第6話 楽しいキャンプ

さてさて、私たちは沙莉と焔のおかげで当分の食料には困らなくなった。


「よーし、食料集め終わったし、この後どうしよっか」


今は屋内型コースターの内部でまたもや休憩している。


「そろそろ日が暮れてきたから今日はここで一晩過ごすしかなさそうだね」


私の提案に皆んなが納得した。


「そうと決まればとりあえず夕飯食うか」


「今日はまだ焔の見つけてきた食材も腐ってないだろうし、それで何か作ろうか」


「レストランに行けば厨房とかもあると思うよ」


「荒らされてなければね」


皆んなでレストランに向かうことにした。


「そう言えばこの中で料理できるのは草乃だけだよな」


私は料理をするのが結構好きでよくお菓子とかを作っていたりする。


「料理出来るって言ったって、お菓子以外はちょっとしか出来ないよ」


「何を言う。俺らはそのちょっとすらも出来ないのだ」


焔が堂々と言っている。


光と蒼雷も同意している。


「私は三人とは違って少しは料理出来ますー。いっしょにしないでもらいたいね」


沙莉はこう言ってるけど家庭科の調理実習で成功しているのを見たことはない。


「じゃあ料理は沙莉と草乃と、食材を持ってる焔に任せて、俺と光はさっきの倉庫にあった寝袋とか持ってくるか」


「りょーかーい」


光と蒼雷は小走りで倉庫の方に向かって行った。


「さて、私たちは夕飯を作ろっか」


「テレレッテッテッテ、テレレッテッテッテ、テレレッテッテッテテー、さぁ始まりました、草乃先生クッキングのお時間です」


「草乃先生、本日は何をお作りになるんですか?」


「本日は、えーっと〜、定番のカレーを作っていきたいと思いまーす」


謎の茶番が始まってしまった。


「ではまず完成したカレーを用意しまーす」


「続いてそのカレーを煮込んでいきまーす」


「先生、これはどのくらい煮込むんですか?」


「48時間ほど煮込んでいきまーす」


「はーい茶番してないでさっさと作りまーす」


謎の茶番は速攻で終え、カレーを作り始めた。




「ひゃーあぁうまい」


カレーを作り終え、寝袋を用意していた光と蒼雷も合流し、今は皆んなで食事中だ。


「いやーなんだかキャンプしてるみたいだね」


「皆んなでこうやって料理作ったりするのは中学の修学旅行以来じゃないかな?」


「懐かしいねぇ。あっ、そうだ今日この後キャンプファイアーでもする?」


「ダメだろ、そんなことしたら犯罪になる可能性がある」


「何を今更」


私たちは何やかんやでこの状況を非常に楽しんでいた。





「さて、飯も食ったしそろそろ寝るとするか」


「それもそうだね〜、今日は色々あって疲れたし」


「開園凸する為に朝も早かったからね」


そうして皆んなで屋内型コースターの中に戻って寝ることにした。


「もしかしたら明日になったら全て元通りになってるかもね」


「光、フラグ立てるのやめてよ」


「今のってフラグなの?」


「さぁ?でもまぁ光は特級フラグ建築士だし」


「そう言う焔も特級フラグ回収士やろ」


「まぁ何はともかく早く寝よーぜ」


「それもそうだね。じゃ先におやすみー」


「俺もおやすみ」


「おやすみー」


疲れていたので皆んなすぐに眠りについた。






「おい!皆んな起きろ!早く!」


「んっ?何だよ蒼雷、まだ朝じゃないじゃないか。ってことでおやすみー」


「そうじゃなくて大変なことが起こったんだ外を見てみろよ」


蒼雷に急かされて私たちは寝ぼけながらも外を見てみた。


外を見てみると、


「な、何でだ?何でゾンビがこんなにいるんだ?」


昼間にいたようなゾンビの大群が外にいたのだ。


「おい、ゾンビは昼間に焔と光が全部倒したはずじゃなかったか?」


「そうだけども、多分これ、光と焔が倒したゾンビ達が蘇ったんだと思う」


「いやいや待て待て、光が倒したやつは首を切ったり、体を真っ二つにしただけだったからまだしも、焔がやったやつは燃えて灰になったはずじゃ」


「わからない。でも事実として、俺がトイレに行こうとした時にはこうして大量に蘇ってたんだ」


「まぁ蘇ったのか別の場所から来たかわからんけど、結局はこいつらまた全部ぶっ倒せばいいだけだろ」


焔の言葉に焦っていた皆んなは落ち着いた。


「それもそうだな。そういやぁさっき結局蒼雷と沙莉の秘密分からんかったし」


「ちょうど良くお披露目の機会が出来たって思えばいいか」


「そうだね」


「ならさっさと総攻撃開始だ!」


「「「「おぉー!」」」」

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