第5話 その結論待って!みっちゃん!
「秋男、お前の見解は?」
俺と達也は、再び秋男の病室にいる。
俺は二人に、沙織の了承を得られたことと昨日の沙織の推察を話した。
沙織は今回の香緒里ちゃんの貸出に俺が絡むことを了承した。いや、むしろ急げと言った。
条件は三つ。
曰く、貸出日は必ず事前に教えること
曰く、何をやったのか必ず報告すること
曰く、貸出の翌日。必ず同じ方法で自分を抱くこと。
田仲は沙織の了承を受けて、早速、香緒里ちゃんに話しに行っている。
達也「…よく速見先輩を説得しきれましたね。昨日の感じじゃ全く駄目かと」
「説得なんかしてない。あいつが勝手に香緒里ちゃんを心配したんだ。香緒里ちゃんがバカなことをしないように助けてやってくれって」
本当、あいつまで俺をなんだと…
達也「…相変わらずカッコ良いっすね速見先輩。変わんないなあ…」
秋男「三月。突っ込みどころはいくつもある。半年前、田仲たちにこの状況を引き起こしたトリガーは何なのかとかな…だがまずはすべて横に置いてだ」
「うん」
秋男「屑彼氏が速見の推察通り、香緒里ちゃんのそばにいる田仲を排除しようとしているとして、そこまでして屑彼氏が欲っするものはなんだ?」
達也「それは香緒里ちゃんの身体?」
秋男「当時で四股の一人だろ?それに今となっては36歳のババア…」
「ちょっと待てコラ!てめえ!それは沙織もババアだと言ってやがるな!」
秋男「待て待て!なんでお前が怒る!?」
達也「三月さん、お、落ち着いて~」
「沙織は今のほうが…綺麗だ~」
―
(閑話休題)
―
秋男「はあはあ、だから香緒里ちゃんも大学の頃より良い女になっていたとしても、近くにいない屑彼氏には分かんないだろ!他に欲するものがあるんじゃないかって話!!」
「む~~む~~」
達也「駄目だ、三月さんしばらく役に立たない。秋山先輩、話の続きは?」
秋男「田仲を自分から遠ざけようとする香緒里ちゃんの心情は、その原因に昔の屑彼氏が絡んでいそうなところは、速見の言う通りかもしれない…ただ」
「…ただ?なんだよ」
達也「あ…三月さん復活した」
秋男「香緒里ちゃんと屑彼氏って単なるセフレだったのか?」
達也「どういうことっすか?」
秋男「屑彼氏は当時覚醒剤で捕まったんだろ?」
達也「15年近く前ですね…あれ、何だ…この違和感」
秋男「何故、香緒里ちゃんはここにきて、今さら過去にこだわる?」
「達也」
達也「はい」
「屑彼氏が捕まったとき、香緒里ちゃんはどうしていたか調べられるか?」
達也「…1日あれば!」
「さすがだな」
―
―
―
田仲「貸出の件、香緒里から、条件付きでOK出ました。三月さんが屑彼氏のセ⚪クスを再現出来るなら会いたいって。」
達也が秋男の病室を飛び出して約一時間後、入れ替わりに入って来たのは田仲。
「まじかよ香緒里ちゃん。」
秋男「田仲、条件って何だ。」
田仲「それが…うちではやりたくない。出来れば三月さんの家が良い。必ず生でやる。それと、隣の部屋で俺と速見先輩に待機して欲しいって」
「却下だ!!」
秋男「……」
「何で沙織を巻き込む!」
田仲「み、三月さ…」
「沙織が傷つく!嫌だ!俺は…」
沙織『みっちゃん!待って!!』
「な!…秋男、おまえ…」
秋男のやつ、いつの間に俺の携帯掠め取って沙織に…
沙織『みっちゃん、その結論待って!』
スピーカーにした俺の携帯から、沙織の声が。
沙織『私が直接、香緒里と話してみる!田仲…今すぐ私に香緒里の連絡先を教えろ!』
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