【第三部 ③】 優(くそがき)の功罪
【第一週目】
俺と香緒里ちゃんの一週目の逢瀬にセッ〇スは無かった(笑)。
何故なら、ノッケから沙織が5日間の出張になっちゃたので。
沙織「香緒里は私のベッド使って良いよ!但しセッ⚪スは絶対禁止だかんね!?」
達也に勤務開始を一週間延ばして貰って、香緒里ちゃんには5日間、うちでゆっくりと慣れた専業主婦を楽しんで貰うことにした。
優(うちのオスガキ)は保育園を午前中で帰ってきて香緒里ちゃんが居るので大喜び。
何でか聞いたら「パパの作る味の濃いご飯食べなくて良いから!」って(汗)。
大はしゃぎな優が早々におネムになり、沙織からのいつもの出張やら会えないことへの愚痴をTV電話で聞いた後、俺は香緒里ちゃんと寝物語に話すことにした。
「悪いね、優の相手は疲れただろ?」
香緒里「いいえ?楽しかったですよ。」
「本当かな~」
香緒里「本当ですよ。多分、うちは子供は出来ないから…」
「……」
香緒里「子供のいる生活…憧れだったんです」
「……」
香緒里「速見先輩に感謝だな~」
「香緒里ちゃん…」
香緒里ちゃんが月明りの中でほほ笑む…その微笑は…儚げで
香緒里「…三月さん…うちも子供がいたら違ったのかな?」
香緒里「直哉さんと穏やかに暮らしていられたのかな?」
香緒里「でも…子供がいても今回の事件は起きちゃうか…」
「あれは…時限爆弾みたいな話だったから…」
香緒里「やっぱり、…やっぱり私は直哉さんと一緒になってはいけなかったんですね」
「…香緒里ちゃん…まだだよ。今はまだ考えちゃだめ。今はまず自分の生活を作ること。働いてガムシャラに自分の生活を作って…まずは落ち着かせること。自分のことも田仲のことも見つめ直すのはそれからだよ。田仲にもだけど、その為に沙織は時間を作ったんだ…」
香緒里「三月さん…」
「大丈夫!俺たちを頼ってね!」
香緒里「三月さん…も?」
「うん?」
香緒里「三月さんも助けてくれるの?」
「ああ!沙織から特別顧問を仰せつかったからね。身も心もフォローするよ(笑)」
香緒里「…だったら…だったら抱いてください!」
「香緒里ちゃん…」
香緒里「寂しいんです…寂しくて寂しくてたまらない…」
(ドンドンドンドン!!)
優「パパ~おしっこ~」
「……」
香緒里「…くすっ」
「…ちょっと待ってね」
―
―
「優…今日は一緒に寝ようか?」
優「わ~~、良いの!?」
※普段は沙織が絶対寝室に入れない。
「ああ!パパと寝ようか?」
優「パパ臭いからやだ」
こ…このガキ…
優「香緒里ちゃん…一緒に寝よ~」
香緒里「わ…私?」
優「うん!香緒里ちゃんママと同じ良い匂い~」
香緒里「…三月さん」
「ごめんよ?眠れないかもしれないけど、良いかな?」
香緒里「はい!…私で良ければ!…優くん…おいで?」
優「わ~い、香緒里ちゃん抱っこ~」
このくそガキ!
優「香緒里ちゃん!おっぱい吸って良い?」
「駄目に決まってんだろ!クソガキ!」
優「え~~」
香緒里「三月さん、大人げないです…」
結局、優のやつは香緒里ちゃんと寝ることに味をしめて、毎日、寝室にやってきた。
5日目の最終日に至っては、何と香緒里ちゃんのバジャマをはだけさせて、乳首に取り憑いて寝ていて、香緒里ちゃんが微妙にアンアン言っているのを目の当たりにして、本当に我が子ながら、GJと言うか先が思いやられると言うか……
その後出張から戻った沙織に、いつものように寝室から閉め出された優は、「ママのばか~」と大泣きしていたが、俺の浮気チェックを絶対やる~と息巻いていた沙織は決して優を寝室に入れることは無く、優はオネショで対抗して沙織を激怒させていた。
本音を言うと、どこか思い詰めたような香緒里ちゃんの表情が日に日に穏やかになっていったのは…優のおかげだと思っている。
―
―
―
それから香緒里ちゃんは…達也の「国見達也探偵事務所」で働きはじめた。
事務員とは言え、興信所の事務員なんて何でも屋。元は会社員とは言え久しぶりの香緒里ちゃんは大変だと思うけど、よけいなことが考えられないくらい、日々の刺激を受けて欲しい。
ともあれ、香緒里ちゃんの新生活はこうして始まったんだ。
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