第13話 忘れっぽい私
私は、勉強しながら、覚えたこともすぐ忘れちゃうし、頭悪いのかなと思っていました。他の人を見ていると、私よりも簡単にいろんなこと覚えてるように見える。
でも、最近、授業でエビングハウスの忘却曲線というのを学びました。
人は学んだことを1日で80%近く忘れてしまうものだということ。私は勉強してもすぐに忘れてしまうから、ほかの人よりも頭が悪いと思っていました。でも、忘れてるのは当たり前のことだと知って、少しホッとしました。
でもせっかく勉強したことは忘れたくないです。その理論によると、一度覚えたことは時間がたっても少しは覚えているらしい。自分で思い出せなくても、人からヒントを出されると思い出すことがあります。それは頭の中には残っている証拠。思い出せなくなってるのよ。
復習することで頭の中にいつでも思い出せる記憶として残るのだそうです。効果的なのは翌日復習すること。そしてそのあとも定期的に復習が必要らしい。
7回以上復習すると、頭の中に記憶として定着する。40回くらい反復すると、思い出そうと思わなくても自然に使える知恵になる、という説もあるようです。
結局、楽はできないということね。学んで覚えるための近道はなさそう・・・
楽はできないけれど、できるだけ楽しむことを考えてやってみようかしら。
そして、復習するときのもコツがあるみたい。ただ本を読むだけではだめ。本を読むということは、頭の中にインプットするということよね。最初はそれがないとダメだけど、復習するときにはアウトプットが大切。
例えば、問題集の問題を解いてみるとか、声に出して読む、そうすると自分で話して、自分で聞いて、という2つのことができます。
友だちとかに説明することもいい方法です。自分の中で学んだことを整理して文章にする。そしてそれを言葉にしてアウトプットする、ということで覚えられるのよ。
コツとして、単語だけ覚えるんじゃなくて、物語にするといいらしいわ。
そんなことを、受験勉強してた時に知りたかったわ。そうすれば、もう少し効率よく覚えられたかもしれないと思うと残念です。やっぱり何かを知ること、勉強することって役に立つことがあるようね。
記憶とかについて、専門に研究してる先生もいるってことは、それだけ大切なことだし、難しい仕組みがあるってことだわ。
まあ、これからも勉強は続けるわけだし、この方法を思い出しながらやってみます。
でも、生きてると忘れたいこともあるでしょ。つらかったこと、悲しかったことなんかは忘れてしまいたい。でも、そういうことに限って、いつまでも覚えていたりするのよね。忘れたい忘れたいって思うほど、思い出しちゃってつらくなるわ。
時間が解決する、という言葉を聞いたことあるけど、つらいことを忘れるのには長い時間がかかるもの。あせって忘れようとすると余計に思い出しちゃう。
身体の傷が治るのにも時間が必要です。痛い傷が1時間後には治ってるなんて、魔法を使わない限りありえない。でも時間がたてば痛くなくなるわ。治るための時間というものが必要なんだと思う。
心に残る傷も同じ。つらいとか悲しいとかあまり感じなくなるまでに必要な時間がきっとある。それは長い時間かもしれないけど、だんだん忘れていくものじゃないかしら。
だから、忘れるっていうことも大切なことなのよね。子どものときのことから全部覚えてるっていう友だちいるけど、それってつらいことなんですって。勉強するときにはすごく羨ましいと思うけどな~
嬉しいことや楽しいことだけ覚えていられればいいのに、人間の頭の中はそんなふうにできないのね。 覚えたいことは忘れちゃって、忘れたいことはいつまでも覚えてるように感じていやになっちゃう。
でも、よく考えてみれば、楽しかったこともちゃんと覚えてるわ!
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