第47話:スカレット=ゆめかわを定着させたいアスナ
「……待ってくださいッ!」
意識外から声をかけられる。その正体は……スカレットだった。
「一体、私に預けてくれませんか? 必ず撃ち倒して見せます」
「スカレット! 貴女さっきまで死にかけてたんですよ!?」
「わかってるわ、ブルース。でも……………今私、すごくイライラしているの」
イエルロを一瞥し、今まで塞ぎ込んでいた身の内を曝け出す。彼女に似つかわしくない荒々しい表現方法で。
「私らしいって何かしら……ずっと考えてた。だってそう、幻想少女に置いて感情の揺さぶりはそのまま力になるから。
でも変われなかった、私はブルースじゃ無いから。強くなれなかった、イエルロとは違うから。能力だって『同調』が仕事で自我を出すことがなかった」
———そこまで吐き出したところで、一番伝えたいことを冷静に告げる。
「でも……………そんなことはどうでもいい。今私は—————可愛い後輩が殺されかけたことに怒っている」
「………にはは。で、どうしたいんだ?」
「決まってます…………あいつらをぶっ殺す」
「わお、野蛮」
「そのために力を貸してください、今の私では一体を倒すことですら手一杯。教えてください、自分らしいとは何なのかを」
面白い展開になってきたなぁ(ゾクゾクッ)
エシル、少し延長だ。
「いいだろう、ただし条件がある。その身を俺に捧げ、一生俺に仕えることを宣言しろ」
「ダメッ! スカレット!!」
「はい、私は一生をあなたに差し上げます……………でも、直ぐにその権利を放棄することになるでしょう」
「にはは、いいねぇ……まぁ、取り敢えずやって見ろー」
気分はまさにポケモソトレーナー。
「行けスカチュウ、はかいこうせんだ!!」
「撃てませんが」
その代わりに虎の子の超圧縮ビームピストルで攻撃する。
『—————ッ! 効かないよ!!』
「こんな序盤からそれを使っていいのかい?」
「私の進化には不必要です。それに、はかいこうせんとやらに一番近いのはこれでしょう?」
飄々とした言葉の裏では、ものすごく心臓が跳ね回っているに違いない。
「にはは。スカレット君、君の能力で対人戦は無理がある……………と言うわけではない。どんな能力も使いようだ、それをかったぁぁぁいきみの頭で考えるのが仕事さ」
「と、言うと?」
「そうだねぇ……………いつもは有線でやってる接続を、無線でやることは出来ないかい?」
「どうやって……ッ!」
相手側2人の跳ね回る銃口に、苦戦を強いられるスカレット。
「せめて誰か片方担当して欲しいのですがッ」
「それはほら、もう一組因縁があるやつがいるだろう?」
「そう、我々のことだッ!!」
「キング!!」
「やられ役では王の名が廃ると言うものよッ! こちら側は元エストックとアマネ指揮官が引き受けるッ!!」
「アスナッ! スカレットを頼んだ!」
「死ぬなよー」
「死にそうです、どうしたらいいですか?」
「だから自分で考えろよ……あ、そうだ」
思いついた案を伝える。
「電波を使えば? 電気信号を増幅させて届けるんだ
「はい! やり方がわかりません!!」
「スカレットってこんな面白お姉さんだったっけ……イエルロに接続した時の感覚を思い出せ、イメージ次第で何でもできる」
「情報は最大の武器だ! 脳からの伝達がコンマ1秒遅れるだけで人死が出る世界だぜ? 誰よりも思考を制したものが……………戦場の最強だ!!」
「……………!!」
—————チリチリチリ……
うなじから焦げ付くような違和感を感じた。
「成功だなぁ」
「今の感覚が!」
「なんか相手に送ってみたら? 自己紹介とか」
「そんな適当な……」
否定しつつも素直に行動するスカレット。
……………イタズラしちゃお ^ ^
耳元に瞬間移動して囁く。
「送ります」
「ゆめかわ服って可愛いよね☆」
「……え?」
瞬間……………!
『……………似合うでしょうか』
脳内で恥じらいながらゆめかわ服を試着するスカレットが浮かんだ。
『……………なぁに馬鹿みたいな物を頭の中に垂れ流してくれたんだい?』
「———ッ!! ———ッ!!」
「にははははは!! さいっこう! それじゃ、フェイズ2だっ!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます