱ、蒼雷は身長が高いから大人っぽい服装がよく似合うよね」


「ちょうど焔とは真反対というか対象になってていいよね」


「ん?何だ?それは俺は身長低いままだって言いたいのか?」


「いやいや、そんなことは言ってないですよ」


今の発言は焔は気に入らなかったようだ。


「さてさて、続いて草乃いってみよう」


「私もそんなに期待しないでよ」


私は緑を基調としたシンプルな服装にした。


「草乃ー、かわいいよー」


沙莉からの歓声が聞こえてくる。


「もう茶化さないでよ沙莉、じゃあ次は沙莉にね」


「私も草乃に負けないように頑張ったんだからね」


そういう沙莉は高めの身長を生かして、ズボンを履いて全体的に青を基調としていた。


「沙莉、すごい。すごくかっこいいよ」


「そう?可愛いのも試したんだけどやっぱこういう服装の方が似合ったからなぁ」


「なんかもうこれだと側から見たら沙莉が男子で光が女子みたいだな」


「ちょっと、これでも可愛い服着れないの悩んでるんだから」


「はいはい、ってことで最後に光」


「ふっふっふっ、今までで一番の出来だよ」


「なんか謎の自信があるな光」


「さぁ見よこの光ちゃんの可愛い姿を」


そんな自分のことをちゃん付けするような光は黄色を基調としたワンピースを着ていた。


「• • • •」


「ちょ、ちょっとなんか言ってよ」


「いや、いやーね。少しというか相当驚いたよ、うん」


「何というか、光は今まで女の子っぽかったけど服装は男子のやつだったからそんな女の子っぽくはなかったけど」


「魔法少女の時の衣装といい、このワンピースといい、光が本気で女装したらもう完全に女の子だよね」


「これはさっき焔の言った通り私と光逆でも納得だわ」


「えっへん。可愛いでしょ」


「なんか光は色々悩んでたりしたのかと思ってたけど」


「思う存分女の子の見た目を堪能しているね」


そんなこんなでファッションショーは終了し、今度はゲームショップへ向かった。


「何を買おうか」


「とりあえず面白そうでキャンピングカーの中で出来そうなもの片っ端から取ってこうぜ」


「その取ってきたやつって」


「もちろん焔のストレージの中に収納だよ」


はぁ、と焔はため息を吐いていた。


「とりあえず、スイ◯チでしょ、そのソフトでしょ」


「追加コンテンツと一応課金カードも一応っと」


「それにボードゲームを手当たり次第と」


「カードゲームのパックをあるだけ買って開封大会とかいいなぁ」


「後は、、、あっ、焔ーこの音ゲーストレージにはいるー?」


「無理に決まってんだろ!」


「そっかぁ、なら私はもう欲しいものないかなぁ」


「俺も」


「光も」


「よし、じゃあこれで終わりか。別に対して力は使ってないけど疲れたわ」


「ははっ、お疲れ焔」


「さぁてゾンビが復活しちゃう前にキャンピングカーに戻りますか」


そうして私たちはキャンピングカーへ戻って、、、おっ?これは使えそう。少しもらってこーっと。


「おーい草乃ー。行くぞー!」


「はーい」


こうして私たちはキャンピングカーへ戻っていったのだった。

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