第14話 フルボッコだドン

「いやー、皆んなごめんね〜。合流出来なくて、心配させちゃったよね」


「ほんとだよ。探すの怠かったんだからな」


「ごめんって。色々あってすぐに合流出来なかったんだよ」


久々?にあった光は別に何の問題もなさそうにいつも通り呑気だ。


「色々って何だよ」


「まぁまぁそれはおいおい話すとして、とりあえずはコイツを一旦ぶちのめさないと」


私たちが呑気に喋っている間に光が切り落としたゾンビの両腕はすでに復活していた。


私たちの会話が終わるまで待っててくれたんかなこのゾンビ。


「さて、こっからは一方的な蹂躙といこうじゃないか」


「「おお」」


あーなんか嫌な予感が。せっかくこのゾンビ世界になって初めてのシリアス展開なのに、これってもしかして、


「ちょっとだけ本気出しちゃうよぉ〜」


「仕方ないコイツが復活出来なくなるまでやるか」


「さぁやってやるぜ!【バーストバーン】!」


焔の剣から強力な炎のビームご発射され、ゾンビを焼き尽くした。


「光もやっちゃうよぉー、ルートル!光輝燦然!」


今度は光が鮮やかに輝きだした。


そのまま光は、、動かなかった。


「あれ?光何をやって、、」


そんなことを言ってるうちに燃やされていたゾンビが一瞬にして粉々になった。


「さて最後に俺が決めるぜ」


そうして蒼雷が超能力を発動させると粉々になったゾンビの破片が一箇所に集められどんどん圧縮されていく。


あーもうこれはせっかく私たちの会話を待ってくれたゾンビに申し訳ないなって感じてきたよ。


などと私が思っていると、


「あー!皆んなこんなとこにいたの!」


「さ!沙莉!」


いきなり劇場の扉が開いて武装している沙莉が入ってきた。


「もう、私抜きで面白そうなことやんないでよ」


いやいや、沙莉自分で地下の方やるって言ったのに、


「そのちっちゃな球体をやれば良いんだね?いっけー!発射!」


そう言った時にはもうミサイルが圧縮されているゾンビに向かっていた。


「ちょ、俺が最後に決めるつもりなんだけど」


「私だけ仲間はずれにするつもり?そうはさせないよ!」


蒼雷が圧縮されたゾンビを必死にミサイルから逃がしている。


「あーあやっぱり皆んなは相当強かったんだなぁ」


そうして結局せっかくのシリアスムードはいつも通り呑気な皆んなのせいでぶち壊されてしまった。


因みに結局ゾンビにトドメを刺したのは、飛び回る圧縮ゾンビを待ち伏せしていた焔、ではなく、焔が壊そうとした瞬間に光が奪ってどっか遠くへ投げ飛ばしてしまった。





「そう言えば結局光はどこ行ってたの?」


「えーっとねぇ、まずこの劇場以外のゾンビ全部殺してー」


あーうんそれは知ってるけども冷静に考えたらヤバいよね


「その後この劇場きて、ヤバそうなゾンビ、あーさっきのやつね。それと生存者が二人居たから、光が足止めしてる間に映画館の外まで行ってもらって、光もその後映画館出てその人達を外に連れてって軽く外のゾンビ殺してた」


いやはや私たちがいないなぁと思ってたら外に居たのね。そりゃ分からないし、見つかんないよ。


「それでその後皆んなの場所に戻ったら誰も居なかったから、手当たり次第探してたら草乃が死にそうだったから助けたってわけ」


「あの時はありがとね。まぁ半分は光が勝手に一人で動きまくってたせいだけど」


「うっ、その通りです。ごめんなさい」


「まぁ何はともあれ、結果的にショッピングモール内のゾンビは片付いたし、ゾンビが復活する前にショッピングしちゃおー」


こうして私たちのシリアス回は一瞬にして終わり、次の呑気なほのぼの回へすぐに移行するのだった。

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