第11話 遊園地からショッピングへ

「あっ、みんなー!」


空飛ぶキャンピングカーで出発場所に戻ったら、沙莉が手を振って待っていた。


「あー、うん。沙莉はこれを見ても何も思わないんだね」


「だって蒼雷がもっとでかいのを浮き上がらせてるのを見たんだよ?キャンピングカーごときで驚かなくない?」


沙莉は凄いなぁ。この状況にすぐに適応しちゃってるよ。政府のもとで色々やってきた人間は適応力が違うなぁ。


「さて、もう五人皆んな集まったし、ちょっと名残惜しいかもしれないけどここにいるゾンビ達が復活する前に出発しちゃおっか」


「名残惜しいって言っても、ゆうて2日しか経ってないんだよね」


「それにゾンビ達が現れてまだ24時間過ぎてないんだよね」


「ほんま濃い週末だったな」


「まぁこの先もこんくらい濃い日々がしばらく続くだろうね」


「さてと、とりあえず一旦山を降りてガソスタ目指して出発するぞ」


「はーい」


「あっ、そうだ。せっかくだからこのキャンピングカーに名前を付けない?」


「いいねそれ」


キャンピングカーの名前かぁ。うーん、


「じゃあ、異世界転生者と特殊部隊と魔法少女と超能力者が乗ってるから、頭文字をとって、いとまち号はどう?」


「それじゃあ草乃要素が入ってないから」


「じゃあみんなの名前の頭文字をとって、ほくさひそ号?とか?」


「余計変な名前になったね」


「よし、とりあえずキャンピングカーいとまち号(仮)でいこう」


私が適当に言った名前なのだけれど、これで良いのだろうか。


「さぁ、キャンピングカーいとまち号(仮)目的地ガソスタ、我ら五人出発しんこー!」


「「「「おおー!」」」」


キャンピングカーが浮き上がり、山の下の方へ向かって行った。






「そう言えば、この近くのガソスタってどこにあるんだ?」


ちょっと山を降りた辺りで蒼雷がガソスタの場所がわからないことに気付いた。


「えーっとね、確かこのまま進んで大通りに出たら、でっかいショッピングモールがあるんだけどその近くにあったはずだよ」


光は何度も来てるだけあって周辺の地理もよくわかっている。


「よし、そこを目指して進んでみよう」





そうして数分後無事にガソスタに着くことが出来た。


「対して荒れてなくて助かったね」


私たちはガソスタがゾンビやゾンビに反撃した人たちの影響で相当荒れていると思ったが思いのほかガソスタは綺麗だった。


「ゾンビ達もここで暴れたら、爆発して死ぬってわかってたんじゃない?」


「そうかもね」


そんなこんなしているうちにガソリンの注入が開始された。


「さてさて、せっかくショッピングモールの近くまで来たんだし、ちょこっとショッピングしに行かない?」


「あっ、それいいね」


またもや呑気なこと。ショッピングモールの中なんか相当な数ゾンビいると思うんだけどな


「そろそろ着替えが欲しいからねぇ。昨日からずっと同じ服のままだし。草乃もそろそろ着替がえたいよね?」


「うっ、た、確かに、着替えたいかも」


「よーし、お昼ご飯食べたら皆んなで無料ショッピングに出発だー!」


「「「おぉー!」」」


朝っぱらからゾンビと戦い空を飛び、ゾンビが沢山いるであろうショッピングモールに買い物しに行く。皆んな元気と体力あるなぁ。冷静に考えたら結構ハードスケジュールだよ、と思った草乃なのであった。

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