第46話:ノーガード

「ねえ様、力を貸してください」


———もう十分くれてやったはずだ。自分の力で何とかしろと言ったのを、忘れたのか? それに………


「はい、今のねえ様では意識を取り戻すことは不可能です。しかし、『傾きの紫テミス・バイオレット』の力を使えば………」


———……俺はもう。いつまで経っても旅立たないままじゃおかしいだろう?


「第二の人生を歩んで来た人が何を言うんですか?」


———俺にはもう戦う理由がないんだ。


「……なら、もうすでにねえ様がお造りになられてしまいました。最早この世界はねえ様が知っている未来へは到達し得ません。貴女が壊してしまったんです、責任をとってください」


———、……………、






「———お願いします、オルねえ様のためにも」


























「10分だ、10分で終わらせる」


———はい、ご武運を。






◇◇◇◇◇






「さてと……」


自らに向けて発砲間際である、イエルロの銃身内に装填されている弾丸を、手首を捻る動作で捻じ曲げて詰まジャムらせる。


次いでキング、ノイズ、ランスロッド、ブルースを回収し、空間を切り抜くイメージで後方に転送させる。


『この能力……ッ!』

『とんだ大本命が来たね』

『……………』


「し、師匠!?」

「弟子にとった覚えは無ぇよ」


……酷いな。特にキング、次いでランスロッドが重症だ。


「死んだら殺すぞー」


私だけの空The world』モード『くろ』、『前借まえがり


見るも無惨な致命傷が、適切な治療を施された重症まで蘇生されて行く……


「すごい……!」

「あくまで結果の前借りだ、今の問題を先流ししただけに過ぎない、後で死ぬほど痛むぞー」


言いながら、キングの治りかけの腹をテシテシと叩くと、その度にうめき声が上がる。


「ノイズは跡が残らない程度に、ランスロッドは……………おぉ、直前で何とかずらしてるからメモリーには達してないな。お前も見習え」

「は、はい!」


これで良し……………と。


「さて……」

『ようやく終わったかよ』

「随分と悠長なことをするんだな、治療中に襲い掛かればいいのに」

『雑魚どもの治療に力を使ってくれれば、その分仕留めやすくなるからねえ』

『殺す』


両方りょうかた見合って、真剣勝負—————!!




『なんて、すると思ってんのかよブアァァカ』


開幕早々、全身の動きをリンクさせられ、そのまま動けなくなってしまう。


『S級殲滅者? そんな奴と真正面から戦うわけ無ぇだろ、これで終わりだよ』


そのまま手元のクレシューズを首元に………





















『……………あん?』

『どうしたのさ、アカサ』

『早く殺せ』

『いや、体がッ……動かねぇ』


全身がコンクリートに詰められたように固定されてしまい、一寸たりとも動かすことができない。


『何でだ? クソッ、具現人形アバターの故障か?』

『おいおい、せっかくお前に譲ってやろうと思ったのに』

『早くしなさいよ!』




その時、ようやく右腕が動かせた。




『よし—————?』




首筋に当たるはずの手は、そのまま顎を通過し口元で仕草をする。


『—————は?』


「いやぁ、あまりにも弱っちい能力だったんでね、力尽くで突破させてもらったよ」


視界上のターゲットが右足を差し出せば、こちらの右足も動く。


『おいおいおいおい!!』


左足を突き出せば、リンクした左足が。


『なにがおこっているんだい!?』

『知らねえよ! とにかくあいつを殺せ!!』

『了解———』


機銃を乱射するが、全て見えざる壁に防がれて地に落ちる。


その間にも両者の距離はどんどん狭まって行く。


———10m


『殺せッ! 殺せッ!!』


———7m


『おい、何してるんだ、早く殺せッ!』


———5m


『嫌だッ! いやだ! イヤダァァァ!!!』


———3m


『あぁああ゛!! 死ね! シィィィネェェェァァァアア!!』






———1m




「お花摘みは済ませたかい? バーナテヴィルにお祈りは? 部屋の隅でガタガタ震えて命乞いする心の準備はおーけい?」


『—————待っ』

「はい、ドーンッ!!」


互いの拳が惹かれ合うように両者の頭へと突き刺さる—————しかし、




———ゴガシャァァァンッッッ!!




「……ふう。古今東西、顔面にグーパンされたのは初めてだ、誇っていいよ」


俺はほぼノーダメージ。アカサとか言うやつは、ノイズよりも悲惨な目に合ったに違いない。


『嘘……でしょ?』

『アカサが……最強の能力が……ッ!!』


異常な光景に目を見張る機械ども。


だが、




「次、どいつから来るよ?」




暗黒微笑をたたえた俺に、正気に戻される。




悪夢は、まだ終わっていない。




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どーも、涙目ともです。些細なことで泣くから涙目です。


この前食べたウマズラハギの肝醤油があまりにも美味し過ぎて食べ過ぎた結果、気持ち悪くなって泣いた。


今後の参考のために好感度調査をさせてくれぃ。やり方はこの下の部分をコピペして数字を割り振るだけ。その他の欄には印象的なシーンを書いたり書かなかったらしろやオラァン!


この結果によって今後の展開が変わるかもしれぬ、多くの参加を希望する。


1から5で評価付け。


アスナ 


カズト 


スカレット 


ブルース 


イエルロ 


ヨルヤミ(猫) 


バーナテヴィル 


オルター 


グリエル(雪山編) 


アムリカ(雪山編) 


アンドゥ(オルターの補佐) 


テミス・バイオレット 


エシル 


キング 


ノイズ 


ランスロッド 


バァラディ(誰だっけこいつ) 


その他 


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