第4話 沙織は香緒里ちゃんを心配した
沙織「田仲!国見!久しぶり!!」
ところ変わって愛しい我が家は埼玉のマンション。
保育園児の
田仲「速見先輩!お久しぶりです。外資に転職でしたよね!相変わらずお綺麗ですね。うちの香緒里ほどじゃないっすけど」
このバカのおらが嫁自慢も昔から酷い。
沙織が香緒里ちゃんに負ける訳無いだろうが!
(画像 香緒里ちゃんに負けない沙織)
https://kakuyomu.jp/users/kansou001/news/16818093079506513211
(画像 でも沙織よりも大人っぽい香緒里ちゃん)
https://kakuyomu.jp/users/kansou001/news/16818093079564083251
沙織「なんだ田仲、年食ったからって良い度胸じゃん。あ~国見は…まだインチキ探偵やってんの~?」
達也「いや~速見先輩…お元気そうで!あ…お子さん出来たらしいですね…おめでとうございます!しっかし相変わらず子供っぽいっすね~」
沙織「…はっはっは~、今のは若々しいという誉め言葉として取ってはおくけど…なめてると殺すぞ!コラ!」
が…ガラが悪い…
いつも思うけど、沙織のやつ秋男とか達也とか…元の会社のやつにはなんであんなに口が悪くなるんだ?
ご近所から大和撫子美人って噂されてる、いつもの清楚さはどこに雲隠れしちゃうの!?
「さ…沙織、悪い!夜に突然二人も家に連れてきて」
沙織「ううん、みっちゃん良いってば!!元はと言えば二人とも私の関係者だもん」
達也「み、みっちゃん?みっちゃんって誰?」
田仲「…だもん!?だもんってどこの方言!?」
沙織「…なんだお前ら!何か文句あんのか!?」
…おまいら、説得前に沙織怒らせてどうすんの!?
―
―
―
田仲「香緒里を三月さんに貸出しさせてください!」
沙織「絶・対・嫌!!」
…バカかこいつは!いきなり直球投げやがった!
隣で達也も頭を抱えている。
「そうですよね~、オラおまいら帰れ~!」
田仲「三月さん~(涙)」
達也「だ、駄目!三月さんが諦めたら、この人、絶対話聞いてくんないっすよ!」
沙織「オラ塩撒くぞ帰れ~」
達也「は、速見先輩~元部下のよしみで…話だけでも聞いて!」
沙織「……」
達也と沙織は仲が良い。何も知らなければ男女の仲を疑いたくなるくらい傍目には良い。
田仲とも香緒里とも良好な仲だ…もっとも先輩筋の秋男には甘えきっているのかやたら辛辣だが。
きっと外の人間には分からない何かがあの職場にはあったんだろうな…だがしかし、今回の結論は変わんないだろうなあ…
沙織「話は聞いた!即刻出ていけ!!」
田仲・達也「ひ…ひぇぇ」
這う這うの体で出ていく二人。
悪い…何のお構いも出来ませんでした(汗)。
…ただ俺は、沙織の最後の言動には単なる拒絶じゃない何か含むものはありそうだなって感触は持ったんだ。
その日の夜、俺は沙織に例の寸止めを仕掛けた。
沙織「み…みっちゃ!…な…んで!?」
寸止めは、性質上始まってしまえば女性側は耐えるだけ。
聡明な沙織の耐久力は大したものだが、それでも…
沙織「あ…あ…ダメ…ダメ…もう!…い!いかせて~!」
一度墜ちてしまえば、這い上がる術はもう…
沙織「やあ!あ!あ!い!いかせて!いかせてよ~」
そして、
沙織「あぁ…あぁ…奥が…」
ゆっくりとゆっくりとした動き。
沙織がしゃべれる、でも決して現実には戻れない甘い刺激。
「嫌なのか、沙織」
沙織「あぁ~、嫌~」
「なぜだ」
沙織「あぁ、みっちゃんが抱いたら、香緒里は絶対みっちゃんのとりこになる!もしみっちゃんが香緒里に情を移しちゃったらやだ~」
そんなことするもんか!!俺はピッチを速めた。
…沙織に快感と安堵を与えるために。
―
―
―
そして…寝物語に沙織と話す。
「なあ沙織。このケース、お前の若いときに似ている」
沙織「うん。そんな気がした」
「もしだ、お前が大学で最初に付き合った不倫相手の店長と別れた後、元婚約者のたかしさんとそのまま結婚したとして、15年近くたっても引き摺られるか?」
沙織「店長のってことなら無い。たかしさんとは普通のエッチだったから、あの時の不倫セ⚪クスの快感を全く引き摺ってなかったかって言ったら嘘になるけど、あのセッ⚪スにそこまでの魔力はないよ。ただ…」
「ただ?」
沙織「あの時の不倫相手がみっちゃんだったら、ましてどこかで会っちゃったら、分かんない。ヤられちゃったら、駄目だろうなあ」
また鬼畜な例えを…
「でもさ…ヤってたら普通は繰り返し会うんじゃない?」
沙織「うん、ヤらないの耐えられないなあ」
「今回はそれはなさそうなんだよなあ」
沙織「……」
「達也のチェックで、少し穴があるとしたら手紙だ。専業主婦の香緒里ちゃんが田仲より先に受けとるのは必然だ。もし昔の行為写真とかで脅されたとしたら」
沙織「私なら即、みっちゃんに相談だなあ~」
沙織は、どんな理由があろうと男女間の秘め事が最悪の事態となる可能性が高いことを身を持って知っている。こいつは多分、レイプ被害に遭遇しても速攻で俺のもとに戻ってくるだろう。
「お前はそうかもしれないけどさ~」
沙織「香緒里は結構強い子だよ。多分、みっちゃんや秋山先輩が想像しているよりは」
「そっか~、じゃあ振り出しだなあ」
沙織「あ……」
「なに?」
沙織「……」
「言ってよ沙織」
逡巡していた沙織が顔を上げた
沙織「…あのね、あくまで私の場合だけどさ、相手が店長でもたかしさんでもさ、今のみっちゃんが狙われて傷付けられるようなシチュエーションなら、それが絶対に避けられないなら」
「……」
沙織「私は相手を殺しに行くと思うんだ。その時は交渉なんか考えない…ただ刺し違えにいく」
「……」
沙織「その時は…みっちゃんに迷惑掛けたくないから…行く前に嘘ついてでも別れようとすると思う。でも時間が無くなったら、その時は…もう…やだ、想像したら涙が出てきた(涙)」
「お前、それは…」
沙織「…香緒里は強い子なんだよ。あの娘もそれくらいのことはやっちゃうんだ。香緒里がもう引きこもって動かなくなっているなら…もしかしたらもう時間が無いのかもしれない」
「…達也に香緒里ちゃんを監視させる」
沙織「みっちゃん…出来るなら香緒里を助けてあげて欲しい。あの子は普段の姿では想像がつかないくらい頑固…もし動き出したら…誰にも止められない」
沙織がそう言うのならば…俺が本件に絡む障害は…すべて無くなったんだ。
―(おまけ話②)―
沙織「…ところでみっちゃん?」
「…ん?なに?」
沙織「実乃里さんを抱くんですって?」
「ぶ~~~っ!」
沙織「秋山先輩がやたら嬉しそうに電話してきたわよ?『決して桂木家を壊すつもりは無い』とかなんとか」
「…あの野郎、本気かよっ!」
沙織「で?もうヤっちゃったの?」
「ご…誤解だ!沙織っ!お…俺も昨日の夜、秋男に聞いたばっかで!!」
沙織「ふ~ん?何で昨日のうちに言わないかなっ?」
「……」
沙織「あわよくばナイショで…とか考えたかなっ?」
「さ…沙織~!?」
沙織「…まあ良いわ、まだなのね」
「沙織っ?」
沙織「ヤるときは必ず事前に言ってね?」
「…良いのかよ?」
沙織「……」
「……」
沙織「仕方ないじゃない!相手は、行動力お化けの実乃里さんだよ!?変に反対したら…みっちゃん拉致監禁されかねないじゃん!」
本当に…ありそうだから…怖いんだよあの子!
※中学生の実乃里ちゃんが大活躍
「家庭教師先のお嬢様が耳年増で困る」
https://kakuyomu.jp/works/16818093077693531381
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